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西武鉄道、電車内でDJとダンサーによるパフォーマンス「SEIBU RAILWAY PRESENTS ageHa TRAIN」

1編成がまるごとクラブになった特別列車を運行

2015年6月5日~6日 開催

西武鉄道が運行した「SEIBU RAILWAY PRESENTS ageHa TRAIN」の車両内DJブース

 西武鉄道は、2015年6月5日~6日、国内最大級のクラブイベント「ageHa(アゲハ)」とコラボレーションし、列車内でDJとダンサーによるパフォーマンスを楽しめるイベント列車「SEIBU RAILWAY PRESENTS ageHa TRAIN」(以降ageHa TRAIN)を運行した。

 このイベントは、西武鉄道池袋線が東京メトロ有楽町線・副都心線との相互直通運転を実施していて、ageHaのイベントを定期的に開催する「新木場STUDIO COAST」が東京メトロ有楽町線終点の新木場駅近くにあることから実現した。このような、列車編成全体を使い大音響でダンス音楽「EDM」のDJを楽しめるイベント列車は、日本初(2015年4月17日現在ageHa TRAIN事務局調べ)としている。

 イベント列車の新木場到着後は、親睦会となるカップリングイベント「ageコン」を開催。最後は新木場STUDIO COASTで行われる「ageHa@STUDIO COAST」が楽しめる、EDM系ダンスファンにとって内容の濃いちょっと変わったイベントとなった。

 「ageHa TRAIN」は、西武池袋線練馬駅を20時24分の出発。中央改札近くに受付ブースが設けられ、あらかじめ前売券を購入した人が列を作っていた。1日あたり480名の前売り券は両日ともに完売。なおチケットは、男性7000円で女性は3000円。受付では身分証の提示と持ち物検査、リストバンド装着があり、各自乗り込む車両番号の券が手渡された。アルコールの提供と最後に新木場STUDIO COASTで行なわれるageHa@STUDIO COASTへの入場があるため、未成年は参加できない。

 改札入場時には、ダンスパフォーマンスを行なってくれるゴーゴーダンサーチーム「CYBERJAPAN DANCERS」が登場。ハイタッチでの出迎えがあった。この時点で、参加者はかなりのハイテンションで盛り上がりつつある。新木場までの交通費はチケット料金に含まれるため、改札機を通らずに入場した。

練馬駅構内にはイベントのポスターが各所に貼られていた
受付場所への誘導案内
受付は長蛇の列。女性の比率が高い
各所に物々しいセキュリティ(誘導もかねている)がいるなかイベントが進められる
参加者に渡された車両番号の券
参加者はリストバンドを着ける
「CYBERJAPAN DANCERS」が改札でお出迎え
ホームでCYBERJAPAN DANCERSがポーズを決めてくれた

 イベントに使われたのは、6000系の6051F編成(10両)。外まわりはラッピングなどの装飾はなかった。車内広告はageHa TRAIN一色で統一されている。車内の網棚の上には、クラブ用のPA機器と照明設備が設置されていた。窓はすべて目張りされ、外に強烈なライトが漏れないようになっている。

 電車が発車すると案内が放送され、まずドリンクが配布された。その後、西武有楽町線を通過し東京メトロ 有楽町線に乗り入れる小竹向原駅を過ぎるころ、車内の通常照明が突然落とされ、DJ担当の「DAISHI DANCE」による音楽の轟音が鳴り響き始める。それとともに車内は完全な異空間に。なお、2日目のDJは「ALISA UENO」が担当した。

 流される音楽は、EDM(Electronic Dance Music)という種類の強烈なダンスビートミュージック。すべてシンセサイザーを使用して作られており、4/4拍子(4分打ちと呼ばれる単調な4連打の反復)の電子ビートに、強烈にフィルターを開閉させるうねりをもったシンセベース音など、派手目のシンセサウンドが重なる。否が応でも体が動くタイプのダンスミュージック。これにDJのDAISHI DANCEが得意の車内放送を模した、「目的地新木場への到着は4:50を予定していま~す(もちろん冗談)」などとMCが合間に入れられ、車内は大いに盛り上がる。

運用には6000系の6051F編成(10両)が使用された
CYBERJAPAN DANCERSも乗り込んだ
車両内広告はageHa TRAIN一色
窓は光が漏れないようにすべて目張りされている
網棚上のPAスピーカー
網棚上の照明装置
ドリンクの配布。多くの人がビールを選択
照明が落とされ、DJイベントが始まった!
轟音のEDMが鳴り響くと、いきなりこの盛り上がり!もう電車内とは思えない
電車内の異空間が珍しいため、自撮りで撮影しようとする人も多い
光モノを装着して楽しむ人も
通路はそれほど広くないのであっという間にもみくちゃになる
空いたスペースでは、ブレイクダンスバトルも始まる

 先頭から2番目(先頭の10号車は関係者控え室)の9号車では、DAISHI DANCEが卓で実際にDJをしていて、CYBERJAPAN DANCERSがセクシーなダンスパフォーマンスを披露しているコーナーが設けられていた。ただ、横幅は約1.5mしかないため、まさにギュウ詰め状態。多くの人がこの車両を目指そうとしてしまうため、車両間では係員が入場制限をしていた。残念ながら多くの参加者はこの場所を見ることはできなかったことと思われる。観覧できる先頭はいわば参加者が身体をぶつけ合う「モッシュピット状態」で、記者もかなり苦労してたどり着いたのだが、撮影機材が壊れなかったのが不思議なほどのもみくちゃの状況。見られなかった人のため、せっかくなので写真を多めでレポートしておく。

 ほどなくして新木場駅に近づくと終了が告げられ通常照明に戻るが、みな口々に「もう到着? 短い!」と名残惜しそうに車両を後にした。みな、予想以上に楽しんだ模様だった。

DJブースのある車両はスシ詰め状態
CYBERJAPAN DANCERSのダンスパフォーマンス
新木場駅到着。DAISHI DANCEとCYBERJAPAN DANCERSで記念撮影。お疲れ様でした
イベント車両を後にする参加者

 その後、第2部として新木場駅近くの木材会館7階に会場を移し、「ageコン」と称される懇親ダンスパーティが催された。ここでは、ドリンクと軽食が用意され、司会を努める「AIYA(アイヤ)」さんのDJで、ダンスも楽しめる。夜も更けアルコールも入り、盛り上がりも最高潮に。

第2部の会場となった木材会館7階
軽食が提供される
ビールなどのフリードリンクも飲める
司会とDJの「AIYA」さん
ダンスで盛り上がる「ageコン」会場
そろそろ「ageコン」も終了。いくつかカップルもできていたか

 最終となる第3部は、「新木場STUDIO COAST」に場所を移し、朝まで夜通しageHaのイベントが開催された。6月5日は「agePa!!」と称した、女性のためのイベント。毎月第一金曜日に行なわれ、女性は入場も無料。ガールズブースが無料で利用できる。

 クラブイベントのageHaは、新木場STUDIO COASTで頻繁に開催されている。ぜひ西武線沿線のダンスミュージックファンの方は、西武鉄道を使って楽しんでみて欲しい。新木場STUDIO COASTは、新木場駅から徒歩5分ととてもアクセスがよい。

 今回のageHa TRAINは、電車とEDMクラブイベントという、ある意味ミスマッチ感満載だったのだが、若い参加者の表情を見ると、そのギャップや異空間を存分に楽しんでいるようで好感が持てた。その楽しんでいる様子を見ると、大成功だったのではないだろうか。ぜひ今後も型にとらわれないイベント列車の企画を期待したい。

新木場STUDIO COASTへ移動
この後、ageHa@STUDIO COASTで「agePa!!」を朝まで楽しむ
「agePa!!」でのDJパフォーマンス(写真提供:STUDIO COAST)

村上俊一