ボーカリスト琴音の音楽旅

伊香保温泉&渋川シャンソン館 湯けむり露天風呂の旅

 酷暑と言っても過言ではない今年の東京の夏でしたが、8月の終わりには少し涼しくなり秋の気配が漂ってきました。そんな8月の終わりに、群馬県渋川市の日本シャンソン館にてコンサート出演で行ってきました。

 渋川といえば、お隣に有名な伊香保温泉があります。今回は、お昼のコンサートだったので、終演後に伊香保温泉に立ち寄っていこう!と決めていました。

 朝、上野駅から特急草津に乗り約1時間40分。日本シャンソン館は、JR渋川駅から8分程歩いたところにあります。私は今回で3回目の渋川。日本シャンソン館への出演は2回目です。

日本シャンソン館 美しい門構え

 初めて群馬に来た時に、雷がよく落ちると聞いて驚いたものです。私の初めての渋川は、ミュージシャン仲間での練習合宿とライブでした。その時は、駅前の喫茶店ルナでライブをさせていただきました。

 この日本シャンソン館は、シャンソン歌手である芦野宏さんが1995年7月に開館しました。シャンソンとは、フランス語で「歌」という意味。日本においては、フランスの音楽を日本語に訳して歌うことも多いです。

 映画やミュージカルにもなっているフランスの歌手エディット・ピアフは、日本でも大変人気のある歌手です。最近では、美輪明宏さんが紅白歌合戦でエディット・ピアフの「愛の讃歌」をお歌いになったのも記憶に新しいですね。

 日本シャンソン館では、シャンソンに関する資料の展示やフランスに関するイベント、シャンソンコンサートなどが行なわれています。

日本シャンソン館 入り口
チケット売り場

 入り口から、フランスの雰囲気が漂ってきています。そう、もうここは日本じゃない! そんな錯覚に陥ります。素敵な門から、中のお庭の風景が少し見えてワクワクします。

 ひえーーー! 入って早々、素敵すぎる庭園「ル・ジャルダン」に目を奪われます。
四季折々、さまざまな植物が目を楽しませてくれます。私が訪れた時には、蝶々がたくさん舞っていて天国か! と心の中でツッコミを入れてしまいました。

入り口近くの噴水
ミュージアムショップ「ラ・ファミーユ」

 ミュージアムショップ「ラ・ファミーユ」では、シャンソンのCDや、フランス小物、日本シャンソン館オリジナルグッズ、芦野宏氏デザインのグッズなどが販売されています。

 初めて私が日本シャンソン館に来た時には、勉強のためにたくさん先輩方のCDを購入しました。建物外観もとっても素敵で、日本ではなかなか買えないフランスの雑貨など楽しくお買い物できます。

カフェ ロゾー
夫婦けやき
美しいお花

 前回のパリ旅でも書きましたが、パリはカフェだらけ! ここ日本シャンソン館でも、フランス風のカフェで食事やお茶などを楽しめます。

 なかでも、ブレンドハーブティーはシャンソンの曲名が付けられていて、曲を連想しながら飲んでみると美味しさ倍増です。お食事も、カフェとはいえボリュームたっぷり! 食いしん坊な私でも、大満足です。

 夫婦けやきは、カフェの中からも見ることができます。なんと樹齢300年以上! 幹が2つに分かれていることから、夫婦けやきと呼ばれているそうです。夫婦円満、縁結びのご神木だそうで…なにかよいご縁があるといいな、なんてね。

日本シャンソン館 展示室やホールのある建物
1階 展示室
多目的ホール
日本のシャンソン歌手のレコード
階段脇の可愛い壁
2階 展示室 フランス歌手の貴重な衣装

 1階にはさまざまなレコードや楽譜など、貴重な資料が展示されています。ルーブル美術館のピラミッドを再現した自動検索システムで、歌と映像を楽しむ事ができます。

 楽譜は、歌手の命と言っても過言ではないので、偉大な歌手の譜面は本当に貴重です。多目的ホールでは、芦野宏氏がお描きになった絵画が展示してあり、映像が流れていました。温かい歌声と絵画で、本番前の緊張をほぐすことができました。多目的ホール脇の、階段近くの壁の可愛いこと! 建物内部も凝っていて、展示物以外でも楽しめます。

 階段を上がり、2階展示室ではフランスの著名歌手の衣装を間近で見ることができます。ほかにも、アクセサリーや過去の公演のポスターなどシャンソンファン垂涎ものばかりです。日本人歌手の、衣装で年末を騒がせていたあの方のお衣装も展示されています。

2階 シャンソニエのステージ
出演歌手の皆で。真ん中が私

 そして! ちゃんとお仕事もしてきました。2階には古きよきベル・エポックの時代を彷彿とさせるシャンソニエがあり、毎土日祝日にコンサートが行なわれています。
今回は、私がロシアに行くきっかけとなった29歳以下限定の「次世代シャンソン歌手発掘コンテスト」の優秀賞に選ばれた5人でのコンサートでした。このコンテストで、ありがたいことに私は最優秀賞をいただきました!

 素敵なシャンソニエで、同年代の仲よしメンバーで楽しいコンサートになりました。

伊香保温泉エリア 1日フリー乗車券

 仕事を終えたあとには温泉タイム! 一緒に出演した歌手の子と渋川駅まで行き、観光案内所でオススメの日帰り温泉をいくつか教えてもらいました。渋川駅改札を出て左側に観光案内所があるのですが、とても親切で丁寧に教えてくれます。

 この案内所に行かなければ分からなかったお得情報がこれです。関越交通バスの1日乗り放題チケット。

 バスの往復代よりも安い金額で、なおかつ温泉施設の割引や旅館からのプレゼントなども受けられます。日本シャンソン館のカフェでのサービスも入っていますね。このチケットは、バスで移動しようと思っている方は絶対に買った方がお得です。案内所のおじさんありがとう!

 そして、伊香保温泉に到着。

伊香保温泉 石段街と伊香保神社
伊香保神社上の景色

 私たちが選んだ温泉は源泉の露天風呂。名称が「露天風呂」。そのまんまです。日帰り温泉でアメニティなども充実しているという「黄金の湯館」と迷いましたが、今回は大自然の中にある「露天風呂」をセレクト。

 ひぃこら言いながら階段を上がり、神社を越えると青々とした山々が見えてきました。この日は雨が降っていたので、モヤがかかっていたのですがそれも幻想的でよい感じ。なんだかとても高いところまで登った気分になれます。

 いや実際、結構歩きます。登ります。軽い気持ちで「露天風呂」を選びましたが、じんわり汗をかいてきました。地図を見ながら歩くも、本当に道が合っているのか不安になっていたところ……。

露天風呂への看板
河鹿橋

 やはり、我々のように不安になる人がいるのか看板を発見。ちゃんと道は合っていたようです。どんどん山道になっていくのですが、この辺りになってくると少しお店なども見えてきます。

 赤い美しい橋は河鹿橋。秋の紅葉の季節には、橋の夜間ライトアップもあるようです。飲泉所の登場で、念願の「露天風呂」が近づいてきたと実感。

伊香保温泉 飲泉所
露天風呂入り口

 こちらの「露天風呂」でも、バスの1日フリー乗車券の割引が使えます。洗い場はありませんが、バスタオルの販売、鍵付きのロッカー、トイレありです。泉質は黄金色の硫酸塩泉。ぬるめと熱めの、2つの浴槽があります。

 アラサー女子2人、熱く語ること、あっという間に2時間経過。ぬるめのお湯にふやけるほど浸かり、お風呂脇にある飲泉用水道から水分補給。飲食物の持ち込みは禁止されてますが、お風呂内でものぼせないで温泉を楽しめます。

 露天風呂は山の中にあるので、コンビニなどのお店はありませんが入り口に自動販売機はたくさんあります。

露天風呂と私

 入った時には明るかった空も、お風呂を上がった時には真っ暗になっていました。19時前くらいだったでしょうか。帰りの山道は、かなり暗いので迷いそうになりながらも神社を通ってバス停を目指します。

 温泉まんじゅうなどを売っていた石段街も、この時間には店じまいをして歩いている人も少なかったです。行きは上りで汗をかきますが、帰りは下りなので楽々歩いて行けました。

 私たちがバス停に着くとちょうどバスが来ました! 渋川駅に向かい、電車に乗り東京まで帰りました。

 心残りは、伊香保温泉近くで日本三大うどんの水沢うどんと舞茸の天ぷらが食べられなかったこと。しかし、ここはさすが温泉地。水沢うどんのお土産がしっかり売っていました。後日、自宅で家族と美味しく水沢うどんをいただきました。

 温泉大好きなので、お仕事ではありましたがとても癒されました。意外にも軽いトレッキングをし、山の中の景色もとてもよかったです。

 都心からもそう遠くない渋川・伊香保は、シャンソン音楽や文化、温泉、自然と日帰りでも楽しめるくらいよいところでした。帰りの電車の中で、女子(中身はおじさん?)2人、チューハイを飲み、帰り道もとても楽しい旅になりました。

琴音

シャンソン、JAZZなどをメインに歌うボーカリスト。28歳。たまにアルトサックスも吹きます。趣味・特技は、ライブなどで訪れた日本各地の美味しい食べ物を探すこと。思い立ってふらっと一人旅をすることもしばしば。ブログはhttp://ameblo.jp/singersax-kotone/