ニュース

東京メトロと東武鉄道、日比谷線・東武スカイツリーライン直通用新型車の基本仕様を共同発表

2019年度までに導入、車両機器や車内主要設備を共通化

2015年6月17日 発表

2016年度~2019年度 導入

東京メトロ13000系(左)と東武鉄道70000系(右)。前面のデザインは異なるが、ドアや窓などの基本レイアウトは共通になっている

 東京メトロと東武鉄道は6月17日、東京メトロ日比谷線と東武スカイツリーラインの相互直通運転に用いられる新型車両の基本仕様を共同発表した。新型車両は2016年度~2019年度までに導入を進める予定。

 新型車両は、東京メトロでは「13000系」、東武鉄道では「70000系」となり、前面のデザインなどは異なるが、駆動系などの車両機器や車内の主要設備、フリースペース、優先席の位置などを統一仕様とする。編成は従来の18m級 8両から20m級の4扉車 7両で構成される。これにより、東京メトロと東武鉄道で編成によって3扉車と5扉車両が混在し、乗車位置や優先席の位置が分かりにくいといった状態を解消し、利便性と快適性を向上するとのこと。また、駆動系は従来の一般的な電動車と付随車という役割の異なる車両で編成を構成するのではなく、全車両が2軸の電動軸と付随軸で構成されており、7両すべてが電動車となる。これを従来型の4軸電動車として換算すると、3.5両分のけん引能力を有しており、「3.5M+3.5T」という構成になる。

東武鉄道70000系のインテリアイメージ。車内設備は2社で共通仕様となる

 本車両の特徴は以下の通り。

東京メトロ13000系の外観デザイン

歴代の3000系や03系の系譜を踏襲しながらも、近未来的な形状アレンジを加え、カラーリングは路線イメージを意識した配色とし、これまでのデザインを一新した車両を表現。

東武鉄道70000系の外観デザイン

現行の日比谷線直通車両20000系のコンセプトカラー「ロイヤルマルーン」をもとに、「赤」と「黒」の2つの原色に再精製することで、現代の先鋭的なカラーリングに昇華させ、日比谷線直通車両の刷新を表現。

車内デザイン(共通仕様)

・車内空間を快適にするため、58.0kWの冷房能力を持った冷房装置を導入
・座り心地を向上させるために1人あたりの座席幅30mm~10mmを広げ、クッション性を改良
・混雑時に手荷物などが着座している乗客に接触しないよう座席横の仕切りを大型化
・開放的な車内空間とするため、連結面や座席横の仕切り、荷棚に透明な強化ガラスを採用
・海外からの乗客が増加している状況を踏まえ、乗換案内や駅設備案内を多言語に対応するとともに、ニュースや天気予報等、より多くの情報を見やすく、きめ細やかに提供するため、各ドア上部に17インチワイド液晶の車内表示器を3画面搭載
・車いす・ベビーカーを利用している乗客、旅行などで手荷物が多い乗客に配慮し、全車両にフリースペースを設置
・車端部の座席をすべて優先席とし、優先席を必要とする乗客へ配慮

東武鉄道70000系のインテリアイメージ。車内設備は2社で共通仕様となる
駆動・走行系(環境負荷/騒音低減)

・永久磁石同期モーター(PMSM)の採用により、現行の東京メトロ03系や東武鉄道20050型といったVVVFインバーター制御車両と比較して約25%の駆動系消費電力量を削減
・曲線走行時のレールと車輪から発せられる騒音を低減するため、操舵台車を採用

従来車両との比較

編集部:柴田 進