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JR西日本、特別な「トワイライトエクスプレス」最終運行到着式を3月22日に開催
ついにラストラン。車両の一部は京都鉄道博物館に展示予定
（2016/3/22 21:30）
- 2016年3月22日 開催
JR西日本（西日本旅客鉄道）は3月22日、大阪駅10番のりばにおいて「特別な『トワイライトエクスプレス』」の最終運行到着式を開催した。この最終列車は前日の21日に下関を出発したあと、山陰線、伯備線、山陽線、東海道線を経由、15時49分に大阪駅に到着した。
トワイライトエクスプレスは1989年（平成元年）7月、大阪から札幌を結ぶツアー専用列車として誕生。車内は豪華列車の代名詞的存在「オリエントエクスプレス」をフィーチャーし、展望スイートをはじめとした個室中心の編成となっていたほか、食堂車では本格フレンチが楽しめるなど、日本最長距離列車にふさわしいサービスが用意されていた。同年12月には専用車両を増備することで、大阪駅～札幌駅間を結ぶ寝台特急として運行を開始。2001年に内装をリニューアルし、団体臨時列車として日本各地で運行された。
昨年2015年3月、車両の老朽化により定期列車としての運転を終了。同年5月からは4両の「スイート」「ロイヤル」にサロンカー、食堂車、乗務員車両、電源車からなる特別なトワイライトエクスプレスとして、旅行会社専用団体臨時列車としての運転を開始。大阪駅～下関駅で月に数回のペースで運行されていたが、この日、ついにラストランを迎えることになった。
主催者を代表して挨拶を行なったJR西日本 大阪車掌区 区長 福田稔氏は特別なトワイライトエクスプレスについて、「約1年の運行でございましたが、83本の列車を安全に運行でき、約4000名のお客さまにご利用いただくこととなりました」と話すとともに乗客に感謝の意を表した。
また、この列車を運行するにあたっては「車両の編成をスイート、ロイヤルとA個室寝台のみとした」「運行ルートは山陽ルート、山陰ルートと西日本中心の運行とした」「料理も西日本の食材をふんだんに使ったものとした」ことに加え、沿線の協力により「途中停車駅での神楽上演や町並み散策」などの立ち寄り観光を実施するなど、新たな取り組みを行なったと述べた。
最終運行については「今日の運行をもちまして特別なトワイライトエクスプレスは終了いたします。今日が本当の意味でのトワイライトエクスプレスのラストランです。今日、たくさんの方がいらっしゃるように多くの方々に愛されたこの列車、そして我々社員にとっても乗務員だけではなく駅係員、車両の社員、保線の社員、すべての社員の“おもてなしの心”によって成り立っていたこの列車がなくなるのは、大変寂しく思いますけれども、我々はこのトワイライトエクスプレスの伝統を引き継いでお客さまにより安全でより愛していただける鉄道づくりにこれからも務めてまいりたいと思っております」と話すとともに、車両の一部は4月オープン予定の京都鉄道博物館に展示される予定だと説明した。
また、来年春から新たに運行が予定されている「TWILIGHT EXPRESS 瑞風（みずかぜ）」についても触れ、トワイライトエクスプレスで培った地域連携などのノウハウを生かし、新たな観光列車としての再出発を万全の準備で迎えたいと話した。
最後に「我々をこれまで育ててくれたトワイライトエクスプレスに“ありがとう”と言いたいと思います。また、さらに長い間、お疲れ様と言いたいと思います。そしてご利用いただいたお客さま、数多くのトワイライトエクスプレスファンの皆さま、そして関係者の皆さまに改めて感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました」と締めくくった。
乗客代表に福田区長から記念品が贈呈されたほか、乗務車掌には銕夫駅長から花束が贈呈された。16時3分、関係者や常務スタッフ、詰めかけた多くのファンが見守る中、トワイライトエクスプレスは大阪駅を後にした。同列車が運行を開始してからの利用客数は116万人、総走行距離は1880万km、地球470周分に及ぶという。
トワイライトエクスプレスが去ったホームで囲み取材に応じた、乗務歴約15年というJR西日本 大阪車掌区 車掌 田中勝氏は「非常に残念ですという気持ち、TWILIGHT EXPRESS 瑞風にも継承していただきたい」と話したほか、「長時間遅れてご迷惑をおかけすることがありましたが、遅れることを楽しんでくださるお客さまが多かった」と、特別な列車だったことへの思いを口にした。
また、乗務歴約10年のJR西日本 大阪車掌区 車掌 枡本最司氏は「客車がなくなってしまうのは寂しい」と話した。
