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西武鉄道、ハロウィーンで“全席最前列”の列車内ライブ「アイドルトレイン」

ファッションショー「KAWAII HALLOWEEN PARADE TRAIN」も運行

2015年10月31日開催

 西武鉄道は、10月31日にハロウィーンのイベントとして、「アイドルトレイン1号/2号」および「KAWAII HALLOWEEN PARADE TRAIN」を池袋駅~練馬駅間で運行した。アイドルトレインは、女性アイドル7組が白熱のライブを車内で披露。KAWAII HALLOWEEN PARADE TRAINでは、車内の通路を“ロングランウェイ”として活用しファッションショーを繰り広げた。

 今回のイベントは10月13日~31日まで、西武鉄道が練馬エリアで開催していた「SEIBU HALLOWEEN 2015 in NERIMA」の一環。アートディレクター増田セバスチャン氏がデザインしたラッピング電車「SEIBU HALLOWEEN KAWAII TRAIN」の運行や、日本大学藝術学部デザイン学科生徒による練馬駅構内でのアート展示。さらに練馬商店街との連携で「NERIMA SERVICE」など地域活性化と同社のPRが狙いだ。

今回ライブとショーで使用されたラッピング車両30000系「SEIBU HALLOWEEN KAWAII TRAIN」。コウモリや星などを散りばめた可愛らしいデザインとなっている
車内の中吊りもハロウィン仕様。11月末まで運行を予定としている

 今回のイベントで使用された車両は、通勤型の30000系、通称「スマイルトレイン」。車内設備への電力供給能力が他の車両に比べて余裕があるため、ライブ用のスピーカーやライトに使うバッテリーを新たに積む必要がない。このため、本形式のイベント用として選ばれた。イベント中は車内のすべてのブラインドがおろされ、外部に光などが漏れない工夫がいたるところに。ライブやショーに観客、出演者が集中できるようになっていた。

車内に設置されたライブ用ミキサー。電力はすべて車内より供給されている
照明やスピーカーは荷物置き場の棚に設置し、しっかりと固定。いつもの通勤電車がライブ会場に様変わりしている

 運行された3便のうち、第1便の「アイドルトレイン1号」は、池袋駅16時48分発~練馬駅17時36分着。3号車と4号車に「アップアップガールズ(仮)」、5号車と6号車に「夢みるアドレセンス」、7号車8号車に「GEM」が出演。池袋駅を出発した列車内は色とりどりのライトが輝き、まさにライブハウスそのもの。各出演アイドルから走行中の注意事項がアナウンスされると「アイドルトレイン、出発進行!」のかけ声が。それに合わせ観客から歓声が上がりライブ前から大盛り上がりに。軽快な楽曲とともに各出演者が登場しペンライトの光の波が入場を大歓迎。一気にライブモードへと突入した(ペンライトは車内でのみ使用可能。駅構内では必ずしまうようアナウンスされた)。

 「アップアップガールズ(仮)」は、1曲目「サバイバルガールズ」から攻めのステージを展開。「強い女」をイメージした全身黒のスーツとメイクできめた7名が2両分の約40mという長いステージを活かし、新曲の「青春の涙」を含む全6曲を披露。すべての客席が最前列、しかも通常の車内のため出演者との距離はグッと近く、電車内とは思えない程の盛り上がりと一体感のあるアツイ約48分となった。練馬駅に電車が入線すると車内におなじみの明かりが点き車掌からの「引き続き練馬エリアでハロウィンをお楽しみください」とアナウンスが流れ、夢のような第1便の運行が無事終了に。

「アップアップガールズ(仮)」は全身黒のスーツと仮面で登場。車内の長い通路を上手く使ったパフォーマンスに、新曲の初披露などサプライズに溢れていた

 続く第2便は、池袋駅18時5分発~練馬駅18時51分着の「アイドルトレイン2号」。3号車と4号車に「LinQ」、5号車と6号車に「愛乙女★DOLL」、7号車「GALETTe」と8号車「PiiiiiiiN」の4アイドルが出演。1便と同じく出演者よりライブ中の注意事項がアナウンスされ「ハッピーハロウィーン!アイドルトレイン出発進行!」のフレーズが車内に響く。

 3号車と4号車の「LinQ」はメンバー手づくりのハロウィン衣装で登場。1曲目は“満員電車”のフレーズから始まる「なう。」から、観客との食べ物コールが楽しい「カロリーなんて」、アンコール「冒険」まで全8曲を練馬駅までのノンストップで披露した。時折観客の隣の席に座りながら歌唱するなど、車両内ライブだからこその光景も。また、MCとして「本日はLinQ西武鉄道にご乗車頂きありがとうございます」と車掌風にアナウンスし盛り上げ、「普段電車を使っているけれど、それとは全然違う乗り物のようで新鮮!」などのコメントも出るなど終始笑顔があふれるステージだった。また、退場時には他号車で公演した出演者とも観客全員がハイタッチと、豪華すぎるほどの46分となった。

手作りのスペシャルな衣装で登場したLinQのメンバーたち。カラフルなキャンディやパンプキンなどの装飾でハロウィンらしさにあふれたデザイン
観客の隣の席で歌唱する姿もたびたび見られた。通常のライブ会場ではありえないサプライズなパフォーマンスに、観客たちは大盛り上がり

 ラストの第3便は池袋駅19時6分発~練馬駅19時51分着の「KAWAII HALLOWEEN PARADE TRAIN」。モデルのぺこさんやりゅうちぇるさんらがハロウィンのコスチュームで6両分、約120mのロングランウェイを歩き、仮装した観客たちとハロウィンを楽しんだ。また、ゾンビの駅員に扮したパフォーマーも登場するなど、“カワイイ”と“少し怖い”が絶妙にミックスされたステージに。フィナーレでは出演者全員が一斉にランウェイに登場し、車内全体が笑顔に包まれていた。

“怖カワイイ”衣装で登場したモデルたち。フワフワもこもこキュートな衣装から、血のりを使った怖めの衣装までさまざまなルックで観客たちの目を楽しませた
6両分約120mを“ロングランウェイ”として活用したファッションショー

 今回の「アイドルトレイン」で、鉄道はまだまだ可能性を秘めた存在ということを示してくれた西武鉄道。次回の開催は未定ということだが、西武電鉄ならではの尖ったイベントを企画・開催し、PRしていきたいとのこと。今後も西武鉄道の各種イベントやツアーに注目だ。

(相川真由美)