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ANA、ラーメン+ご飯の新作が飛び出した機内食総選挙2017の試食会

ANAC川崎工場の見学会も実施

2017年7月29日 開催

ANAが機内食総選挙2017の試食会(東京会場)を実施

 ANA(全日本空輸)は7月29日、ANAC(ANAケータリングサービス)の川崎工場で「機内食総選挙2017」の試食会と工場見学会を開催した。

 機内食総選挙は国際線エコノミークラスで提供する機内食をTwitter/Facebookの投票によって決定するもので、2013年から開催しており今回で5回目。試食会は2016年に続き2回目となる。なお、試食会は東京のほか、8月に名古屋と大阪でも開催する。抽選で選ばれた参加者は18歳以上の男女37名で、試食会への応募総数は全体(名古屋・大阪を含む)で700名強とのこと。

試食会の会場になったのはANAケータリングサービスの川崎工場
18歳以上の男女37名が参加した

ANAC川崎工場を見学

 試食会に先だって実施された工場見学では、全員が不織布のキャップ・白衣を着用し(ともに使い捨て)、手順どおりに手洗いをすませてから内部へ入っていく。なお、今回は調理エリアに入っていないため簡易的だが、食材を扱うエリアではマスクやフットカバー、帽子など、もう1段階厳重な衛生装備の着用が義務づけられている。

 最初のエリア(3階)はインスタント食品やフリーズドライ製品、飲料などが保管されている。保税倉庫でもあり、酒税や関税のかかっていない商品がところ狭しと並んでいる。

手洗いの手順は決まっている。ハンドソープで十分にもみ洗いしたあと電解水で流して、最後にアルコール消毒を行なう
インスタントやフリーズドライなどが収納されている棚
上空で小さな子供が“赤ちゃん返り”したときに役立つグッズはジュラルミンケースにまとめられている
工場内は保税倉庫でもあり、内貨(内国貨物)と外貨(外国貨物)、未納税など札を付けて分類している
国際線の機内は外国扱いなので、例えば国産のビールであっても機内で消費するものには日本の酒税がかからない
缶の飲料は逆さまにトレイに収めて、消費期限をすぐ確認できるようにしている
床に便名が貼り付けられており、ここにカートを並べる

 その後2階へ移動。見学コースには含まれていないが、2階は調理を行なうエリアがあるため、室温が18℃以下に保たれてヒンヤリしている。

 ANACが作る機内食は、調理後すぐ5℃以下まで冷やされる。そのあとは8℃以下に設定した冷蔵庫で管理することで、60時間は品質と衛生状態が確保できるという。とはいえ、5℃以下の環境で人間が働くのは難しいので、調理後45分までは18℃以下の環境に置いてよい、という基準になっているそうだ。

 工場2階の外側では、フードローダーがリフトアップした状態で駐車できるようになっており、工場内から直接フードローダーへ機内食を積み込める。便名ごとにたくさんのハッチが並ぶ様子は、基地からスーパーロボットにヒーローが乗り込むシーンのようで、見学者は大いに盛り上がっていた。今回の工場見学のハイライトでもある。

フードローダーと接続するハッチが並ぶ(写真は1階)
10番ハッチにはNH186便(ホノルル線)のフードローダーが停まっていた。乗り込む一行
反対は飛行機側と接触する側
工場側を振り返ったところ
両側のハッチを閉めて、リフトが下がっていく
1階の10番ハッチが見えてきた
1階へ到着

 2階でフードローダーに乗り込んで1階へ移動すると、回収した食器を洗浄する広いスペースに出る。その奥は機内で提供するスナックや雑誌、紙おしぼりなどの機用品を保管したり、洗浄したカトラリーや食器をトレイに収納したりといった作業スペースがある。

戻ってきたカートが洗浄待ちで集まっている
洗浄は機械で行なっているが、人の手も多くかかっている
機内で読まれる雑誌
スナックや紙おしぼりなど
洗浄したカトラリーを包んでトレイに入れる
食器は洗い残しがないか、人間の目でチェックしている
洗浄を終えた食器は専用のエレベーターで2階へ上がる。便によって使う食器の組み合わせが異なるため、必要な食器が簡単に取り出せるようになっているという

新作の“ラーメン風ご飯”が話題! 機内食総選挙2017試食会

会場では2次投票の対象になるメニュー8品を展示

 工場見学を終えると3階へ戻り、機内食を考案・調理した4人のシェフが参加者に紹介された。和食のシェフは川村博之氏と坂東泰男氏、洋食のシェフは伊藤克敏氏と中嶋裕幸氏。

 改めて機内食総選挙2017の流れを説明すると、すでに終了した1次投票では、2013年から2016年までの人気メニュー8食が選考対象になっていた。現在は2次投票が行なわれており、1次投票を通過した和食2品、洋食2品にさらに新作を2品ずつ加えた計8食が選考対象になっている。投票は8月6日まで実施され、和食・洋食それぞれ1位に選ばれたメニューは、12月以降の国際線エコノミークラスで実際に提供される。

和食・洋食の担当シェフが登場。
参加者にはくじが配布され、1人あたり新作メニューを含む2品を食べることができた
和食のシェフ 川村博之氏がメニューを説明
同様に洋食のシェフ 伊藤克敏氏がメニューを解説した
会場の話題を集めた“ラーメン風ご飯”の「チャーシュー丼」(新作)
炭焼きしたねぎまとつくねがスモーキーな味わいの「焼き鳥丼」(新作)
川村シェフが「日本人なら誰でも好きですよね」と問いかけた「牛すきやき丼」(2016年の人気メニュー、1次投票を1位通過)
鰻の蒲焼きを刻んで、柔らかい卵で閉じた「とろとろ玉子の鰻玉丼」(2015年の人気メニュー、1次投票を2位通過)
とろとろ卵とデミグラスソースのハーモニーが鮮やかな「ビーフシチューとオムライス」(新作)
フルーツやチャツネで色も味わいも濃厚に仕上げたという「ビーフカレー」(新作)
彩りが美しい「赤ワインで煮込んだハッシュドビーフ」(2013年の人気メニュー、1次投票を1位通過)
スパイスを利かせて大人の味わいにした「洋食屋さんのカツカレー」(2014年の人気メニュー、1次投票を2位通過)
参加者は提供されたメニューを思い思いに撮影していた
試食中はシェフが会場をまわり、質問にも気さくに答えていた
試食後はアンケートに回答していた