ボーカリスト琴音の音楽旅

激辛激痛!? でも美味しい! 東京・大久保で韓国にプチトリップ♪

激辛グルメ祭り

 眠れない夜。スマホを片手にネットサーフィンをしていると、あるイベントを見つけました。その名も「激辛グルメ祭り」。自他ともに認める激辛好きの私。ライブ前に、ドネルケバブにデスソース大盛りで食べてしまうくらい。自宅冷凍庫には青唐辛子が常備され、そうめんや炒め物など日常的に激辛を摂取しているほどです。

 カレーも麻婆豆腐も、エスニック系も辛いものはなんでも大好き! この激辛グルメ祭りはラーメンから韓国料理、タイ料理、カレーまでさまざまな国の料理を同時に味わえるようです。しかも、激辛好きなら1度は食べたい有名店が名を連ねています。これは行かねば! と会場である大久保行きを決意。韓国アイドル好きの妹がよく通っていたので、韓国街としての大久保もじっくり行ってみることにしました。

 本場韓国にも2回ほど行きましたが、韓国コスメはデザインもかわいく優秀。そして、エステやマッサージ、ご飯やスイーツもすんごく美味しい。特に私は韓国スイーツの「ホットク」はお菓子のなかで一番かもしれないぐらい好きなのです。そして、韓国街として有名な大久保は、実は楽器屋さんの街としての面もあります。私はたまに、自分のステージでアルトサックスを吹いたりするのですが、ちょうどサックスの部品で買いたいものもあり、激辛グルメ祭りでランチをして楽器屋さんに行く、大久保ツアーを決行したのでした。

ホルモン焼き 幸永の「ホルモンMix 辛さMAX」

 まだ残暑厳しい9月某日、開場前に大久保公園に到着。JR新大久保駅からもJR新宿駅からも歩いて行けます。どちらからも約8分ほどでしょうか。1番近いのは西武新宿駅で徒歩1分ほど。思った以上にきれいで新しい公園。土曜日だったのもあり、開場前でも行列が。今回は1人で行ったのですが、激辛好きの我が同志たちよ、よくぞ集まった、と謎の同胞感を感じながら開場。

 食券、もしくは各種電子マネーが使えるとのことでしたが、今回は食券を購入。1人なので食べられる量に限りがあると思い、ご飯物は麻婆豆腐狙い、ほかはホルモンと餃子をチョイス。餃子は、宇都宮からの出店ということでレア度が高い。ちなみに、ここからの辛さの表現はあくまで辛さに強い私の主観ですので、読者の皆さまは、それを心に留めて読み進めてください。

 まずはホルモン焼き 幸永の「ホルモンMix」から。さまざまな部位がミックスされたホルモン。普通の部分はそんなに辛くなく、甘辛く美味しい味付け。でも、お皿のすみに真っ赤な液体が。そう、これがMAXの辛さのソースなのです。これを付けるとめちゃくちゃ辛い。ビリビリくる辛さですが、味が美味しくてあっという間に完食してしまいました。このときには、まだ私の顔には笑顔が残っていました。

 続いて宇都宮餃子館の「激辛餃子」。手羽餃子は実は初めて食べる私。パリパリの皮とジューシーなお肉に挟まれた激辛餡。辛いけど美味しい! 激辛餃子も、「超辛餃子」も辛いけど秒殺で完食。焼きたて熱々でぺろっと食べてしまいました。このあたりで、自動販売機で辛さを緩和するための「いちごミルク」を購入。飲食物の持ち込みは禁止されていますが、中にたくさんの自販機もあり、売店ではお酒も売られています。辛さに耐えられなくなって、水分がほしくなっても安心です。

 そして、陳家私菜の「よだれ鶏」と「麻婆豆腐」。麻婆豆腐は大好きでよく食べ歩く私ですが、こちらは初めて。よだれ鶏はピーナッツが散らしてあり、柔らかい鶏の食感とカリッとしたコントラストがたまりません! 麻婆豆腐はあえての一番辛い“地獄辛”。ご飯か刀削麺か選べるところはご飯にしました。麻婆豆腐自体とっても美味しい! 山椒が効き、唐辛子とダブルパンチ! 美味しい、美味しいと最初は辛くてもイケると思いきや……1/3ほど食べたところで「辛い」から「痛い」に。

あっという間にホルモンMix完食
宇都宮餃子館の「激辛餃子」「超辛餃子」「激辛手羽餃子」
陳家私菜の「元祖頂点麻婆豆腐 地獄辛」

 いちごミルクで小休憩。この間も食道が熱い、胃が熱い。口の中は「痛い」の一言。尋常じゃない汗も吹き出してきましたが、暑さの汗なのか、冷や汗なのか分かりません。放心してしまい、まるで精神と時の部屋にいるような状態。しかし、ここまで辛いお店はなかなかないので、激辛好きとしてはうれしい。手加減なしで勝負してくれている感じで、激辛戦士としては光栄です。

 痛いながらも、味が美味しくて痛みを忘れてスプーンが進んでしまいます。大汗をかきながら、痛い、暑い、内臓が熱い、そして完食! ただの辛いだけでは完食できません。狂気じみた辛さでしたが、味が本当に美味しいのです。これだけのお店を一気に食べられる激辛グルメ祭りは本当にすごい。テーブルや椅子もたくさんあり、ちゃんと座ってゆっくり食事できます。

辛さを緩和してくれるいちごミルク
陳家私菜「やみつきよだれ鶏 中辛」
激辛グルメ祭り 料理の販売風景
テントとたくさんの椅子とテーブル。ゆっくり食事できました

 余談ですが、後日友人を誘い2回行ってしまったほど。味も美味しく、辛さも常識外の辛さ。もちろん、辛くないメニューもあるのでグループに辛いものが苦手な人がいても大丈夫。事前にヨーグルトなどで胃粘膜を保護して、胃薬を持参すれば翌日のダメージも軽減できるでしょう。グループでも、激辛を愛するお一人さまのどちらも楽しめると思います。というか、書いていて、改めてこの量を1人で食べた自分の大食いっぷりにも驚くぐらい、改めて本当に美味しかったです。今年で4回目とのことで、来年の開催にも期待です。

大久保のドン・キホーテ
ライブハウスSHOW BOX

 大久保公園から、大久保通り方面へ。ドン・キホーテにも韓国のお菓子などが。トイレがたくさんあるので、用を足したくなった時にも便利。隣には、韓国系アーティストの多く出演するライブハウス。やはり、韓国アーティストの人気はすごいですね。妹たちが韓国アイドルにハマっていたときは、我が家のテレビから四六時中、韓国アイドルのライブが流れていました。

 私も、そのおかげ(?)である程度の知識はあるので、大久保のアイドル系ショップで見たことのあるグループの名前をいくつも見かけました。細い路地に入ると韓国コスメショップ、スマホケース屋さん、アイドルグッズ屋さんなどが立ち並んでいて、一瞬ここはソウル? 明洞(韓国の原宿のようなところ)? という錯覚に襲われます。

大久保の細い路地
新大久保駅前の喫茶店シュベール
アイスココア
大久保の管楽器店ダク

 そして、ここで韓国コスメを爆買い。韓国コスメはパッケージがかわいい物が多く、しかも安い。韓国に行ったときもたくさん買い物したけど、まさに気分は海外旅行。韓国に行く旅費より安いでしょ、と買いまくり。買い物を楽しんで、ここから管楽器店を目指し新大久保駅方面へ。

 この日はかなり暑かったので、楽器屋さんへ行く前に新大久保駅前の喫茶店、シュベールで休憩。韓国街の喧噪から、少し落ち着いた雰囲気に癒されます。ここでは胃に優しそうなアイスココアを注文。この生クリームが喫茶店らしくて、テンションが上がります。気付いたら1時間くらい休憩してしまうくらい気持ちのよい居心地でした。ここから管楽器店のダクへ。私がアルトサックスを購入したお店なのです。

 ここでマウスピースにかぶせるキャップを購入。小さい物なので、たまに失くしてしまうのです。こちらでは、こうした小物から、もちろん楽器本体も購入できて、レッスンも行なっています。初心者の方や、楽器をやりたいけどどうしたらいいの? と思っている人も、店員さんが優しく案内してくれます。ダク以外にも、大久保には管楽器専門店がいくつもあり、管楽器をやっている人からすると、韓国街というより楽器街として認識している人も多いと思います。

 私も高校生の頃から大久保に通っていますが、当時は韓国ブームではなかったので少し雰囲気が違っていました。新大久保駅前は、すっかり韓流ブームに乗っかり、明洞のような賑やかさです。

 最後に、この日はたくさん汗をかいたので女性専用サウナ「ルビーパレス」へ。大久保には韓国さながら、よもぎ蒸しのお店や小顔矯正など、さまざまな美容サロンがあります。ルビーパレスはサウナもありながら、マッサージやアカスリもあり、お休みできるコーナーもあります。今回はあまりやったことがなかったアカスリをしに、「ルビーパレス」に。

 私は入館3時間+アカスリ20分+オイルマッサージ30分のミニフルコース(7050円)に、麦飯石サウナという岩盤浴のようなサウナを200円で追加。ドライサウナ、遠赤サウナ、よもぎスチームサウナ、大浴場、水風呂と種類がたくさん。サウナでは、水風呂とセットで温冷浴を3セットするのが私の定番。湯船でしっかり温まってから、アカスリに。いかにも韓国のおばちゃんがゴシゴシと力強く、だけど「痛クナイデスカ?」と優しく確認しながら垢を落としてくれます。顔のパックと全身のマッサージもしてもらい気分爽快。

 麦飯石サウナは、違う階のレストランの隣にありサウナ着を着て移動します。低温でじんわり汗をかき、ゆっくりストレッチ。テレビもあり、いつまでも入っていられそうです。サウナとマッサージ、ストレッチでバッチリ体をほぐすことができました。この時点で20時をまわっていましたが、まだお腹は満腹状態。でも、大好物の韓国のり巻きとホットクをまだ食べていない……。ということで、この2つは持ち帰りにすることに。テイクアウトできるお店が多いのも、大久保のうれしいところです。

新大久保駅前の景色
大久保の女性専用サウナ「ルビーパレス」

 小学生の時に初めて、韓国のり巻きを食べた時の衝撃はいまだに忘れられません。こんな美味しい物がこの世にあるなんてーーーー!! 今でこそ日本ののり巻きも大好きですが、子供の頃はあまり好きじゃなかったのり巻き。そんな私の、のり巻き感を思い切り覆してくれたのが韓国のり巻きなのです。

 明洞のり巻きは、店内で着席して食べるお店ですが、持ち帰りもできます。家族の分と2本注文。そして、一番好きなお菓子といっても過言ではないホットク!! 韓国でも、こんな感じで屋台で売ってて食べ歩きできるようになっています。店内でも食べられるのですが、個人的には片手で食べれるし、食べ歩きがオススメ。

 定番のハチミツ、ハチミツチーズ、あんこ、サツマイモと……買い過ぎ? でも本当に好きなの!! モチモチの生地に、中身が美味しすぎる。家族の分……と思いつつ翌日大半を自分で食べてしまいました。

明洞のり巻き
ジョンのホットク
このように焼かれている
韓国のり巻きとホットク

 帰ってからは、買った物を並べてみました。韓国コスメは本当にパッケージが可愛い。アイスクリームの形のものは、なんとクレンジング。猫パッケージはフェイスパウダー、韓国コスメの定番シートマスクも外せません。食品は韓国のお菓子とチヂミの粉。チヂミとは韓国風のお好み焼き。自宅でもチヂミを焼きますが、この粉にはタピオカ粉が入っていてモチモチに仕上がります。普段は小麦粉のみなので、韓国食材を扱う店では必ず買ってしまうのです。

パッケージがかわいすぎる韓国コスメたち
韓国のお菓子

 高校時代には、楽器屋さんに行くという目的しかなかった大久保。いまや韓国食品、コスメ、エンタテイメントの街になっています。激辛グルメ祭りも、リピートしてしまうくらい辛く、痛いけど美味しく楽しいイベントでした。次に大久保公園で行なわれるガーリックパラダイスも気になっています。

 激辛、買い物、サウナと東京にいながら思いっきり韓国を満喫。東京のリトル韓国、まだ体験していない方はぜひ1度訪ねてみてください。韓国好きなら、思っている以上に楽しめるはずです。

琴音

シャンソン、JAZZなどをメインに歌うボーカリスト。28歳。たまにアルトサックスも吹きます。趣味・特技は、ライブなどで訪れた日本各地の美味しい食べ物を探すこと。思い立ってふらっと一人旅をすることもしばしば。ブログはhttp://ameblo.jp/singersax-kotone/