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中国南方航空、茨城空港~深セン定期便を25日に就航、到着ゲートでは華やかに歓迎

関東圏唯一の深セン直行便

2015年7月25日 就航

茨城空港内には茨城~深セン線就航記念の横断幕や垂れ幕が掲げられていた

 中国南方航空は7月25日、茨城空港と中国・深セン宝安国際空港を結ぶ、定期便の就航を開始した。週2便(土日)体制での運航で、茨城(16時00分)発~深セン(20時00分)着のCZ6042便、深セン(10時00分)発~茨城(14時50分)着のCZ6041便の往復便となる。機材はA320(151人乗り)を使用する。

 深センは、製造業を中心とした中国屈指の経済都市であるが、2015年7月現在、中国南方航空の茨城~深セン線は、関東圏唯一の直行便となる。また、茨城空港にとっても、国際線の新規就航は5年ぶりとなる。茨城~深セン定期便の就航を記念してセレモニーが開催されたので、その様子をレポートする。

茨城空港の国際線チェックインカウンター。これまでは春秋航空しか国際線カウンターを使っていなかったが、今後は春秋航空と中国南方航空が使うことになる

 茨城空港は、規模の小さい地方空港だが、当初からLCCへの対応を打ち出していることが特徴だ。空港を入るとすぐ、茨城~深セン線の就航を記念した大きな垂れ幕や横断幕が掲げられており、空港職員はもちろん、空港を利用する客からも、新規就航を歓迎するムードが感じられた。

 セレモニーはまず、中国・深センからの第1便の着陸の出迎えからスタート。第1便は、定刻より30分程度遅れての到着となったが、エプロンにも乗客を出迎える横断幕が用意され、乗客には茨城の名産品や観光関連グッズなどが手渡された。

定刻の14時50分より30分程度遅れて、深センからの最初の着陸便がやってきた
茨城空港に着陸した深センからの第1便
航空機を誘導するマーシャラーも待機
駐機場(エプロン)エリアに移動する中国南方航空機
エプロンエリアで向きを変えて駐機する中国南方航空機
タラップ車がドッキングしているところ
中国からの客を出迎えるための横断幕を持つ来賓一同
タラップから下りてくる乗客
横断幕での歓待を受ける乗客
胸に赤い花をつけている人が、中国南方航空日本支社長の呉国翔氏
空港の国際線出口前にも乗客を出迎える横断幕が用意されていた
こちらも歓迎の横断幕。茨城空港は茨城県小美玉市にある
つくば観光大使も出迎えに
到着客には地元の名産品である「小美玉ヨーグルト」などが配られた
茨城県副知事 楠田幹人氏

 到着客の出迎えが終了後、空港1階の国際線チェックインカウンターの向かい側で、記念セレモニーが始まった。

 まず、日本の方から中国来賓の方々へ花束が贈呈され、次に、茨城県を代表して、茨城県副知事の楠田幹人氏が挨拶を行なった。楠田氏は、今年で開港から6年目となる茨城空港の現状について、2014年度は国内線、国際線ともに過去最高の搭乗実績を記録しており、着実に実績が上がっていると述べた。

 また、中国南方航空は2015年2月から3月に茨城~ハルピンチャーター便を運航したが、それによって、低コストで東京へのアクセスも優れている茨城空港の魅力を理解していただいたことが、今回の定期便の就航に繋がったと考えているとした。今回の就航の意義について、「茨城県といたしましては、中国からの訪日観光客が飛躍的に増加をしているなかで、この度、中国最大の航空会社であります中国南方航空さんの定期便が就航したことは、茨城空港、そして茨城県の今後の発展に大きな加速がつくものと喜んでいるところでございます。また、深セン市は中国有数の経済都市でありまして、県内の企業も多数進出しており、2004年からはつくば市との友好都市にもなっております。今回の定期便の就航により、経済活動あるいはさまざまな交流の場がますます深まっていくことを、県としても多いに期待しています」と語った。

 さらに、茨城県の魅力についても次のようにアピールした。「今回、深センからお越しになった皆さんの中には、茨城県が初めてという方もたくさんいらっしゃるんじゃないかと思いますが、茨城県にはネモフィラやコキアが一面に広がる『ひたち海浜公園』、3000本の梅の花が咲き誇っております『偕楽園』、それから日本の最先端科学技術が集積している『国際研究学園都市つくば』など、魅力的なスポットが数多くございます。今回の機会に、是非、県内を周遊し、茨城の魅力を満喫していただきたいと考えております」。

中国南方航空 副総理 羅宏洋氏

 次に、中国南方航空を代表して、中国南方航空 副総理 羅宏洋氏が挨拶を行なった。その中で羅氏は、「日中両国は、経済面においても密接な関係性を築いております。茨城県の広がる風景は、東京郊外の桃源郷そのものともいえます。観光産業や農業、工業が盛んな都市でもあります。私共は中国最大の航空会社として、この路線を通じて、日中両国によりよい影響をもたらすとともに、今後の発展に期待したいと思います。深セン市は、中国国内でも有数の富裕都市であり、活気に満ちあふれた若い都市です。私共はこの点を通じて、日中両国の橋渡し役として、友好の架け橋になることで、人的往来を促進し、両国の国民が理解でき、双方の経済と貿易、また文化交流が盛んになることを期待しています。日本の多くの皆様が深センを訪れることを歓迎するとともに、深センでの投資も検討いただけますようお願い申し上げます。今年に入り、中国国内では日本への旅行需要が増進しており、両国の観光事業を推進すべく、中国南方航空は日本から中国国内への直行便開設を積極的に続けてまいりました。茨城~深セン線の増便実現に向け、皆様には引き続き、中国南方航空へのご支援、ご愛顧を賜りますよう心よりお願い申し上げます」と述べた。

中国南方航空 日本支社長 呉国翔氏

 さらに、中国南方航空 日本支社長 呉国翔氏が以下のようなスピーチを行なった。「アジア最大の航空会社として、中国南方航空ならびに中国南方航空グループである厦門航空は、本年5月より、日中線において新たに30路線の開設と既存便の増便を順次予定しております。私どもは、日本の5都市と中国の12都市から直行便を開設する予定でございます。このような大幅な増便は、他に類を見ないものです。両国の友好関係は、民間交流から始まります。一番よい理解は自ら赴き、肌で感じ取ることで、一番よいコミュニケーションは自分の耳で聞くこと、一番よい鑑賞は自分の目で見て、感じることです。私どもは、新路線を友好の架け橋として日中両国民の多くの皆様にご利用いただくとともに、双方の訪問を増やし、理解を深め、両国の友情が発展することを心より願っております」

到着客の出迎え終了後、記念セレモニーが始まった
まず、日本の方から中国の方に花束が贈呈された
胸に白い花を付けている方が日本の来賓、赤い花を付けている方が中国の来賓
左が小美玉市のマスコットキャラクター「おみたん」。右が栃木県のマスコットキャラクター「とちまるくん」
左がつくば市のシンボルキャラクター「ツクツク」。右が茨城県のマスコットキャラクター「ハッスル黄門」

 来賓によるスピーチ終了後、テープカットが行なわれた。その後、茨城から深センへの出発便を2階の送迎デッキから見送ることになった。

 2階の送迎デッキは、航空券を持たない人でも自由に出ることができ、航空機の離着陸の様子を間近に見ることができるので、家族連れなどにも人気がある。記者らが見守る前で、茨城空港から深センへの第1便が無事飛び立っていき、本日のセレモニーは終了となった。なお、その後行なわれた呉氏の囲み取材の中で、現在は土日のみ運航の週2便体制であるが、関係各所との調整の上、今後の増便も計画していることを明らかにした。

来賓の方々によるテープカットが行なわれた
2階の送迎デッキには誰でも利用でき、航空機の離着陸の様子を見ることができる
送迎デッキには記念撮影用のパネルも用意されている
中国・深センへの離陸便がエプロンから滑走路へと移動していくところ
滑走路を移動する中国南方航空機
中国南方航空機が離陸する瞬間
送迎デッキの目の前から深センへ向けて飛び立っていく中国南方航空機
(編集部:多和田新也/石井英男/Photo:石井英男)