旅レポ

アクティブすぎるハワイツアーに参加してみた(その3)

ワイメア渓谷の雄大さと、カウアイ・コーヒーの美味しさに感動

雄大なワイメア渓谷

 ハワイ カウアイ島の2日目は、午前中にゾディアックと呼ばれるボートでカウアイ島の絶景海岸ナパリ・コーストを訪ね、午後はそのナパリ・コーストを山の上から見てみるというものだった。

 ボートで訪ねる模様は、その2としてお届けしたとおり。午前中は天気もよく、ナパリ・コーストの素晴らしさを十分満喫できた。

 ナパリ・コーストを山側から見るポイントは、ワイメア渓谷州立公園を貫く550B号道路(コケエ・ロード)を北上したカララウ展望台になる。現地ガイドであるボビーさんの運転でカララウ展望台へ向かったが、山の天気は変わりやすいのか途中から霧が出始め、カララウ展望台の直下は真っ白。残念ながらナパリ・コーストを山側から見ることはできなかった。

カララウ展望台
ナパリ・コースト方面を見ても真っ白

 そこでボビーさんは「だめね、また明日ね」といい、見学ポイントを変更。カララウ展望台より南側にあり、標高も低いプウ・ヒナヒナ展望台へ移動した。カララウ展望台がカウアイ島の西側を望むのに対し、プウ・ヒナヒナ展望台は東側の展望が広がる。西側は雲が数多く対流していたが、その雲がコケエ・ロードを越えられないためか、東側は青空が広がっていた。

コケエ・ロード
プウ・ヒナヒナ展望台
プウ・ヒナヒナ展望台ではニイハウビューとキャニオンビューがあるが、晴れていたのはキャニオンビュー
プウ・ヒナヒナ展望台から眺めたワイメア渓谷

 プウ・ヒナヒナ展望台から見える景色は、ワイメア川沿いに広がるワイメア渓谷で、“太平洋のグランドキャニオン”と呼ばれるほどの景色。数百万年という時間によって刻まれた渓谷が圧倒的なスケールで広がる。

 プウ・ヒナヒナ展望台でワイメア渓谷を堪能したら、さらに南に位置するプウ・カ・ペレあたりにある展望ポイントへ。ここには明確な駐車場はないので、ボビーさんの見事な運転で道路脇に停車。ここからはワイメア渓谷にある滝が見えるのだという。カウアイ島ではヘリコプター遊覧が盛んなせいか多数のヘリコプターを滝とともに見かけ、前日乗ったヘリコプターからの雄大な景色を思い出す。そして、あのときに見えた山の中の1本道がコケエ・ロードだったことに今さらながら思い至った。

プウ・カ・ペレあたりにある展望ポイントから見たワイメア渓谷。左に滝が見える
滝の近くを飛ぶヘリコプター

 プウ・カ・ペレあたりにある展望ポイントで滝の写真などを撮ったら、駐車場とともにトイレなどの設備のあるワイメア渓谷展望台へ。プウ・ヒナヒナ展望台、プウ・カ・ペレあたりにある展望ポイントとも異なり、カウアイ島の南へ広がるカウアイ渓谷を見ることができた。

 一般的に有名な展望台は、プウ・ヒナヒナ展望台とワイメア渓谷展望台。ところがボビーさんの案内のおかげで滝を見ることのできるプウ・カ・ペレあたりにある展望ポイントに行くこともできた。2日目の後半、午後過ぎからボビーさんというガイドの凄さが徐々に分かってきた次第だ。

ワイメア渓谷展望台
鶏をよく見かけた
展望台だけあって、展望ポイントが整備されている
ワイメア渓谷の先には海が広がる

素朴な味わいの「カウアイ・クッキー」、すっきりかつ濃厚な「カウアイ・コーヒー」

 ワイメア渓谷展望台で存分に青空の下の渓谷を眺めたら、ボビーさんの運転するクルマでワイメアの町へ。ワイメアの町をリフエ空港方面に戻るとハナペペの町が見えてくる。そこでボビーさんが立ち寄ったのが「カウアイ・クッキー」。ハワイのお土産として「ホノルル・クッキー・カンパニー」のクッキーは定番となっているが、あちらはオアフ島の会社。カウアイ・クッキーはカウアイ島のクッキー会社で、ショップにクッキー工場が併設されていた。

 クッキーをいくつか試食することができたが、カウアイ・クッキーは素朴な味のする商品。アーモンド、チョコレート、ココナツなど様々な種類も用意されているが、さくさくっとした食感と、シンプルな味わいは共通していた。

カウアイ・クッキー

名称:Kauai Kookie
URL:http://www.kauaikookie.com/
住所:1-3529 Kaumualii Hwy (Hwy 50) Hanapepe, Kauai Hawaii, 96716

コケエ・ロードを下り、ワイメアの町へ。そしてハナペペのカウアイ・クッキーへ
倉庫かと思うようなカウアイ・クッキーの店舗
店内は所狭しとカウアイ・クッキーの商品が並ぶ
カウアイ・クッキーのキャラクターなのだろうか?

 クッキーを試食し、いくつかお土産を買ったら次のポイントへ。閉店直前に駆け込んだのが「カウアイ・コーヒー」。カウアイ・コーヒーのまわりにはコーヒーの木が多数並ぶコーヒー農園になっており、自家製のコーヒーを栽培し、焙煎まで一貫してやっているようだ(日本でWebサイトをチェックしたら、カウアイ・コーヒーのコロア農園はアメリカ最大のコーヒー農園とのこと。どうりで大きかったわけだ)。

 店内の特色は、とにかく様々な種類が試飲できること。ライトなコーヒーから、濃厚なファットなものまで試飲し放題。コーヒー豆の種類や焙煎方法にこだわるコーヒー好きなら天国みたいな試飲スペースとなっていた。

 いくつか試飲をしてみてが、とくに気に入ったのが「100% Kauai Coffee Kauai Blue Mountain Estate Roasted」。すっきりした飲み味でありながら、コーヒーらしい重さもあり、それでいて焙煎だけの濃さではない味わいがある。ラベルには「Peaberry(ピーベリー)」と書いてあり、ピーベリーが多く含まれているのかもしれない。となりのボトルには「Typica Peaberry(ティピカ ピーベリー)」と書いてあったので、カウアイ・コーヒーの農園はよほど様々な品種を栽培しているのだろう。試飲コーナーの横にはショップも併設されているので、気に入ったコーヒーをすぐに買うことができる。クッキーにしろ、コーヒーにしろ、産地直売は旅の醍醐味の1つだ。

カウアイ・コーヒー

名称:Kauai Coffee
URL:http://japanese.kauaicoffee.com/
住所:870 Halewili Road Kalaheo, HI 96741

カウアイ・コーヒー
試飲コーナーのポット
手前のポットが抜群に美味しかった「100% Kauai Coffee Kauai Blue Mountain Estate Roasted」
広々とした試飲スペース
ミュージアムも併設。かつての焙煎機器が展示されていた
先ほど試飲したコーヒーをすぐに買うことができる
グッズなども売っている
店の外にはコーヒーの木が。さらにその外には広大なコーヒー農園が広がっていた

 カウアイ・コーヒーで試飲やお買い物を終え、閉店まで粘った後、最後に向かったのは潮吹き穴を見られるスポウティング・ホーン・パーク。海岸に打ち寄せる波が岩壁の穴から吹き出し、ちょうどクジラの潮吹きのような光景が広がる。ハワイ州のガイドブックによると、冬シーズンはこのスポウティング・ホーン・パークからクジラを見ることができるそうだ。

 ボビーさんがこの公園に連れてきてくれたのは日が沈みゆく時間帯。なぜ明るい昼まではなく、暗くなりつつある時間帯を選んだのだろうと思っていたら、「この時間じゃないと見られないものがある。見つけられるかな?」とのこと。しばらくすると、同行した人から「あ、あれ~」などの歓声が上がる。

 スポウティング・ホーン・パークは南側に面しており、潮吹き穴はパークから見て左側、つまり東側にある。東側で噴水のように海水が吹き上がり、西側には沈みゆく太陽がある状態。その結果、潮を吹く度にハワイのイメージともなっている虹を見ることができるわけだ。

スポウティング・ホーン・パーク

名称:Spouting Horn Park
URL:http://www.gohawaii.com/jp/kauai/regions-neighborhoods/south-shore/spouting-horn/
住所:96756 Hawaii Spouting Horn

潮吹き穴のある公園
ボビーさんが夕刻に訪れたのは、この虹を見せるため。波が打ち寄せる度に虹が見え、場所によってはダブルレインボーが見られるという
スポウティング・ホーン・パークを立ち去る前にボビーさんが木の実を見つける。すかさずナイフを取り出し、皮をむき始めた
名前忘れました。味はライチみたいで、さわやか&ジューシー

 プウ・カ・ペレあたりにある展望ポイントは、場所を理解すれば案内できるが、潮吹き穴+虹は、場所と時間を把握していないと案内はできない。記者自身はこれまで個人旅行が多く、現地ガイドの人にとくにサポートしてもらうことなく旅行してきた。しかしながら、この虹を見た瞬間、ボビーさんの現地ガイド力の凄さを改めて感じるとともに、これまで「ガイドを頼まずに失った風景はいくつかあったのだろうな」と思った。

 カウアイ島の2日目は、午前中がゾディアックボートによるアクティビティ、午後がミニ散歩とワイメア渓谷観光、そしてカウアイ・クッキーで試食してカウアイ・コーヒーで試飲。虹を見られる時刻に潮吹き穴と、ボビーさんの完璧なスケジューリングに感動して終わったのであった。

編集部:谷川 潔