旅レポ

ハワイアン航空のコナ直行便でハワイ島を満喫(その5)

ハワイ島至福の巨大リゾート「ヒルトン・ワイコロア・ビレッジ」を体験

壮大なスケールを誇るリゾートホテル「ヒルトン・ワイコロア・ビレッジ」

 ハワイ州を構成する島のなかで最も大きく「ビッグ・アイランド」と呼ばれるハワイ島。数ある観光ポイントやアクティビティのなかから好きなものをピックアップして過ごしてもよし、リゾートとして海や景色などを眺めながらゆったり過ごすのもよし、と多彩な楽しみ方ができる場所だ。

 もしハワイ島を楽しみたいなら、コナ空港からクルマで北へ20分ほど行ったところにある街・ワイコロアのリゾートホテルは宿泊先の候補として外せないだろう。ここにはさまざまなホテルが立ち並ぶが、今回宿泊したのが1243室とワイコロア最大級の規模を誇る「ヒルトン・ワイコロア・ビレッジ」だ。

 このホテルはワイウルア湾に面し、「ラグーン・タワー」「パレス・タワー」「オーシャン・タワー」という3つのタワーから構成されているのが特徴。ロビーは各タワー共通だが、メイン・ロビーの下の階にあるロワー・ロビーにはオプショナルツアーデスクに加え、日本語サービスデスクが設けられており、英語が苦手な利用客にも優しい作りとなっている。

広大な敷地のなか、ラグーン・タワー、パレス・タワー、オーシャン・タワーが並ぶ(写真提供: ヒルトン・ワイコロア・ビレッジ)
ラグーン・タワー
パレス・タワー
オーシャン・タワー
チェックイン、チェックアウトを行なうメイン・ロビー
オプショナルツアーデスクや日本語サポートデスクがあるロワー・ロビー

 ロビーを抜けてホテルの中に入ると驚かされるのが、スケールの大きさ。何しろ敷地内の移動用としてモノレールとボートがあるのだ。どちらも3つのタワーをつなぐようにレール・水路が設置されている。約25万m2と広大で、なおかつU字状となっている敷地は、ホテルというよりちょっとした街のようで、移動するのは大変。のんびり散歩がてらホテル内を歩いていくのも楽しいが、食事や各種施設を利用する際はこうした交通手段が便利だろう。

ホテルの敷地内を走るモノレール。3つのタワーや主要な施設の前にある乗り場で停車する
ボートは14時からの運航で、敷地内に設けられた水路を運航する

「マカイ・プログラム」でちょっと贅沢な気分を

 ヒルトン・ワイコロア・ビレッジの3つあるタワーのうち、今回体験したのはラグーン・タワー内の「マカイ・プログラム」。「マカイ」とはハワイ語で「海側」を意味し、マカイ・プログラムとはラグーン・タワーの客室162室とスイートルーム9室で贅沢なリゾート体験ができる宿泊プログラムのこと。海が見渡せる客室に加え、ワンランク上のサービスが提供される。

 主な特典内容として専用のチェックインサービスが設けられていることに始まり、ラグーン・タワー内のスパ施設「コハラ・スパ」の無料利用、プライベート・コンシェルジュサービス、レストラン・スパ・ゴルフの優先予約と幅広い。また、飲料水や専用のアメニティグッズも用意されるなど、きめの細かいサービスも。

 このマカイ・プログラムにおいて今回、宿泊したのはクイーンベッド2つでバスタブがついた部屋だったが、ほかにもキングベッド1台でシャワーのみの部屋も用意されている。部屋は木や花といった自然を感じさせるデザインやシックな素材を取り入れつつ上品なリゾート空間に仕上がっており、落ち着いた気持ちで過ごすことができた。

ラグーン・タワー内のマカイ・プログラムの客室。写真はクイーンベッド×2の寝室
マカイ・プログラム利用の宿泊客はブレスレットを着用すれば、コハラ・スパが利用できる
飲料水サービスもマカイ・プログラムの一つ。カプセルコーヒーマシーンも利用可能

 設備としては、ほかにチェストとテレビ、ワーキングデスク、オットマンつきのチェアが用意されているが、ユニークなところでは「DVD Now(レンタル式のDVD視聴システム)」が利用できるPS3(プレイステーション3)も設置。施設内のレンタル機を使えばさまざまな映画のDVDディスクを借りて部屋での視聴が可能だ。

 アメニティについては、洗面所にはシャンプー、コンディショナー、乳液、シャワーキャップ、ボディソープが、クローゼットの中にはビーチバッグとローブを用意。シャンプーやソープ類はココナッツ・マンゴーと南国らしい香りとなっている。また、旅先で必須のアイテム、ドライヤーやアイロン、アイロン台ももちろんそろっているので、長めの滞在でも不便することはないだろう。

チェストの脇にワーキングデスクが設けられている
オットマンがついてくつろげるチェア
洗面台が2台用意された洗面所
アメニティはココナッツ・マンゴーの香り
バスとトイレは一体型。部屋によってはバスタブがなくシャワーだけのところも
シャワーはレインシャワーとハンドシャワーどちらにも利用可能
クローゼットにはマカイ・プログラム専用のビーチバッグとローブが用意されている
アイロンとアイロン台、クリーニング注文票が用意されている
DVD Nowを使って、館内で貸出しているレンタルDVDの鑑賞もできる
ベッドわきは照明のところにコンセントが設けられている
ワーキングデスクの電源はコンセント3口にUSBポートも用意
ベランダ(ラナイ)の様子
マカイ・プログラムの客室は海の眺めも抜群

13のレストランとバーでリゾートならではの“食”を体験

 リゾートホテルの楽しみは多岐にわたるが、欠かすことができないのが“食”だ。ヒルトン・ワイコロア・ビレッジには13ものレストランとバーが用意されている。シーフードからイタリアン、日本食、ハンバーガーや軽食などとさまざまなレストランがあり、どこに行けばいいのか迷いそうなラインアップだ。

 今回、ラグーン・タワーそばの海沿いにある「カムエラ・プロビィジョン・カンパニー」でディナーを楽しんだ。このレストランでは、25ドル(約2875円、1ドル=115円換算)追加することで夕陽が見られる席が確保でき、なおかつシャンパンとアペタイザーが用意されるサービスを行なっている。このオプションを利用すれば、夕方から夜にかけてサンセットが眺められる至福の一時が過ごせるのだ。

 同店では、ハワイ産のシーフードとステーキを提供しており、シーフードは海の滋養が濃縮された味、ステーキ類も肉の旨味が強く感じられるものとなっており、文句なしの内容となっている。

カムエラ・プロビィジョン・カンパニーは夕陽を眺めながらのディナーにぴったりのレストラン
店ではハワイ産のシーフードが提供されている
ハワイ産ケアホレロブスタークラブケーキ
ハーブクラスト グリルドラムチョップ
モンチョン(シマガツオ)の生姜蒸し
カムエラ・プロビィジョン・カンパニーから見たサンセット

 朝食にぜひ行きたいのが「ビッグアイランド・ブレックファスト アット ウォーターズ エッジ」だ。こちらは朝食ビュッフェ専門のお店だがバリエーションに富んだラインアップが魅力。

 この店で話題となっているのが自分で焼くワッフルと、オーダーオムレツステーション。ワッフルの方はサーバーからカップに生地を入れて、それをワッフルメーカーに流して決められた時間過熱するだけで焼き立てのワッフルができあがるという仕組み。オーダーオムレツステーションでは、野菜やソーセージなどあらかじめお好みの具材を選んで持っていくことで、目の前で自分だけのオムレツを作ってもらえるのだ。

 また、パンやソーセージ、ベーコン類、サラダ類などビュッフェ内容も充実しているが、ごはんやみそ汁、漬物といった日本の朝食メニューもそろっていて、連日のグルメで胃が疲れ気味という方にとってもうれしい内容だろう。

ビッグアイランド・ブレックファスト アット ウォーターズ エッジ
店内から施設内に設けられたラグーンを見ながら食事ができる
オーダーオムレツステーションは早く行っても行列ができていた
ワッフルメーカーでワッフルを自分で焼くことができる
さまざまなソースとトッピングが用意されているので、好きなものをワッフルにかけていただける

 今回、昼食をとったのが、敷地内のラグーンそばにあるオープンなレストラン「ラグーン・グリル」。ハンバーガーやサンドイッチといった軽食を提供している。軽食といってもアメリカンサイズなので、結構なボリュームがあるが、ラグーンの眺めと海風を感じながらいただく食事は満足の一言。バーとしての営業も行なっているので、ビールやカクテルといったアルコールメニューも豊富だ。

海風を感じながら食事ができるラグーン・グリル
バーガーやサンドイッチ、スムージーが人気だ

ホテル内でもさまざまな施設やアクティビティが楽しめる

 ヒルトン・ワイコロア・ビレッジには敷地内で楽しめる施設やアクティビティが充実している。このホテルは海に面しているもののビーチではなく「アア」と呼ばれる尖った溶岩の岩場であるため、直接海に入ることはできない。しかし、敷地内に人工的に作られたラグーンは海とつながっており、海遊びが楽しめるようになっている。ここでは外洋からやってきたウミガメや魚と一緒に泳ぐことが可能だ。

広く透明度の高いラグーン。宿泊者は誰でも利用できる
海とつながっているので魚はもちろん、ウミガメも遊びに来る

 海のアクティビティで人気なのが、イルカとの交流体験ができる「ドルフィン・クエスト」。ラグーンの一角を区切って12頭のイルカを保護・生育している施設で、イルカに触る、一緒に泳ぐ、給餌などができるようになっている。対象年齢2歳以上の子供向けから、イルカのトレーナー体験が可能なものまで、さまざまなプログラムを用意。なかにはイルカと写真撮影できるというものも。こちらはドルフィン・クエストの公式サイトから予約が可能。人気のアクティビティなので、体験したい場合は早めに予約しておこう。

イルカとの交流を楽しめる施設ドルフィン・クエスト
人懐っこいイルカは見ているだけで癒されそうだ
イルカは全12頭。親子で泳ぐイルカ

 プールはラグーン・タワーそばの「コナ・プール」やオーシャン・タワー内の「オーシャン・タワー・プール」などがあり、敷地内にはテニスコートやパターゴルフコース、さらにコハラ・スパ内にはフィットネス施設も用意されている。のどかな風景を眺めるだけでなく、身体を動かしたいという方も満足できるだろう。敷地外になってしまうが、キングスコースとビーチコースといったゴルフコースも近くにあるので、ゴルファーにとっても魅力的だ。

スライダーも設けられ子供に人気のコナ・プール
コハラ・スパのなかにあるフィットネス施設(写真提供:ヒルトン・ワイコロア・ビレッジ)
ホテルのそばにはキングスコースとビーチコースと、ハワイ屈指のゴルフ場も(写真提供:ヒルトン・ワイコロア・ビレッジ)
敷地内のウェディング・チャペルは日本人カップルにも人気

 広大な敷地のなかにさまざまな施設やアクティビティを備えたヒルトン・ワイコロア・ビレッジ。敷地内だけでも十分リゾートを堪能できそうな内容となっている。旅行というと、ついさまざまな場所の観光スポットやアクティビティを回って活動的に動かなければと思いがちだが、こういったリゾートホテルを拠点にゆったりと過ごすのも一つの楽しみ方だろう。

 ぜひ、滞在日数を多くとるか、旅行プランを詰め込みすぎないようにして、ハワイ島ののどかな雰囲気を味わってほしい場所だ。

コナは世界の有名天文台が集まるだけに星空もきれい。夜の散歩もオススメだ

丸子かおり

フリーライター/編集者。主にIT系の記事を執筆することが多いが、科学系の書籍や料理本を手がけることも。趣味はごはん・手芸・デジタルなどジャンルを問わない自作。著書は「AR<拡張現実>入門」(アスキー新書)、「放射線測定のウソ」(マイナビ新書)など。ブログはhttp://mrk-reco.com/