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京成「スカイライナー」と成田空港、LCCを活用する目からウロコの国内出張術

往路はスマホを使ったチケットレス、復路はバリューチケットで便利&お得

都心と成田空港を短時間でアクセス可能にする京成「スカイライナー」。今年は新型スカイライナー運行5周年

成田空港発着のLCCを使って国内出張を安く

スカイライナーを使えば、成田までのアクセス時間を短縮できる。列車は頻繁に出ている

「成田空港発着のLCC(格安航空会社)を使った国内便」と聞くと、どのようなイメージを持っているだろう。都心にほど近い羽田空港の存在がアタマにあることから、どうしても「安いけど遠くて不便」と思ってしまいがちなのではないだろうか。筆者もこれまで、国内飛行機旅で成田を使うという選択肢は最初から外してしまっていた。特に時間に余裕のない仕事での出張になれば、成田への移動手段の選択の手間や移動時間が気になってしまう。

 そこで活用したいのが京成「スカイライナー」だ。スカイライナーの魅力の1つは都心~成田空港間の所要時間の短さ。実際の乗車の模様は後述するが、日暮里駅(JR山手線乗り換え駅)から空港第2ビル駅(成田第2・第3ターミナル)までなら最短36分で到着する。

 スカイライナーに乗車する際の乗車券はPASMOやSuicaといった交通系ICカードを利用でき、駅の券売機や窓口に行く必要はなくスカイライナーのホームへ一直線で向かえる。さらに、特急券である「スカイライナー券」は、事前に「チケットレスサービス」(https://skyliner.ec.keisei.co.jp/pc/)を使えば、座席指定したうえで購入し、スカイライナー券そのものもスマホで代用できる。つまり、ICカードと「チケットレスサービス」を組み合わせればチケット購入で並ぶ必要もない。

 京成上野駅または日暮里駅での乗り換えが必要なことを面倒に思う人がいるかも知れないが、交通系ICカードとチケットレスサービスを活用すれば乗り継ぎ駅での手続きは一切必要なく、それこそ地下鉄を乗り継ぐのと同じような感覚で改札を通過して成田空港行きの列車に乗れる。その手軽さは、スカイライナーの特徴である都心~成田空港の所要時間の短さというメリットをより高めてくれる。

 一方、ネットなどで最近のLCCの低価格を目にすると大変魅力的に映る。価格は変動はするが、概して安い。バーゲンなどが出ると、ビックリ驚きの低価格になることもあり、目的がなくても衝動的に旅行に行きたくなるほどだ。旅費が抑えられることはビジネス利用でも見逃せないメリットだろう。

 さらに、LCCの1つであるピーチの成田着便では、割安な「スカイライナーバリューチケット」を機内限定で発売している。乗車券とスカイライナー券の合計で通常2470円(ICカード利用時は2465円)となるところ、バリューチケットなら2200円で購入できる。成田空港から都心へ向かう場合のみではあるが、270円お得になる。

条件によって破格の価格で利用できるのがLCCの魅力。ビジネスに活用しない手はない。LCCの1つピーチのホームページより
ピーチでは、主に2種類の料金を設定している。好みに応じて有料オプションを付けることもできる

 今回はこうしたメリットに着目し、成田空港までスカイライナーを使い、ピーチ(Peach Aviation)の成田~福岡線を使った出張旅を実行してみた。

 LCCの航空券は安価だが、付帯サービスを省くことで安さを実現している面もあるので、どういったサービスがオプションとなるかはシッカリ把握しておく必要がある。例えば、ビジネスシーンでは予定が変更になることはままあるので便変更を可能にしておきたいだろう。LCCでは預け入れ受託手荷物が有料になるパターンも多い。

 ピーチでは、受託手荷物(重量20kgまで、3辺の和が203cmまで)が1個無料で、予約便出発時刻の1時間前までならインターネットを使って無料でフライトを変更できる(空港カウンターやコンタクトセンターでの予約変更も有料で可能)などのオプションが付く「ハッピーピーチ プラス」がある。

 今回の出張は予約時予定が確定していて、なおかつ機内持ち込み荷物だけと身軽だったため「ハッピーピーチ」を選択したが、予定が定まらないことも多いビジネスユースでは最安の「ハッピーピーチ」ではなく、この「ハッピーピーチ プラス」をお勧めする。

 参考までに、ピーチの運賃は空席連動のため変動があるが、2015年3月29日~2016年3月26日搭乗分の成田~福岡線の通常運賃は、「ハッピーピーチ」が片道4790~2万3590円、「ハッピーピーチ プラス」は7090~29690円で、ハッピーピーチとハッピーピーチ プラスの差額は2300~6100円。ハッピーピーチは受託手荷物1個で1650円(Zone 2の料金)、予約変更で3240円が必要なので、ビジネスユースにおける“保険”としては検討してもよい料金ではないだろうか。出張の予定が入ったら早めに予約するようにすれば、予約変更可能な運賃も割安感が高まる。

 もう1つ気になるのはLCCの運航状況だが、ピーチの就航率は2015年現在で98.89%。就航率は実際に運航した便数を、予定便数で割った数字で、98.89%という数値は、悪天候などの事情を除いてほとんど欠航がなく、安定して運航している航空会社と考えてよいだろう。

 話を戻して、都心から福岡への出張と考えた場合、このLCCの運賃にスカイライナーの運賃である2470円を足したとしても、旅費をかなり抑えたリーズナブルな移動が可能になる。

スカイライナー券はチケットレスがスムーズ

 スカイライナーに乗る際には、乗車券と指定席特急券の「スカイライナー券」が必要だが、お勧めは前述のとおり、乗車券にPASMOやSuicaなど普段から利用している交通系ICカードを利用して、スカイライナー券はスマホで代用する「チケットレスサービス」を利用する方法だ。これならスマホなどを使って空き時間にスカイライナー券の座席指定まで行なって購入。当日はスマホの画面を見せるだけで済む。

 チケットレスサービスは最初に予約(列車発車時刻の15分前まで)をして、そのあとに購入(列車発車時刻の5分前まで)をする。スマホだけではなく携帯電話(フィーチャーフォン)でも利用できる。

 購入の流れは、初回のみ「チケットレスサービスに新規登録(クレジットカード登録)」が必要で、その後は「ログインし、列車と座席を指定して予約購入」→「購入完了メール受信」→「リンク先画面を車内検札で見せる」という手順になる。チケットレスサービスへの登録には確認用メールアドレスと、クレジットカード情報が必要になる。

 登録や購入は、京成電鉄の「スカイライナー/成田空港アクセス」ページの「チケット購入のご案内」をたどって「チケットレスサービス」にアクセスして行なう。

チケットレスサービスのページ

・PC版:https://skyliner.ec.keisei.co.jp/pc/
・スマホ版:https://skyliner.ec.keisei.co.jp/sp/

「チケットレスサービス」に登録
京成電鉄の「スカイライナー/成田空港アクセス」ページの「チケット購入のご案内」を表示させると、「チケットレスサービス」へのリンクがある。PCで登録しているが、スマホでも構わない
「PCから」か「スマホから」か選択して、登録を始める
「チケットレス会員登録はこちら」から登録する。スマホ向けページへのリンクもある。このページが利用のログインページにもなる
規約に同意し、メールアドレス、ユーザーIDなど必要情報を記入して仮登録する
仮登録後、メールのリンクを踏んで、そのままうながされるままクレジットカード情報を入力し登録を完了させる

 PCやスマホなど任意の端末で登録とログインができるので、例えば文字入力の多い登録作業はPCで行ない、購入はスマホや携帯電話行なうことも可能だ。また、PCでスカイライナー券を購入後に送られてくるメールをスマホで受信し、それを表示させるという方法もある。インターネット接続さえあれば、どこででも座席指定から決済まで可能だ。

 さらに、予約時にはシートマップから席を選べる。大きな荷物があるなら車両の成田方向にある荷物スペースの近くの席を指定したり、トイレのある5号車の近くを選んだりといった指定ができる。

「チケットレスサービス」でスカイライナー券を購入
登録したIDとパスワードで「チケットレスサービス」のログイン画面からログイン
乗車日や時間帯を入力して検索する
「○」か「△」が表示されていれば、空席があるので購入できる。列車を選択する
人数を入力。「座席表から席を選ぶ」をタップ。「座席表から席を選ばない」を選ぶと席が自動選択される
号車を選んで、リスト画面から座席を選択できる
「WEB購入する(チケットレス)」から購入。クレジットカード情報は登録済みなので、あとは確認画面が表示されるだけ
完了確認メールを受信する。車内で表示させるのはこのメールではないので注意。メールリンクから画面に表示させるページにアクセス
車内で表示させるページが表示される。検札時この画面を車掌に見せる(印刷したものを見せるのは不可)

 チケットレスサービスでの購入を済ませておけば、乗車当日の京成線改札口では、交通系ICカードを乗車券として通るだけでOK。とてもスムーズだ。ライナーカウンターに立ち寄る必要はない。当日慌ただしく窓口に並ばずに済み、ビジネスパーソンの貴重な時間が奪われないのはうれしいシステムだ。

チケットレスサービスの画面は、改札通過時には表示しておく必要はないが、車内では車掌にいつでも見せられるように準備しておこう
京成上野駅のライナーカウンター。チケットレスサービスを使わない場合、ここでチケットを購入する
京成線の改札口は、交通系ICカードをタッチして通過する
今回は普段使っているSuicaを使用した
今回乗車するのは、「スカイライナー5号」。朝の運行間隔は20分程度で頻繁に走っている
乗車する5号の1本前の車両は、偶然にも新型スカイライナー運行開始5周年記念列車だった。山本寛斎氏デザインのマーク
「スカイライナー5号」入線。AE形。とても精悍なフロント
スカイライナーに乗車。京成上野駅からの乗客はそれほど多くなかったが、日暮里駅ではほぼ満席

ビジネス利用でストレスがないスカイライナー車内設備

 スカイライナー車内は、外観と同様の「ウインドブルー」と呼ばれる、ブルーを基調とし、明るく開放感がある。シートピッチも1050mmと十分に余裕があり、足下が窮屈なことはない。座席幅は470mm。もちろん座席指定なので、確実に席が確保されゆったりとくつろいで移動できる。車両内全体で禁煙となっている。

 また、足下にはAC 100Vのコンセントが2口あり、スマホやPCの充電をしながら使用することもできる(2口あるので隣席の乗客と分け合える)。なお、走行中の車内でも有料のWi-Fiサービスの「au Wi-Fi SPOT」と「Wi2 300」が利用できる。頻繁に利用するならあらかじめ契約しておくと、さらに便利になる。これらのサービスは駅構内でも利用できる。

 今回はスーツケースではなかったが、空港移動が主目的の電車なので、座席とは別に広めの荷物置き場が用意されている。ここにはトラブル監視用の監視カメラが装着されていて、万が一の事態に対応する。

 都心を抜けて直線が多くなると、在来線最速の160km/hで突っ走る。40分程度の移動なので、メールチェックやコーヒーなどの飲み物で一息ついているとあっという間。3号車と4号車の間に飲料の自動販売機はあるが、車内販売はない。

 降りる駅は、利用する航空会社により「空港第2ビル」駅(成田第2・第3ターミナル)と「成田空港」駅(成田第1ターミナル)があるので、事前に調べておこう。ピーチの場合、第1ターミナルを利用するので成田空港駅(成田第1ターミナル)になる。ほかの国内LCCであるジェットスター・ジャパン、バニラエア、SpringJapan(春秋航空日本)は、第3ターミナルを利用するので、空港第2ビル駅(成田第2・第3ターミナル)を利用する。

スカイライナー車内。デザインコンセプトは「凛」で、車体デザイン同様、濃いブルーが基調の落ち着いたデザイン
シート間隔は十分に余裕がありくつろげる
足下にはAC 100Vのコンセントが2口用意されている
充電しながらPCやスマホを利用できる。忙しい出張ではありがたい。窓にはロールスクリーンがあり直射日光を遮ることもできる
テーブルのアップ
スーツケース置き場は十分な広さ
スーツケース置き場には監視カメラが設置されていて、トラブルに対応する
しっかりした網棚。小型スーツケースも置ける
3号車と4号車の間には、ちょっとしたくつろげるスペースがある。ただし禁煙
このスペースには飲料の自動販売機がある
改札はICカードでそのまま出るだけ。スマホ画面表示は不要
ターミナル方面へ向かう。以前は実施されていた空港入場時の身分証チェックは2015年3月30日から廃止された

成田空港でのピーチ出発はアクセス良好

 ピーチはLCCだが、LCC用ターミナルとして4月に供用を開始した第3ターミナルではなく、第1ターミナルでのチェックインとなる。スカイライナーの改札出口がある地下1階から1つフロアを上がり、1階の国際線到着/国内線出発ロビーに向かう。ほどなくして、こぢんまりとしたチェックインカウンターが見える。

 スペースは小さいが、ピーチのイメージカラーであるフーシア(ピンク)を目指していけば、すぐに目に飛び込んでくるので分かりやすい。移動が最小限で済む第1ターミナルの国内線出発は、時間に追われるビジネス利用ではありがたい。

 ここの出発案内板(フライトインフォメーション)に搭乗する便が掲示されているか確認。出発時刻の30分前までチェックインが可能で、自動チェックイン機を使って自身でチェックインする。

 カウンター到着時すでに搭乗予定のMM523便のチェックインが開始されていた。予約時のプリントアウトにあるバーコードを端末に読み込ませ、タッチパネル画面の指示に従い手続きを済ませると搭乗券が発券される。今回預け入れ荷物はなかったが、すぐ隣に荷物を預けるカウンターがある。

ピーチは第1ターミナルからの出発。フーシア(ピンク)のカウンターを目指す
自分で端末を操作してチェックイン。30分前までには済ませておく
出発案内板は手動で表示を貼り替えるタイプ。こういったコスト意識がLCCのリーズナブルな価格を支えているのだろう
チェックインを済ませたら、そのまま出発口を目指す
出発ロビーを目指し、手荷物検査などを受けて搭乗する。このあたりの動線の短さも第1ターミナル出発のメリット
ピーチはエアバス A320-200型機を使用。全長は37.6mで180席を備える。2015年9月現在16機体制で運航(福岡空港で撮影、搭乗機とは別の機体)
ピーチ機内。横3席×2のシート配列。イメージカラーが配されていてモダンな印象
足下のスペースはさすがに広くなく、身長176cmの筆者も膝は当たらなかったが、膝部分のポケットに物を入れるのは窮屈な印象

 さて、機内でのお楽しみといえばドリンクや軽食だが、これらはすべて別料金となる。LCCはほぼすべて、このような欲しい人だけ頼むというスタイル。これはこれでアリだ。メニューは豊富で、ボリュームのあるお弁当から、軽食の菓子パンやアイスまでいろいろと取り揃えている。事前にチェックしたい場合、機内食のメニューはピーチのWebサイトで確認できる

 今回注文した「秋のお弁当」は品数が豊富で楽しめる。鰻がまぶされていたのには驚き。「マンゴーチャーハン」は、アジア系ではなく洋風なチャーハンで、注文から暖めに少し時間が要る。このようなホットミールかどうかもメニューに表記されている。カレーパンは甘口で中の具が多め。特製ピーチデニッシュはけっこう大きめサイズなので、小腹を満たすには十分だ。

機内でのお楽しみの軽食や飲み物はすべて別料金だが、いろいろと取り揃えている
「秋のお弁当」。うなぎちらしとよもぎソバ
「マンゴーチャーハン」。洋風なクリームにマンゴーが混ざっている
「焼き肉たむらのお肉が入ったカレーパン」と「特製ピーチデニッシュ」

 2時間弱のフライトで福岡空港第1ターミナルにほぼ定刻となる11時頃に到着。軽食などをとっているとあっという間だ。

 福岡空港は、主要駅の博多駅への距離が近いことでも有名で、地下鉄空港線で2駅という近さだ。電車に乗っている時間は10分以内。12時前には博多駅に到着でき、午後からのミーティングなどに間に合う。なお、繁華街の天神まででも5駅で到着する。

ピーチは福岡空港の第1ターミナルに到着する。手前側スペースは工事中だった
こちらは福岡空港第2ターミナル
福岡空港に到着。第1ターミナル出口から少し歩けば地下鉄に乗れる。福岡空港から博多駅までは地下鉄空港線で2駅で、すぐにビジネスへ行動を移せる

復路はピーチ機内で限定販売の「スカイライナーバリューチケット」を購入

 翌日の帰りのピーチ便は、12時20分発のMM524便。地下鉄でのアクセスも良好なので、前日は夜の街で少しゆっくりと遅くまで楽しんだり、午前中の早めの時間にも仕事をこなすなど、現地滞在時間をうまく活用したい。

 福岡空港でのピーチの出発は国内線第1ターミナルからになる。往路と同様に30分前までにチェックインを済ませる。

帰りも博多駅から福岡空港へ地下鉄空港線で向かう。福岡空港は地下鉄の終点
地下鉄で福岡空港駅を空港方面へ進むと、ターミナルの分岐がある。ピーチは第1ターミナル
福岡空港で第1ターミナル出発ロビーを目指す
ピーチは国内線第1ターミナルから。成田行きの表示もある
福岡空港のピーチチェックインカウンター

 ピーチで成田空港に到着する飛行機の中では、お得なチケットを購入できる。機内販売されている「スカイライナーバリューチケット」を購入すると、通常は乗車券とスカイライナー券の合計で2470円のところ、2200円へと270円割引になるのだ。

 このスカイライナーバリューチケットは、ピーチの成田空港行き全便で発売されているほか、バニラエア、SpringJapan(春秋航空日本)、タイ・エアアジアXといったLCCでも同様に成田空港着便の機内で販売されている。本記事のように東京に戻る人だけなく、地方や海外から東京へ出張もしくは観光に来る人にとってもお得なチケットだ。

 このほかに、ピーチとSpringJapanの成田空港着便の機内では「Keisei Skyliner & Tokyo Subway Ticket」も販売されている。これはスカイライナーの片道または往復の乗車券+スカイライナー券と、東京メトロ9路線、都営地下鉄4路線の合計13路線が1日~3日間乗り放題となる「Tokyo Subway Ticket」を組み合わせたチケット。スカイライナーの片道/往復、地下鉄乗り放題期間1日~3日間の組み合わせで計6種類が販売されている。

 料金は2800~5400円。例えば、スカイライナー片道+地下鉄1日乗り放題では通常3470円のところが2800円で販売され670円お得、スカイライナー往復+地下鉄3日間乗り放題では通常7940円のところが5400円で販売され2540円もお得になる。東京観光はもちろん、ビジネスにおいても集中的に都内の取引先をまわるような出張などに便利だろう。

 ピーチでは2種類のお得なチケットを選んで購入できることになるが、今回は東京へ戻ることが目的の利用だったので、片道のスカイライナーをお得に乗れるスカイライナーバリューチケットを購入した。購入すると「Peach」スタンプの押されたレシートを渡されるので、これを成田空港駅のライナーカウンターでチケットと交換する。乗車する列車と座席はこのカウンターで決めることになるので、機内ではとにかく「スカイライナーバリューチケット」を購入すればよい。機内サービス中ならいつでも購入できるが、これは機内での限定発売なので、忘れないように機内サービスが始まったらCA(客室乗務員)に声をかけて購入しておこう。

 もちろん、往路で使ったチケットレスサービスを利用すればカウンターに寄る必要がなくスマートなのだが、270円お得なのでこのスカイライナーバリューチケットを選ぶことをお勧めしたい。引き替えた切符は、乗車券とスカイライナー券が1枚にまとめられているので、チケットレスサービスと異なり入場にICカードは使わない点に注意しよう。

帰りの機内では、機内サービスが始まったら早めに客室乗務員に声をかけて「スカイライナーバリューチケット」を購入する
各座席に割引チケットの案内パンフレットが置かれている
支払いを済ませると、レシートとパンフレットが渡される
渡されたレシート。パンフレットにはスカイライナー時刻表と都内地下鉄路線図が載っている。地下鉄路線図は本来、本文で触れた「Keisei Skyliner & Tokyo Subway Ticket」のためのもの
レシート裏には、機内で販売されたことを示すスタンプが押されている

 MM524便は14時10分に成田空港に到着。14時58分に成田空港を出るスカイライナー26号に乗れば、京成上野駅には15時43分に到着する。これなら16~17時には都内のオフィスに戻る予定を組める。

 なお、今回使った成田~福岡線は10月24日までのダイヤで、10月25日からは冬スケジュールダイヤに変更される。

10月25日~12月31日の成田~福岡線ダイヤ

MM523便:成田(09時15分)発~福岡(11時30分)着
MM524便:福岡(12時30分)発~成田(14時20分)着
MM525便:成田(13時20分)発~福岡(15時35分)着
MM526便:福岡(16時05分)発~成田(17時55分)着

成田空港駅(成田第1ターミナル)のライナーカウンター周辺。京成線入口の横
ライナーカウンターは角に配され、窓口が多めに作られている
ライナーカウンターで、先ほど機内で購入したレシートを渡し切符に引き替える
引き替えた切符。乗車券とスカイライナー券が1枚にまとめられているため、往路で使ったチケットレスサービスと異なり入場に交通系ICカードは使わない
すぐ横の京成線入口を目指す
スカイライナーのホームは、そのまま真っ直ぐ。派手なゲートがあるので見逃すことはない

 今回、スカイライナーとピーチでの移動を実際に体験してみて、成田空港を使った国内出張も余裕でこなせることがよく分かった。スカイライナーでは、便利なチケットレスサービスや、お得なスカイライナーバリューチケットなど、利便性が高い。

 また、スカイライナー車内ではPC作業もやりやすく、ピーチ機内では気分や食欲に応じて、バリエーション豊富な機内食サービスも楽しめ、充実したビジネス旅ができる。機会があれば、ぜひスカイライナーとLCC、成田空港を使ったコストパフォーマンスの高いビジネス旅を計画してみてほしい。

夕方の16~17時には京成上野駅に到着でき、定時退社時刻前に都内のオフィスに顔を出せる
村上俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、Web媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。

Photo:高橋 学