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スカイマークの「空の日」イベント。新千歳空港で「GSE展示会と業務見学会」

小中学生と保護者のペアを対象に開催

2016年9月11日 実施

新千歳空港を舞台に行なわれた、スカイマークの「GSE展示会と業務見学会」

 スカイマーク千歳空港支店は9月11日、「空の日」&新千歳空港開港90周年記念イベントの一環として「GSE展示会と業務見学会」(以下、業務見学会)を開催した。GSEとは、Ground Support Equipmentの略で航空機が空港に到着した際に行なう、燃料補給や整備などさまざまなサービスの総称となる。GSE展示会とは、そのさまざまなサービスに伴う車両の展示を指し、スカイマークが新千歳空港で行なっている一連のサービスも見ることが出来るようになっていた。

 このイベントには、小学生から中学生とその保護者が参加できるようになっており、約2時間半の業務見学会を楽しんでいた。

始まりは荷物の積み込みから

 業務見学会のほとんどは、制限区域と呼ばれる特別なエリアの見学となっているほか、航空機にも近づくためヘルメットと反射材ベストの装着が必須となっている。スカイマークの事務所でそれらの安全装備を身に着け、業務見学会をスタート。預け入れ手荷物の積み込みエリアの見学から始まった。

 預け入れ手荷物の積み込みエリアでは、スカイマークがどのようにして荷物を積み込む準備をしているかを見学。荷物は自動的にベルトコンベアで送られてくるほか、ハンディ端末でバーコードを読み取り、正しく積まれるためのチェックを行なっていた。

業務見学会のスタートは預け入れ手荷物の積み込みエリアから。預け入れ手荷物の積み込みの仕組みを学習する

 預け入れ手荷物の積み込みエリアの見学を終えたら、次はバスに乗っての空港見学。新千歳空港のターミナル沿いにバスは巡ったほか、千歳空港(千歳基地)方向にも向かい、海上保安庁の格納庫、政府専用機の格納庫(扉が閉まっており、外観だけの見学)を行ない、スカイマークのGSE関連の車両が置いてあるエリアへと向かった。

 その際、国土交通省の航空教室と同様に航空機の後部エリアを通るルートをバスは走行。国交省の航空教室では新千歳空港のターミナルを南から北へと向かったが、スカイマークの業務見学会では北から南へと向かい、18番スポットにはスカイマークのタイガースジェットが止まっていた。

その後はバスで空港見学。海上保安庁エリア
政府専用機の格納庫。シャッターが下りており、格納庫の外見を見るだけ
新千歳空港のターミナルへ向かい、航空機の後方を通過。結構近い
18番スポットには、スカイマークのタイガースジェットが止まっていた

27番スポット付近で開催されたGSE展示会

 バスは18番をスポットを過ぎ、ターミナルと接続されていない27番スポット方面へ。スカイマークはこの26番~27番スポットを占有する形でGSE関連車両を展示し、自由に乗ったり触れたりできるようにしていた。

 元々航空機が駐機するための場所だけに、誘導路(J6)に近く、車両のすぐ後ろを航空機が通過していく迫力の風景が広がる。当初は静的展示となっていたが、動的展示可能なものは動きのある展示を行なっていた。

バスは26番スポット付近へ。スカイマークのスタッフが手を振っているエリアに到着
バスを下りると、そこにはスカイマークのGSE関連車両が。すぐ近くを滑走路へ向かう航空機が通過する
航空機をプッシュバックするトーイングカー
タラップカーを2台接続。階段の上り下りが楽しめる
カーゴトラック。ちょっとした手荷物を航空機へと運ぶ
トーイングトラクターでは撮影会
スカイマーク株式会社 千歳空港支店 支店長 小林紘典氏。今回のイベントの仕掛け人。参加者にとことんサービスをしていた

 この動的展示で人気を集めていたのは、航空機の翼に雪が付着しないようにするための作業を行なうデアイシングカーの同乗が実施されていたこと。子供はデアイシングカーのオペレーションルームに同乗でき、高い場所から新千歳空港を見下ろすことが可能だった。

デアインシングカーの同乗体験
同乗体験者は左上のオペ-レーションルームへ。手前には我が子を見守るお母さん
最初は手を振っていたお母さん
高く高く上がっていく。お母さんはあまりの高さに笑っていた
右へ左へ旋回
その横をタイガースジェットが通過していった
タイガースジェットの離陸を撮影

 そのほか、当初は記念撮影で人気を集めていたトーイングトラクターも一通り記念撮影が終わると人が途切れていたが、改めて空港側に許可を取り、同乗走行イベントを開始。同乗走行イベントが始まると一躍人気車として復活していた。デアイシングカーに1/3ほどの参加者が同乗できた時点で、GSE展示会は終了。実際に羽田空港に向かうスカイマーク機の業務見学へと移動した。

記念撮影の後は注目する人も少なかったトーイングトラクターだが、同乗走行を開始するとさらに大人気に
水をまいて子供の注目を集めようとするスカイマークスタッフ。ワンダーランドと化す27番スポット付近
最後にみんなで記念写真
スカイマークスタッフも加わっての記念写真

これがスカイマークのサービスだ

羽田から到着した便を18番スポットで見守る

 羽田空港に向かうスカイマーク機の業務見学は18番スポットで実施。羽田から新千歳空港に到着し、折り返し羽田空港に向かうスカイマーク機の一連の作業を見学することができた。と、書くとスポット近くで見学できるイベントなのかと思ってしまいがちだが、そのようなことはなく、本当に航空機の近くで見学ができる。そのため、航空機の点検を行なっている機長がわざわざ子供のほうに近づき握手などのサービスを実施。プッシュバックに用いるトーイングカーの接続作業も間近で見ることができていた。

到着便へのマーシャリング
無事到着
複数の組に分かれて各所を見学
エンジンまわりを見学
トーイングカーの接続作業を見学
接続箇所を見学
機体各部の運航前点検を行なう機長
参加者に挨拶する機長。子供はちょっとおっかなビックリ
副操縦士は、コクピットから挨拶。コクピットで出発前の準備中

 驚くべきは、ここに先ほどのデアイシングカーがやってきたこと。これは先ほど乗ることができなかった子供に同乗体験してもらうためで、この業務体験会に参加したすべての子供がデアイシングカーのオペレーションルームを体験することができていた。スカイマークのサービス精神を感じた場面だ。

デアインシングカーも登場
同乗して機体上部から見学
実際の作業デモも実施

 出発時刻が近づくと、全参加者が安全な場所に待避。その後、1組の参加者がスカイマークのスタッフに連れられてトーイングカーの近くへ。実はこれ、事前にバスの中で行なったジャンケンで勝利した参加者で、“実際に航空機をプッシュバックするトーイングカーへ同乗する”ことができる権利を獲得していたもの。限定1組とはいえ、貴重な体験であることは間違いないだろう。

 羽田行きのスカイマークは、幸運な参加者の乗ったトーイングカーにプッシュクされ誘導路へと移動。その後、参加者全員に見送られる形で滑走路へと向かっていった。

出発前に1組の参加者がスカイマークのスタッフに誘導されて航空機の前方に
トーイングカーに乗り込む参加者
無事搭乗
プッシュバックを開始
ほかの参加者はお手振り
どんどん誘導路へと押されていくスカイマーク機
所定の場所に着いたところで、参加者も奥へ
より近くでお手振り
トーイングカーに同乗していた参加者もこの段階では下りており、羽田に向かうスカイマーク機に別れを告げる
誘導路へ向かうスカイマーク機
出発地点に戻り、小林支店長が〆の挨拶。この後、スカイマーク事務所でアンケート記入を行なって解散となった

 スカイマーク 千歳空港支店 支店長 小林紘典氏にイベントの趣旨を聞いたところ、スカイマークが新千歳空港で行なっているさまざまな業務を、この機会を通じて多くの人に知ってほしいとのこと。また、小林支店長によると北海道ではスカイマークの知名度が今ひとつとのことで、これがきっかけでより多くの人にスカイマークという航空会社が浸透していけばとのことだ。

 空の日に関連するイベントは「空の日ネット」に公開されており、ある程度の概要を知ることができる。しかしながら、スカイマークの「GSE展示会と業務見学会」と題されたイベントがここまで充実したものとは想像できていなかった。来年開催されるかどうかは未定だが、北海道在住の方であれば新千歳空港で行なわれるイベントにも参加しやすいだろう。子供と一緒に参加可能であるなら、新千歳空港で行なわれる「空の日」のイベントに注目していただきたい。