荒木麻美のパリ生活

パリ郊外へ行こう! ~フォンテーヌブロー~

広大な森に囲まれた、城を中心とする静かで落ち着いた街を散策

 1月のある日、自然療法学校の元クラスメイトであるクリステルに会うため、彼女の住むフォンテーヌブローに行ってきました。

 フォンテーヌブローにはパリのリヨン駅からフランス国鉄SNCFのTERというローカル列車に乗ります。乗車時間は40分ほどです。

 下車駅はフォンテーヌブロー・アヴォン駅となり、街の中心部に出るにはさらにバスに乗って15分ほどなのですが、行きはクリステルが駅まで迎えに来てくれ、のんびりと歩いて行きました。

TERの車内はこんな感じ
フォンテーヌブロー・アヴォン駅

 フォンテーヌブローは広大な森に囲まれているのですが、せっかくなので森の端っこを通って街の中心部に向かいます。平日なのでほとんど誰もおらず、気温は低いのですが太陽があったので、気持ちのよい散歩となりました。

 森を抜けると住宅街なのですが、フォンテーヌブローというと富裕層が住む街というイメージのとおり、お屋敷と言ってよい邸宅もちらほらと。

 クリステルいわく、昔からいるブルジョア層のほか、INSEAD(インシアード)という難関MBAがあり、ここの教授や学生たちが多いのも住宅物件が高い理由なんだとか。

 さて、街の中心に入ってまず向かったのは、「フレデリック・カッセル」というショコラティエ。ブティックは日本にも進出していますが、パリにはブティックがないのです。

 店内にはチョコレートはもちろん、お惣菜やパン、ケーキなども揃っていてどれも美味しそうなのですが、クリステルいわく「チョコレート以外は『普通』」だそう。私はもともとチョコレートがほしかったので、詰め合わせを買って大満足。

Fréderic Cassel

所在地:71-73, rue Grande, 77300 Fontainebleau(※)
TEL:+33(0)1 64 22 29 59
Webサイト:Fréderic Cassel(仏語)Fréderic Cassel(日本語)

※近くにサロン・ド・テもあり。
所在地:21, rue des Sablons 77300 Fontainebleau
TEL:+33(0)1 60 71 00 64

 ショコラティエを出ると、フォンテーヌブロー宮殿を目指して散歩続行です。

 どの街にも大抵ある教会やメリーゴーラウンドを横目に眺めつつ、「Aigle Noir(黒鷲)」という名前のホテルの前に到着。

 この4つ星高級ホテルの門の横には、シャンソン「枯葉」の詞や、映画「天井桟敷の人々」のシナリオなどを書いたフランスの超有名な詩人ジャック・プレヴェールが「Presque(ほとんど)」という詩を書いたというプレートが貼ってありました。

 ジャック・プレヴェールというと、私がパリに着いてすぐに入った語学学校で詩をよく読まされたことを思い出します。詩にはまったく興味のない私ですが、分かりやすいながらイメージが映像としてぱっと頭の中に浮かぶような詩が多かったので、久々に読んでみたいなぁと懐かしい気持ちになりました。

 ホテルの前を過ぎてマルシェへ到着。このマルシェは火・金・日曜日に開催されるそう。食料品のほか、衣類や日用雑貨なども扱っている大きなマルシェなので、曜日が合えば、のぞいてみると楽しいと思います。

お昼を少し過ぎていたので、店じまいをしているところが多々あり。行くなら午前中がよいと思います。現在の場所はフォンテーヌブロー宮殿正面ですが、以前マルシェのあった広場の工事が終わり次第そちらに戻るそうです。詳しくはフォンテーヌブロー市のWebサイトで確認してください

 マルシェをざっと見てからフォンテーヌブロー宮殿へ。私たちはお城の中には入りませんでしたが、フォンテーヌブロー観光へ来る人のほとんどは、この宮殿が目当てでしょう。

 フランス屈指の広さと美しさを誇り、歴代の王に愛されたという宮殿。正門から外観を眺めるだけでもその美しさを想像できます。お城の裏側には広大でよく手入れのされた公園も。

 皇帝ナポレオンが流刑のためにエルバ島へ渡ったのもこの宮殿からでした。宮殿内にはナポレオン博物館もあるそうなので、次回は時間を作ってじっくり見たいと思いました。

フォンテーヌブロー宮殿(Château de Fontainebleau)

TEL:+33(0)1 60 71 50 70
Webサイト:フォンテーヌブロー宮殿(仏語)

 お城を見たところで、クリステルが予約をしておいてくれたレストラン「La Petite Ardoise」へ。平日ながら店内はほぼ満員でした。

 私はホタテをソテーして、柑橘類のソースをかけたものをいただきました。ご飯が付いていたので「あとはお醤油があれば!」という感じでしたが、ホタテは肉厚でジューシー、さっぱりとしたソースが合って、とても美味しかったです。クリステルは白身魚の春巻きの皮包みを。デザートは二人ともムースショコラにキャラメルアイスが乗ったものをいただきました。

 最後にコーヒーか紅茶が付いた平日のランチメニューは18ユーロ(約2250円、1ユーロ=約125円換算)でお手頃。

La Petite Ardoise

所在地:16 rue Montebello, 77300 Fontainebleau
TEL:+33(0)1 64 24 08 66
Webサイト:La Petite Ardoise(仏語)

 ランチ後、そろそろパリに戻る時間ということで、クリステルが自然療法のカウンセリングをしているカウンセリングルームのある場所を通りました。カウンセリングルームのすぐそばには日仏カップルが経営するミシュラン一つ星のフレンチレストラン「Axel」、そして同じ経営者による鉄板焼きレストラン「風味」が並んでいたのですが、どちらも評判のよい、お勧めのレストランだということでした。

Axel

所在地:43 rue de France, 77300 Fontainebleau
TEL:+33(0)1 64 22 01 57
Webサイト:Axel

風味

所在地:39 rue de France, 77300 Fontainebleau
TEL:+33(0)1 60 72 10 32
Webサイト:n

 あっという間の半日フォンテーヌブロー観光でしたが、この日の前後数日、パリ市内は大気汚染がひどかったので、緑の多いフォンテーヌブロー散策は、とてもよい気分転換になりました。

荒木麻美

東京での出版社勤務などを経て、2003年よりパリ在住。フランス人の夫と黒猫と暮らしています。2011年にNaturopathie(自然療法)の専門学校に入学、2015年に卒業。パリでNaturopathe(自然療法士)として働いています。