旅レポ
森と湖の国フィンランド~一番近いヨーロッパへリラクゼーショントリップ~(その4)
フィンランドサウナでリフレッシュ編
2017年1月26日 00:00
一番近いヨーロッパ、フィンランドのプレスツアーレポート最終回は、本場フィンランドのサウナをご紹介! 場所は前回の記事と同じフィンランド北東部の街・クーサモです。「ロウリュ」や「ヴィヒタ」といった聞き慣れない言葉が出てきますが、とにかく日本のそれとはちょっと違ったサウナ体験をしてきましたよ。心ゆくまで本場のサウナを楽しんだら、美味しい食事に舌鼓、宿泊は高級ロッジでワインをかたむけて……なんていう夢のような大人の旅ができちゃうフィンランド。そして夜空に「アレ」が見られればもう言うことありませんね。ぜひ最後の最後までご覧ください!
訪れたのはクーサモにある「Isokenkaisten Klubi」(Webサイト)。サウナのほかにもレストランやカフェ、ホテルなども運営する家族経営の複合施設です。バスを降りると、とんがり帽子にバスローブ姿の女性がニコニコ顔で出迎えてくれました。(きっと私たちもあれを着るんですのね)と思ったらそのとおり。着替えをしてさっそくサウナ棟へと向かいます。
ここはサウナの元祖とも言われている「スモークサウナ」が特徴。大きな石窯で薪を焚いてゆっくりと石を暖め、サウナ全体が燻された状態になっています。薪を炊いている間に出た煙は放出してから入るのですが、その煙から出るススのおかげで室内の壁はよく見ると真っ黒! なるほど、燻されまくっているからスモークサウナなんですのね~! 入れるようになるまでに6、7時間ほど薪をくべ続けなくてはならず、とにかく準備に時間と手間がかかるサウナなんだとか。
さっそくスモークサウナに入ります。熱さに強い(と思っている)私は、ベンチの上の段を陣取りました。思っていたほどスモーキーなニオイは気にならず、しばらくすると身体の芯から温まっていく実感がじんわりと。う~ん、気持ちいい! そしてフィンランド式のサウナの楽しみ方「ロウリュ」の実演スタートです。
ロウリュとは熱々になっているサウナストーブの石に水をかけて、発生する水蒸気の熱で温度を上げるというもの。最近は日本でもスーパー銭湯などで、この「ロウリュっぽいもの」を取り入れているところがありますよね。サウナ番のお姉さんがせっせとストーブの石に水をかけてくれるのですが、そのたびに身体に伝わる蒸気と熱風が病みつきに! 乾燥した室内の湿度が一気に上がって、まるで全身に蒸しタオルをかけられたような感覚です。私、ここにしばらく滞在したいと本気で思いました。
そして、フィンランド式サウナのもう一つのお楽しみアイテム「ヴィヒタ」をご紹介しましょう。ヴィヒタとは、白樺の枝葉を束ねたもので、これで身体を軽く叩きながらサウナに入るのがフィンランド流。パシャパシャと叩くときに生まれる熱が肌を刺激して、これには血行促進や殺菌などの効果があるんだそう。青々としたフレッシュな枝葉なので、視覚的にもヒーリング効果があるハズ! あぁ、なんて素晴らしいんですの、フィンランドサウナ!
さらにお楽しみアイテムその2「ピート」の登場です。このピートというのはフィンランドの沼地の奥深くで採れる天然の泥。(泥に天然も何もないんじゃないですの)と思っていたのですが、美容関係に詳しい記者の方が「これ日本で買ったら1万円する」と言うので、これでもかというほど顔や身体に塗りたくってみました。
塗っている時の見た目はアレですが、お肌が見違えるようになった……かどうかはご想像にお任せ。ちなみに、その日売店で売っていたピートは、当プレスツアーの女性陣がすべてお買い上げして完売状態。美への追求はフィンランドの沼地のように限りなく深いのです。
フィンランド流サウナの楽しみ方はクールダウンも一味違います。そう、テレビなどでよく見る凍った湖に入るというアレです。が! ご覧のようにこの時期はまだ雪が降る前。湖も凍っているわけではなく、イマイチ絵的に説得力が足りない感が……。
しかしはっきり言ってスーパー銭湯の水風呂なんて比較にならないくらい冷たかった! 寒さに強い(と思っている)私でも、首まで浸かったら「うわ、もうダメだ」と一瞬で上がったほどです。サウナ→湖→サウナ→湖を数回繰り返し、さらに泥パックの効果もあって、帰る頃には身体も心もすっかりデトックスできた大満足のフィンランドのサウナ体験でした。
フィンランドのスープは最高です
今回の旅では各地のレストランでいろいろなフィンランド料理を食べましたが、特に印象に残っているのが、どれもスープが美味しかったこと。大きなお皿にたっぷりと注がれた熱々のスープは、寒い国ならではなのでしょうが、どれもちょっぴり味が濃いめ。添えられたパンが進んじゃいました。イッタラなどのオシャレな食器で出てくるのもうれしいポイントです。暖炉の暖かさやキャンドルの灯りといった周りの要素も便乗して、より一層記憶に残ったのかもしれません。
お土産にも最適♪ ラップランドの伝統的な木製マグカップ「ククサ」
フィンランド北部・ラップランド地域の伝統工芸品「KUKSA(ククサ)」をご存知でしょうか。遊牧民サーミ人から伝わったとされる木製のコロンとしたマグカップのことで、白樺の木のコブの部分をくり抜いて作られています。
最近はオシャレな山ガールたちの間でも人気のようで、アウトドア雑誌で取り上げられることもしばしば。フィンランドではこのククサをプレゼントされると幸福になるといわれているようなので、お土産にもぴったりですよ。
北欧フィンランドに暮らす妖精たち
今回のツアーで訪れたさまざまな施設で目にしたこのような小さな人形たち。どうやらフィンランドには「トントゥ(Tonttu)」という妖精がいると伝えられていて、その正体は古い民話に出てくる小人の妖精のようです。特に有名なのはクリスマスに大忙しになるサンタクロースを手伝う「トントゥ」です。そういえば、ムーミンも妖精の一つ「トロール」だと言われていますね。
ロヴァニエミで訪れた「アトリエ カンガスニエミ」の肝っ玉母さんは、この人形のことを「エルフ」と呼んでいましたが、エルフもまた妖精と訳されることも。フィンランドでは家の中、納屋の中、サウナの中にまで妖精がいると言われているんだとか。そう言われるとあちこちでかわいらしい人形を見かけたのも納得。どれも帽子を被っているのが特徴のようです。
丘の上に建つラグジュアリーヴィラ
クーサモの2泊目は、リビングの大きな窓から森と湖が望めるレンタル高級ヴィラ「VILLA JALORUKA(ヴィラジャロルカ)」。前回ご紹介したロッジ「Luppolinna」と同様に、グループやファミリー単位で1~2週間ほど借り切って過ごすのにぴったりの宿泊施設です。
木材をふんだんに使った室内は(というか、丸太むきだし!)、センスのよいシンプルな家具が置かれていて居心地抜群。ベッドルームは1階、2階合わせて計4部屋あって、その日の部屋はじゃんけんで決めました。
ツアーのメインアクティビティ(になるはずだった)オーロラ鑑賞しながらのリバーフローティングとはコレだ!
実は今回のプレスツアーの最大の目的は「ラップランドでのオーロラ鑑賞」だったのですが、連日の天候不良でオーロラは見られませんでした。しかし、予定していたアクティビティは決行したのです!それは、真っ暗ななかで身一つで川を流れるという「リバーフローティング(オーロラなし)」。
スキューバダイビングなどで着る、水が入ってこないドライスーツを着込み、頭にはヘッドライト。ゆっくりと仰向けに浮かんだらそのまま流れに身を任せます。そして数百m先の回収ポイントで足を引っ張られて再び上陸というもの。辺りは真っ暗で何も見えず、耳も覆われているので何の音も聞こえないという、ある意味かなりの極限状態で(空に美しいカーテン状のオーロラが出ていると想像しながら)川を流れるのですが、この孤独感ったらありませんでした(笑)。
宇宙船に乗って暗い宇宙をさまよっているような、そんな感覚なのです!もしオーロラが見えていたら、星降る夜との一体感を思う存分味わえる素晴らしいメインアクティビティになったことでしょう。というわけで、イラストはイメージです(いつかリベンジしたいなぁ)。
今回のフィンランド旅のお供カメラは、ニコンD500
今回私がフィンランドに持っていったカメラは「ニコンD500 16-80 VR レンズキット」。残念ながらオーロラ撮影は叶いませんでしたが、それ以外の日中の撮影では、シャッターを切った感触の気持ちよさったらありませんでした! さすがDXフォーマットの最上位モデルです。D500、オススメですよ!
オーロラが見られなかったことだけが心残りですわ~と思いながら乗り込んだ帰りのフライトでミラクルが起こりました。なんと機内からかすかにオーロラが見えたのです。成田行きの帰りの直行便はヘルシンキを夕方5時過ぎに出るため、機内で一晩を過ごすことになるのですが、その際に進行方向向かって左側の窓側席だと、オーロラが見えることがあるのです。
実はこれ、肉眼ではかろうじてぼんやりとぼーっとした緑色の光が見える程度だったのですが、D500はご覧のとおり地平線上に長くのびるダイナミックなオーロラを写し撮ってくれていました。