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富士急の「富士山ビュー特急」に乗って、80万株の芝桜が広がる「富士芝桜まつり」へ

富士の芝桜はゴールデンウィークが最盛期

2016年4月26日 実施

 富士急(富士急行)は、首都圏最大級の80万株の芝桜が一面に広がる「2016 富士芝桜まつり」(4月16日開幕)と、富士山へ向かう旅路を特別なものに変える新型特急「富士山ビュー特急」(4月23日運行開始)という、富士山の春の2大注目スポットを見学できるプレスツアーを4月26日実施した。春の暖かい陽射しが降り注ぐなか、そのプレスツアーに参加したのでレポートをお届けする。

4月23日に運行開始した、贅沢な移動空間を味わえる「富士山ビュー特急」

 富士山ビュー特急は、富士急行創立90周年事業の第1弾として運行が開始された新型特急。デザインは富士急行線の観光列車「富士登山電車」を手掛けた水戸岡鋭治氏が担当、車室内は木の質感を活かした居心地のよい空間。大きく開かれた車窓からは、世界遺産富士山の雄大な姿を、まるで「額に収められた一枚の絵」のように眺めることができる。

 さらに、1号車となる26席のみの特別車両では、ゆったりとしたホテルのような空間のなかで、ドリンクやパティシエが作った「富士山ビュー特急特製スイーツ」を楽しむこともでき、移動時間を贅沢に演出してくれる。大月駅から河口湖駅まで筆者は2号車に乗車したが、富士山が美しく見えるポイントでは減速してくれるなどサービス精神も旺盛な特急列車であり、好天と相まってうれしい気分になれた。

富士山ビュー特急の1号車。ウェルカムドリンクのサービスのあと、「ハイランドリゾートホテル&スパ」のシェフパティシエ橋本道郎氏が手掛ける、山梨の味覚を取り入れた富士山ビュー特急特製スイーツを味わえる。この日は季節のマカロン、パティシエ特製フルーツサンド、富士山麓卵のなめらかプリン、旬果デザート(ガトーアンサンブル)という内容だったが、メニューは季節により異なるとのこと。特別車両である1号車への乗車は予約が必要なので、料金なども含めWebサイトで確認を
1号車にはアテンダントが乗車し、車内販売も行なう。トイレは1号車と2号車の間にあり、広い空間が好印象
こちらは2号車の車内。手すりはもちろん天井まで、木をふんだんに使ったインテリアで落ち着いた空間。日よけのシェードは竹製
大月を出発後、しばらくすると富士山の姿が徐々に大きく見えるようになってくる。キレイに見えるポイントでは減速し、ゆっくり走ってくれるので写真を撮るのも難しくない
富士山ビュー特急の車窓から眺める富士山。大月から河口湖に向かう間に、右の車窓、左の車窓と、富士山の見える方向が変わるが、河口湖駅に向かう際は進行方向に向かって左側の席が見やすい
富士山がよく見えるところで、富士山ビュー特急が車速を落としてくれたポイント。広角レンズで撮影
こちらは標準レンズの写真。ビューポイントで見せてくれるのは、「富士山のエキスパート」を自称する富士急らしいサービス

開業30周年を迎え大規模リニューアルを実施した「ハイランドリゾート ホテル&スパ」で昼食

 富士急ハイランドに隣接する「富士山の素晴らしさを五感で堪能できる」リゾートホテルとして、開業30周年を迎えたハイランドリゾート ホテル&スパは、世界遺産である富士山にふさわしい世界水準のリゾートへと進化するために大規模なリニューアルを実施した。フロントやロビーラウンジ、メインバンケットなどのデザイナーには、世界のリゾートホテルのインテリアデザインを数多く手がけ、トップクラスの評価を持つハーシュ・ベドナーアソシエイツ(HBA)のキャサリン・ドーバー氏を起用し、ホテル空間を熟知したプロフェッショナルの色彩感覚による新たなリゾートへと生まれ変わった。

リニューアルされた空間。メインバンケットからは富士山が一望できる贅沢な空間

 到着時刻は、ちょうどランチタイム。リゾートダイニング「フジヤマテラス」で人気のランチブッフェをいただいた。ライブキッチンでシェフが作るでき立ての料理を含め、約80種類のメニューが並び大満足の昼食となった。

約80種類のメニューが並ぶのは圧巻。もちろんスイーツなども豊富にあり、女性陣も大満足の様子だった

残雪の美しい富士山と芝桜の素晴らしい競演「富士芝桜まつり」

 2.4ヘクタールの広大な土地に、首都圏最大級の約80万株の芝桜が咲き誇る富士芝桜まつり。新緑の緑や青い空、残雪が残る富士山と、訪問時は6分咲きとのことだったが一面をピンクに染める芝桜とのコントラストが、美しい光景を作り出していた。今年は芝桜以外の花の生育にも力を入れたとのことで、ムスカリやアネモネ、クマガイソウなど、期間を通して10種類の花が楽しめるとのこと。ゴールデンウィークである4月下旬はアネモネやレンギョウ、ミツバツツジも見ごろとなるようなので、会場内のみでしか購入できない限定おみやげ品の情報なども含めて、訪問前にぜひWebサイトで確認していただきたい。

地上3.8mの高さから会場内の芝桜を一望できる撮影スポットである展望台は、空と富士山と芝桜のコントラストを存分に味わえる「富士を眺める特等席」

 また花の鑑賞以外にも「吉田うどん」やB級グルメで有名な「富士宮やきそば」、山梨名物「甲州とりもつ煮」など、富士山周辺のグルメを集めた食イベント「富士山うまいものフェスタ」が会場内で開催されており、訪問時は平日であるにもかかわらず多くの観光客で賑わっていた。「桜カフェ FUJIYAMA SWEETS」では、芝桜をイメージしたホテルメイドの本格スイーツである桜エクレール、桜ドゥベリー、桜もちもちロール、桜栗モンブランを楽しむこともできる。

富士山うまいものフェスタには、さまざまな店舗が出店しており、なにを食べようか迷ってしまう。やはりここでは、富士宮やきそばや吉田うどんが人気があるようだ
桜カフェ FUJIYAMA SWEETSは、テラスで芝桜と富士山を眺めながら、ホテルメイドの本格スイーツが楽しめる贅沢な席
会場内のみでしか購入できない限定おみやげ品の情報なども販売されている。「さくら葉餅」が販売数量は一番とのことだが、お茶の詰め放題も人気のようだった

洞窟内は約3℃。ライトアップされた氷柱が幻想的な「富岳風穴」

 続いて訪れた「富岳風穴」は富士山の火山活動によってできた溶岩洞窟で、洞窟内の気温が年間を通して0~3℃と低いため、巨大な天然氷柱(つらら)や地質学上貴重な溶岩など、富士山の大自然を間近に見ることができる外国人観光客に人気のスポット。近隣の「鳴沢氷穴」とともに国の天然記念物に指定されているが、天井の高さが氷穴より高いので、比較的楽に入場できる。本年2月から氷柱や溶岩をライトアップするとともに、その昔、天然氷をブロック状に切り積み上げ、お蚕の貯蔵や種子の保存のために最深部を天然の冷蔵庫として活用していた「氷の池」の改修を行なうことで文化財洞窟の価値を高め、神秘の世界を体感できる施設にリニューアルされた。このエリアを訪れた際にはぜひとも寄っていただきたい場所であるが、洞窟の高さが低いところもあり、溶岩から滲み出た水で滑りやすいことから足元と頭上には注意が必要である。

富岳風穴は標高1000mの場所にある。入口から階段を降りて左に曲がった瞬間から気温が低くなり、右手にある横穴のなかには「つらら」が下がっていた
今年からライトアップがされた氷柱。暗闇で青く光る姿は幻想的でもある
お蚕の貯蔵や種子の保存のために最深部を活用していた天然の冷蔵庫や、ヒカリゴケを見学することも可能
固まった溶岩の上で育った木々たちの根は特殊。それを解説するパネルや、実際に溶岩の上に生えているのが分かる場所も多い

 そのほかにも富士急行では、乗り換えなしで手軽に富士五湖の人気観光スポットを巡ることができる「富士五湖定期観光バス」を、富士急ハイランド高速バスターミナルや河口湖駅から運行している。河口湖で遊覧船「アンソレイユ」に乗船し富岳風穴を周る「河口湖・西湖コース」(午前)と、遊覧船「白鳥の湖」乗船後に、この時期ならチューリップが咲き誇る「山中湖花の都公園」と「忍野しのびの里」、「北口本宮富士浅間神社」を巡る「山中湖・忍野コース」(午後)がある。同日に両方のコースを利用する場合に割引される料金設定もあるので、「発車オ~ライネット」のWebサイトも参照して欲しい。

(Movie:石岡宣慶/酒井 利)