荒木麻美のパリ生活
パリで手作りコスメ！
ブティックの裏にはパリで一番怖いお店が……
2017年3月18日 00:00
日本ではずいぶん前からコスメを手作りしている方がいらっしゃいますよね。パリでも手作りコスメの材料がほぼなんでも揃う、大人気のお店があります。
場所はパリ6区のオデオン駅を降りるとすぐ。「AROMA ZONE（アロマ・ゾーン）」というお店です。日本のメディアでもちょこちょこ取り上げられているので、知っている人も多いのではないでしょうか？
私は自分でコスメを作りませんが、このお店でよく買うのは精油。自然療法士仲間の間では、AROMA ZONEの精油は実はそれほど評価が高くありません。でも精油の種類が豊富ですし、BIOの商品も多く、そのわりには価格がお手頃なので、私はお掃除用など、惜しげなく使う用としています。
店内の各所に店員さんがいるのですが、どの人も大抵質問攻めにあっています。手作りコスメの作り方や精油の本を片手に悩んでいる人もいて、皆さんとても熱心な印象です。
店内には個人客のほか、マッサージなどに使うのでしょうか？ 買い物かごいっぱいに商品を入れている、プロらしき人もよく見かけます。
AROMA ZONEではできたコスメを入れる容器も充実しており、私は旅行時のコスメ容器などとして重宝しています。
主に髪を染めるために使うヘナもいろいろな色が揃っていますし、パックなどに使えるクレイ（粘土）も用途別に数種類あります。
このほかクリームやリップなど、すでにできている商品も少しあるので、まずはこれでAROMA ZONEの商品を試してみるのもいいかもしれません。
なお、私は行ったことがないのですが、2階ではスパのトリートメントや精油のアトリエ、コスメの作り方講座なども行なわれています。
AROMA ZONE
所在地：25 Rue de l'École de Médecine, 75006 Paris
TEL：+33（0） 4 13 35 50 00
Webサイト：AROMA ZONE（仏語のみ）
さて、実はここからが本題。私がAROMA ZONEに行くのは、実はそのすぐ近くにある「PHU-XUAN（フー・スアン）」というお店に行くついでです。
PHU-XUANでは主に中医学関連の商品を扱っています。パリではここでしか買えない商品が多くあるのですが、自然療法の学生時代、授業で必要な物が出てくると、クラスメイトたちの間で「で、誰が代表で買いに行く？」ということになっていました。
というのもここの店主（ベトナム系らしいです）の老婆がそれはもう、ものすっっっごく怖いのです！ 笑っているのを見たことは一度としてなく、店内の商品を触ろうものなら、ものすごい勢いで怒られます。
ですから私たちは恐る恐る「〇〇を買いたいのですけど……」と言って、出してくれた商品を大人しく黙って買うというパターンでした。私の知る限り、パリで愛想のわるいお店として、ダントツぶっちぎりのナンバーワンです。
購入後に一度だけ「ありがとう」と言われたことがあるのですが、あまりにビックリして、翌日学校でクラスメイトたちに報告したら全員驚愕していたくらいです。
今ではPHU-XUANに行かなくても済むように、なるべくインターネットや日本で買って持って帰ってくるようにしていますが、在庫がなくなったとき、そこでしか売っていない本があるときなどは「仕方ない、PHU-XUANに行くか……」という感じで重い腰を上げて行っています。
ただ、パリではここでしか売っていない商品がたくさんあるので、自分でもわがままだとは思いますが、いざというときのためにはこれからも営業を続けてほしいと思っています。おばあちゃん、いつまでもお元気で！
PHU-XUAN
所在地：8 Rue Monsieur le Prince, 75006 Paris
TEL：+33（0）1 43 25 08 27
Webサイト：PHU-XUAN（仏語、英語）
荒木麻美
東京での出版社勤務などを経て、2003年よりパリ在住。フランス人の夫と黒猫と暮らしています。2011年にNaturopathie（自然療法）の専門学校に入学、2015年に卒業。パリでNaturopathe（自然療法士）として働いています。