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デルタ航空、羽田空港昼間時間帯に新規就航したミネアポリス線就航セレモニー

乗り継ぎ利便性だけでなく、ミネアポリス、セントポールの街の魅力もアピール

2016年10月30日 就航

 デルタ航空はは10月30日、羽田空港の昼間時間帯発着枠を使用し、羽田~ミネアポリス線、羽田~ロサンゼルス線の運航を開始した。羽田~ミネアポリス線は成田線から移管した新規路線となり、その就航セレモニーを羽田空港国際線ターミナルで実施した。

 2月に合意した日米航空交渉で、日米航空会社それぞれで昼間時間帯5枠、深夜早朝時間帯1枠となったことを受け、米当局はデルタ航空に昼間の2枠を割り当て。同社はこれを利用し、ロサンゼルス線を深夜早朝時間帯から昼間時間帯に移行するとともに、ミネアポリス線を新たに開設した。

 米国中西部のミネアポリス・セントポール国際空港はデルタ航空にとってハブ空港の一つで、米国のより東の都市へ行くための乗り継ぎにも便利な空港となっている。これにより、「羽田空港から西海岸と東海岸を両方を網羅する、2つの拠点空港に就航する唯一の米国航空会社」と同社では説明。

 また、「ミシシッピ川をはさんで隣接するミネアポリスとセントポールのまったく違った風情を楽しめる街を一度に楽しめる。ミュージシャンであるプリンスやボブ・ディランを輩出したミネアポリス、小説家のF・スコット・フィッツジェラルドや、スヌーピーの作者であるチャールズ・M・シュルツを輩出したセントポール。自然と文化に満ちた素敵な街」と魅力を紹介している。

 運航スケジュールは下記のとおり。米国のサマータイムの関係で11月5日以前と11月6日以降のスケジュールが異なり、11月6日以降は日本発着時刻がそれぞれ1時間遅くなる。

2016年10月30日からのデルタ航空の羽田発着国際線

DL120便:羽田(16時35分)発~ミネアポリス(13時32分)着 ※~11月5日
DL120便:羽田(17時35分)発~ミネアポリス(13時32分)着 ※11月6日~

DL121便:ミネアポリス(11時31分)発~羽田(翌日14時20分)着 ※~11月5日
DL121便:ミネアポリス(11時31分)発~羽田(翌日15時20分)着 ※11月6日~

DL006便:羽田(15時50分)発~ロサンゼルス(09時50分)着 ※~11月5日
DL006便:羽田(16時50分)発~ロサンゼルス(09時50分)着 ※11月6日~

DL007便:ロサンゼルス(11時00分)発~羽田(翌日15時05分)着 ※~11月5日
DL007便:ロサンゼルス(11時00分)発~羽田(翌日16時05分)着 ※11月6日~

 機材はいずれもボーイング 777-200ER型機を使用。10月30日の羽田発初便では、ミネアポリス便に登録記号「N863DA」の機体を使用。ロサンゼルス便には「N864DA」が用いられた。

就航セレモニーの準備が進むなか、15時10分頃に到着したDL120便の使用機材、ボーイング 777-200ER型機(登録記号:N863DA)。
145番搭乗口で羽田~ミネアポリス線の就航セレモニーを実施。待ち時間には、プリンスの「パープル・レイン」をイメージしたグレープジュースなどのドリンクが振る舞われた
デルタ航空 日本支社長 森本大氏

 就航セレモニーでは、デルタ航空 日本支社長 森本大氏が挨拶。関係各位や搭乗客に感謝の言葉を述べたあと、「羽田空港は北米路線の就航を受けて、いよいよ本格的な国際化がスタートした。今後、2020年までにより早く、よりたくさんの発着枠をいただき、競合他社に先駆けて、できるだけたくさん、より多く、羽田空港から北米の主要都市へ運航したい」と将来への意気込みを見せた。

在日米国大使館 経済・科学担当公使 ニコラス・ヒル氏

 続いて、在日米国大使館 経済・科学担当公使 ニコラス・ヒル氏が挨拶。「日米オープンスカイ協定においても重要性が強調されたとおり、日米を結ぶフライトは引き続き増加している。昨今の訪日観光ブーム、2020年のオリンピック・パラリンピックまでに訪日客数を2倍にするという日本政府の目標、日米経済、社会の発展という点でも航空会社が担う役割は日々重みを増している」と指摘。「都心に近い羽田に到着することは、それだけ両国間の距離を縮め、両国をより近付けることだろう。旅行者の貴重な時間を節約し、東京や地方から米国に向かう旅行者に新たな選択肢を提供して、より広範な選択肢と利便性をもたらす。日本人とアメリカ人、ビジネスマンにとっての貿易や投資の機会、観光客にとってはお互いの国を知る機会、学生にとっては海外留学の機会といった機会を増大させる」と、10月30日からの日米路線やデルタ航空の新路線への期待を寄せた。

国土交通省 東京航空局 東京空港事務所 東京国際空港長 今込毅氏

 次に挨拶した国土交通省 東京航空局 東京空港事務所 東京国際空港長 今込毅氏は、デルタ航空が路線を引き継いでいる旧ノースウエスト航空が羽田空港から成田空港へ移り、再び昼間の時間帯に羽田空港便を運航することになったことに対し、「まず最初にデルタ航空の皆さまに対して“おかえりなさい”と申し上げたい」と歓迎。

 また、成田空港や東京エリアコントロールセンターで航空管制官の仕事をしていたことから、同席していたDL120便の2名の機長に対して、「航空管制官の仕事をしていて、ノースウエスト航空とデルタ航空のパイロットとはラジオを通じてほぼ毎日話していた。それはプロフェッショナルな姿勢を感じさせた。私はデルタ航空のパイロットが、羽田や成田の路線において、引き続き安全で効率的で快適に運航していることを信じている」と話かけた。

 そして最後に、「羽田空港は日本政府の方針に従い、首都圏空港機能強化ということで2020年に向けて国際線の発着枠を拡げていくために全力で取り組んでいる。2020年に発着枠が拡大された暁には、もっと多くのデルタ航空のフライトが羽田を利用していただけることを祈念したい」と挨拶を締めた。

東京国際空港ターミナル株式会社 代表取締役社長 土井勝二氏

 最後に登壇した東京国際空港ターミナル株式会社 土井勝二氏は、「東京国際空港ターミナルは、2010年10月末、ちょうど6年前に本格的な国際ターミナルとしてオープンして、順調にその便数、路線、旅客数が成長してきている。当初は1年間に約800万人ぐらいの状況客数だったが、2015年には約1350万人が利用、2016年の予測では1500万人を超えると思っている」とその成長を紹介。昼間発着の米国便が合計10便開設されることで、「ビジネス、観光での日米交流が便利になると思う」と期待した。

 また、今後の発着枠拡大に対し、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、国土交通省が発着枠の拡大を計画しているので、ターミナル会社としても施設、サービスの拡張、充実に努めたい。それによって、航空会社や旅客の利便性向上に寄与すると考えている」との姿勢を示した。

左から、DL120便で機長を務めるウィリアム・ローデ氏、デルタ航空 東京国際空港(羽田)支店長 岡崎賢一氏、東京国際空港ターミナル株式会社 代表取締役社長 土井勝二氏、在日米国大使館 経済・科学担当公使 ニコラス・ヒル氏、デルタ航空日本支社長 森本大氏、国土交通省 東京航空局 東京空港事務所 東京国際空港長 今込毅氏、デルタ航空 日本地区 空港本部 本部長 田中勇三氏、DL120便のもう1名の機長であるブラッド・ジョーンズ氏

 デルタ航空によると羽田~ミネアポリス線のDL120便の搭乗率は80%程度とのこと。ただビジネスクラスは満席で、エコノミークラスに余裕がある状況だという。また、同社の日米路線はおおむね85~90%程度となっていることから、認知が進むことでこの程度の搭乗率になることを見込んでいる。

ミネアポリス行きDL120便の搭乗
搭乗客には搭乗証明書と記念ステッカーが配布された
10月30日のDL120便に乗務するクルー