【イベントレポート】ファンボロー国際航空ショー2016

富士重工、「SUBARU」ロゴ入りの民間向けヘリコプター模型を展示

ベル・ヘリコプターと共同開発

2016年7月11日~17日(現地時間)開催

スバルのロゴが目立つ民間向けの「412+」(1/10スケールモデル)

 富士重工業は、7月11日~17日(現地時間)に英ファンボロー空港で開催中の「ファンボロー国際航空ショー」に出展。開発中の民間向けヘリコプター「412EPI 発展型(412+)」の1/10模型などを展示した。

 このヘリコプターは、国際共同開発事業として、富士重工、米ベル・ヘリコプター・テキストロン(Bell Helicopter Textron)、日本の防衛省との3機間共同で民間機の開発を進めている。防衛省が民間機の開発に協力する背景には、多用途ヘリコプターとして現在運用している「UH-1J」の後継モデルとなる「UH-X」の導入計画が背景にある。民間機を自衛隊機に転用することで、スケールメリットによるコスト削減を狙うものだ。

 2015年には412EPI 発展型が、正式にUH-Xに決定し、10億円の開発費が予算に計上された。20年間で150機をリプレイス予定で、2021年から量産初号機の納入が始まる見込みだ。

 ベースとなっているベル 412EPIは完全グラスコックピット、CFRPを用いたブレードなどに特徴があり、412+では富士重工の独自技術を活用し、ドライラン能力(メイン・トランスミッションの潤滑油が抜けた状態で30分間の飛行継続が可能な能力)、トランミッションの出力向上、機体の耐久性を向上させたモデルとして売り込む予定。販売にはベルの販売網も利用する。

 412+の国内顧客は、ベース機となるベル 412EPも運用している海上保安庁や各地の消防などにおけるリプレイス需要を最初のターゲットとして見込んでいるという。今回の展示については、「航空産業、ヘリコプター産業に長期間携わってきた富士重工業として、スバルのロゴが入った象徴的なモデル」としており、スバルロゴをきっかけに足を止める人も多いとのことだった。

メインローター部
テールローター部
陸上自衛隊が導入する「UH-X」に決定した412EPI 発展型の1/10スケールモデル
2015年のパリ航空ショーでも展示された100kgのペイロードを持つ無人ヘリコプター「RPH-X」
こちらも昨年に続いての展示となったボーイング 787型機の中央翼(1/10スケールモデル)