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NEXCO東日本、高速道路リニューアルプロジェクトの工事箇所、外環道工事の東名JCT側からのシールドマシン発進などを発表

2017年1月の定例会見

2017年1月18日 開催

東日本高速道路株式会社は1月18日、東京・霞が関の本社において2016年度9回目の定例会見を開催。代表取締役社長の廣瀨博氏(中央)、取締役兼常務執行役員 管理事業本部長 遠藤元一氏(左)、取締役兼常務執行役員 事業開発本部長 萩原隆一氏(右)が出席した

 NEXCO東日本(東日本高速道路)は1月18日、東京・霞が関の本社において2016年度9回目の定例会見を開催。

 次期中期経営計画、高速道路リニューアルプロジェクト、2016年12月の通行台数、料金収入などについての説明があった。

「1月11日~16日の大雪では、事前の準備により影響を最小限にできた」

定例会見で説明する代表取締役社長の廣瀨博氏

 会見では代表取締役社長の廣瀨博氏からまず1月11日~16日の大雪の影響について説明があった。

 関越自動車道 湯沢IC(インターチェンジ)では約2m30cm、上信越自動車道 信濃IC、山形自動車道 月山ICでは約2mの降雪を観測。新潟県、福島県、山形県、宮城県にわたって5路線・合計約125kmで通行止めがあったことを報告。そのうち山形道が1/3の延長を占めたという。

 2014年2月の首都圏豪雪の経験を踏まえ、降雪予測の段階で対応を進め、特に新潟県での降雪量が多いことが予想されたので、事前に関東支社から新潟支社へ除雪トラック、ロータリー除雪車などの応援派遣を実施。外出を控えるアナウンスを行なうなどにより、同社が管理する高速道路において通行止めは発生したものの、「影響は最小限に抑えられたのでは」という認識を示した。

NEXCO東日本のSMHとして4カ年に及ぶ計画を策定中

 続いて次期中期経営計画として、2020年を控え、大規模修繕などで必要としているメンテナンスの体系化を「SMH(スマート・メンテナンス・ハイウェイ)」と呼称し体系化を図り、2017年度~2020年度の4カ年に及ぶ計画を立てていると説明。

 5つの基本方針があり、1つ目は安全、安心、快適、便利な高速道路サービスの提供。2つ目に地域社会への貢献と国際化への対応。3つ目に社会に貢献する技術開発の推進。4つ目に関連事業の収益力強化。5つ目にグループグループ全体の経営力強化を据えて、戦略的計画策定を進めているところであり、3月末までに策定すると話した。

NEXCO東日本の高速道路リニューアルプロジェクト

高速道路リニューアルプロジェクト

 同社が管理する高速道路約3800kmのうち、開通から30年以上経過した道路延長は全体の約4割、約1480kmとなる。10年後にはそれが全体の約6割、約2495kmになる見通しであり、経年劣化によるリスクの高まりが懸念されている。

 高速道路の利用状況は大型車の走行台数が年々増加するとともに、車両の総重量も増加傾向にあること、また同社の高速道路全体の約7割、約2526kmが積雪寒冷地である。

 これらの実情を踏まえて、高速道路が大動脈としての役割を果たすためにも、2015年度から大規模修繕、大規模更新の取り組み「高速道路リニューアルプロジェクト」を進めており、2017年度の予定箇所について説明がなされた。

高速道路リニューアルプロジェクトの工事予定地

 長野自動車道の小仁熊橋、東北自動車道の広瀬川橋、この2カ所については橋梁床版の取り換え工事。東京外環自動車道のJR東北線を跨ぐ跨線橋、幸魂橋(ゆきたまばし)では鋼床版の補強対策として、鋼繊維コンクリートによる補強工事。上信越自動車道 閼伽流山(あかるさん)トンネルでは地盤補強で、インバート(トンネルの底面に逆アーチ状の補強)を設置する工事を行なう予定とのこと。

 これらの工事では通行止めや対面通行など、クルマの通行に大きく影響する交通規制が伴うため、ラジオ/テレビCM、Webサイト、ポスター、リーフレットなどを使い、事前に具体的な工事情報の提供を行ない、高速道路の利用客への影響を極力少なくしていきたいと話した。

外環道のトンネル工事は、東名JCT(仮)側から3月末までにシールドマシンを発進する予定

外環道(東京外かく環状道路)の計画概要
外環道の新料金設定

 外環道(東京外かく環状道路)の関越~東名間の工事については、東名JCT(仮)側からの本線シールドマシンの組み立て準備が進み、本年度・3月末までにシールドマシンの発進ができる見込みが立ったとの報告があった。具体的な日付は関係者間で調整中であり、確定次第公開するとのこと。

「高度な技術を要する大規模な地中拡幅工事であるため、地質調査を行ない、有識者の方々の意見を聞き、安全に最大限の注意を払いながら、慎重に工事を進めていきたい」と話し、このシールドマシンの組み立てについては、CGアニメーションを使った説明もなされた。

外環道のトンネル工事におけるシールドマシン組み立てを説明するCGアニメーションが紹介された

2016年12月のNEXCO東日本における営業概要

2016年12月の実績

 2016年12月の通行台数については、1日の平均台数は約284万台、対前年比で約2.2%の増加。料金収入は約673億円、対前年比で約1.8%の増加となり、「通行台数については圏央道の開通効果が継続しており、料金収入も、全体の通行台数の増加に伴うものとと考えている」と説明した。

 SA(サービスエリア)、PA(パーキングエリア)の2016年12月の売り上げは約108億円、対前年比で約4.9%の増加であり、部門別では飲食・商品販売部門が約74億7000万円、前年比約0.9%の増加、ガソリンスタンドでは約33億3000万円、前年比約15.2%の増加。これは「飲食・商品販売部門では、昨年と比べて3連休があったことなどで、月の後半に売り上げが伸びたことが要因。ガソリンスタンドでは各油種で約2円/Lほど単価が上昇したことと、台数の増加によって大幅な増加につながったと考えている」と話した。

2016年のNEXCO東日本管内における交通事故発生状況

 2016年の交通事故発生状況について、1月18日段階での同社調べの速報値の報告もあった。死亡事故件数と死亡事故率については、2016年の死亡事故件数は46件、死亡者数は53名で、2015年は47件・50名、2014年は57件・63名となっており、これを交通量と死亡事故の発生件数でみた死亡事故率で比較すると、2014年は0.174件/億台キロ、2015年は0.141件/億台キロ、2016年は0.136件/億台キロと減少していると紹介。

 2016年の死亡事故の主な要因としては単独事故、事故・故障の際に高速道路内に人がとどまりはねられてしまう人とクルマの事故、事故の衝撃で車外に放り出されてしまう車外放出の3つが大きな類型だったと説明した。

SA・PAで利用できる公衆無線LANサービスが3月1日から順次リニューアル

SA・PAで利用できる公衆無線LANサービス「E-NEXCO Wi-Fi SPOT」「C-NEXCO Free Wi-Fi」「W-NEXCO Free Wi-Fi」が3月1日から順次リニューアルされる

 SA・PAで利用できる公衆無線LANサービス「E-NEXCO Wi-Fi SPOT」「C-NEXCO Free Wi-Fi」「W-NEXCO Free Wi-Fi」がリニューアルされる件についての説明があった。

 リニューアルポイントは、NEXCO3社提供のサービスを1つのアカウントで利用できるようになる、1日3回・1回15分という制限がなくなる、利用画面が多言語化されることなどが説明された。詳しくは本誌別記事も参照していただきたい。リニューアルは3月1日から順次提供、3月末に完了予定。