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「えひめいやしの南予博2016フェア『秋』」を都内で開催
東京・新橋のアンテナショップ「香川・愛媛せとうち旬彩館」で11月末まで
2016年9月23日 12:21
- 2016年9月1日~2016年11月30日 開催
愛媛県は、愛媛県西南部にあたる「南予(なんよ)」地域の魅力を伝える観光振興イベント「えひめいやしの南予博2016」を11月20日まで開催。南予の魅力を体験できる300を超える各種イベントが行なわれる。これを記念し、東京の新橋駅近く(銀座口徒歩1分。東京メトロ銀座線2番出口すぐ)にあるアンテナショップ「香川・愛媛せとうち旬彩館」にて、「えひめいやしの南予博2016フェア『秋』」を11月30日まで開催する。対象の地域は、伊予市、大洲市、内子町、八幡浜市、西予市、伊方町、宇和島市、鬼北町、松野町、愛南町。この5市5町の特産品の販売や、秋の食材を使った料理と地酒を2階に併設されているレストラン「かおりひめ」にて提供する。
ショップの2階にはレストラン「かおりひめ」があり、フェア期間中ランチメニューとして、南愛町の深浦漁港から直送された「びんちょう鮪」と西予市明浜の「しらす」、宇和島市の「みかん鯛」を乗せた海鮮丼に、大洲名物の煮物「いもたき」の小鉢、ミニうどんがセットになった「南予うまいもん海鮮三種丼ミニうどんセット(いもたき)」を1000円で提供する。
また、夜のメニューとして、「びんちょう鮪のタタキ~柚子胡椒おろしポン酢(900円)」「天然焼き鱧(はも)と三種きのこの浸し(850円)」「大洲のいもたき~小鍋仕立て~(700円)」「真鯛すり身入りつみれの椎茸せいろ蒸し(730円)」「熟成鬼北きじとたっぷりきのこの小鍋(880円)」「城川ベーコンと芋こんにゃくの彩り炒め(830円)」が提供される。地酒の「三種飲み比べセット(860円)」も用意。酒六酒造(内子町)「一刀両断」、梅美人酒造(八重浜市)「観梅」、正木正光酒造場「野武士」の3種が試せる。
フェアメニューの試食会では、南予から食の魅力を提案する「食のふるさと運動」のコーディネーター 中村和憲氏から南予地方を解説するコメントがあった。
「愛媛ではどこで魚を買っても美味しく、たとえば鯛めしも愛媛県では2種類あります。松山中心にあるお米と姿のまま一緒に炊いてしまうものと、南予地方ではお刺身をづけにしていただく宇和島鯛めしです。これは『かおりひめ』でもいただくことができます。この宇和島鯛めしが身近になったのは1990年代になってからです。それ以前は漁師の方の間で食べられていただけでした。宇和島鯛めしに限らず、南予には地域によって異なる食文化が存在しています。これは厳しい山のある自然のためかも知れません。昔は人の交流がしにくかったのだと思います。こういった食文化を再発見し、未来に繋げていこうとするのが『食のふるさと運動』です。
大洲発祥の『いもたき』は、ちょっと甘い味が独特かと思います。愛媛、特に南予の味付けは甘いものが多いです。たとえば味噌汁も麦味噌が主流なのですが、これも甘いのです。味噌に麦を使うのは珍しいのですが、これも厳しい山のある自然のためです。発祥の大洲は伊予の小京都と呼ばれています。近くにある肱(ひじ)川がよく氾濫し、上流から栄養分を運んで来るため美味しい農作物が採れると、自然との闘いを感謝に変えて知恵を絞ってきています。水害に強い作物の一つがサトイモなのです。
こういった物語が、数え切れないほどあるのが南予地方です。外から見た時の南予の魅力を伝える「食の文化を訪ねて」という冊子も11月発刊に向けて編集していますのでご期待ください。愛媛の食文化やふるさとの料理というものを未来に繋げていくという取り組みをしていきます。南予の人たちは幸せを感じ取る感性が強く幸福感が高いと聞きます。昔は経済的に決して豊かではなかったかも知れませんが、豊かで厳しい自然と共存し、自然に感謝しながら一生懸命暮らしてきたことが、幸福感に繋がっているのではないかと考えています。この地元の方々の幸福感が、訪れる人を癒やしてくれたり、幸せな気持ちにしてくれると思います。食材だけでなく人、自然、南予を構成している要素が本物の癒やしを与えてくれると思っています。南予に行きますといつも元気になってきます。今回の『えひめいやしの南予博』、南予のほうにぜひ足をお運びください」と愛媛、南予の魅力を詳しく語ってくれた。
対象となる地域の市町から、最新のトピックも伝えられた。
内子町からは、特産の「じゃばら」という柚子に似た香酸柑橘の皮をお茶にブレンドした「内子茶」を新製品として発売したことを報告。アレルギーを抑制する効果があるとされるナレルチンという成分が含まれている。また、国の重要文化財となる木造の芝居小屋「内子座」で、創建100周年を迎える記念事業として10月29~30日「東西狂言の競演」と称して和泉流狂言師 野村万蔵氏と大蔵流狂言師 茂山千三郎氏が狂言界初の試みとして競演する。内子町伝統工芸の大洲和紙を使った衣装で演じる。
伊予市からは、特産の日本三大栗「中山栗」を紹介。徹底した品質基準チェックをして出荷される「特選中山栗」は、甘み、風味も格別、サイズも大きい。また、無農薬栽培され、3年に一度収穫される極上のびわの葉から作られる「びわ葉茶」は、ほんのり甘口でくせのない飲み味。冷やしたり、焼酎割もおいしいとのこと。
大洲市からは、街歩きツアーの「おおず歴史華回廊」を紹介。すべてのツアーで案内人が説明して回ってくれる。秋旅として、紅葉を巡るツアーと、女子Kimono-Dayと称して着物を着て人力車に乗れるツアーなど8種類が用意される。このツアーにもある「臥龍(がりゅう)山荘」は7月に国の重要文化財に認定された。
西予市からは、青トマトの粕漬け「リコピンズ」を紹介。これまで廃棄処分されてきた、寒さで赤くならなかったトマトを使っている。また、四国西予ジオパークにて、コンテストを通して選んだBGMを風景とともに楽しめるジオポイントを設定、iPod(「道の駅どんぶり館」で貸し出し有)を使ってその場所のジオミュージックを聴くことができる「四国西予ジオミュージック」を開催している。
宇和島市では、1~2月に「しらうお」を躍り食いする習慣がある。イベントなどでも提供される。また、11月19日に宇和海熟成酒&戸島金賞ぶり満喫イベントが行われる。宇和島市の戸島という離島で、海底に沈めた海底熟成酒の引き上げ、養殖している戸島ぶりの餌やりをした後、料亭とじま亭にてそれらを堪能する(元気島プロジェクト 電話:0895-64-0026)。
四国中央市からは、愛媛のオリジナルブランド里芋「伊予美人」を紹介。粘りが強くモチモチした食感があり柔らかい。色も白いため料理映えする。9月に入り出荷が始まっている。
西条市からは、柿の中でも最大級サイズの「太天(たいてん)柿」を紹介。平均で500~700g、サクっとした食感と濃厚な甘さ、果汁がとても多いのが特徴。一定基準以上のものをブランド柿「黄金 福嘉来(ふくがき)」として販売している。11月中旬~12月下旬が旬。また、果肉の中心が赤い「レインボーキウイ」も紹介。糖度18度以上と高く、酸味は抑えられている。11月~3月が旬。
今治市からは、日本遺産に認定された「よみがえる村上海賊の記憶」を紹介。尾道~今治を繋ぐ芸予諸島の本拠地とした日本最大の海賊村上水軍を伝える多くの文化財がある。
見どころや体験が盛りだくさんの「えひめいやしの南予博2016」にぜひ足を運んでみていただきたいが、その前に都内が近ければアンテナショップ「香川・愛媛せとうち旬彩館」で疑似体感、もしくは南予旅行の下調べなどで体験してみてはいかがだろう。