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アマデウス、モバイルファーストの出張管理システム「cytric Travel&Expense」を日本で提供開始

日本企業での初採用は三菱ふそうトラック・バス

2017年6月6日 発表

アマデウスがモバイルファーストの出張管理システムを国内でサービス開始

 ホテルや航空券などの旅行予約システムで大手のアマデウスは6月6日、モバイル対応の出張管理システム「Amadeus cytric Travel&Expense」(cytric T&E)の日本での提供を開始し、三菱ふそうトラック・バスが同サービスを日本企業で初めて採用したことを発表。同日、都内で報道関係者向けの説明会を開催した。

 アマデウスのシステムは、航空会社が航空券の販売・顧客管理などに利用する「Amadeus Altea」が世界中で使われており、日本ではANA(全日本空輸)が国際線の予約で2011年に開発着手、2015年からAlteaで運用しており、JAL(日本航空)も2014年に採用を決定、2017年末から国内線・国際線ともにAlteaへ切り換えるなど、直接エンドユーザーの目に見える形ではないが、すでに身近に存在している。

「アマデウスは創立30年のまだ“若い”会社」と話したアマデウス アジアパシフィック プレジデント アルバート・ポゾ氏
株式会社アマデウス・ジャパン 代表取締役社長 竹村章美氏

 cytric T&Eのサービスを提供する背景としてアマデウス・ジャパン 代表取締役社長 竹村章美氏は、法人の出張における旅行予約で、オンライン旅行会社(OTA)の利用が急速に伸びていることを挙げた。JATA(日本旅行業協会)によれば5年前は29%程度だったところが、現在では46~50%くらいがオンライン予約に移行しているという。また、日本の法人出張の支出は7兆2000億円以上(2015年支出)といわれており、世界第4位の市場規模である。

 その一方で、出張予約は旅行代理店を介した手作業が中心で、旅行代理店的な機能を持たせた子会社を抱える企業もある。当然、出張後の経費精算も手作業で行なう必要があり、また、国際情勢が急変した際の従業員の所在確認など、危機管理面でも従来型の出張管理では限界がある。

アマデウス アジアパシフィック コーポレートIT代表 フレデリック・ソニエ氏

 アマデウス アジアパシフィック コーポレートIT代表 フレデリック・ソニエ氏は、cytric T&Eを導入することによる具体的な利点として、「規定外のホテルに泊まらない」などの出張規程を遵守させることが容易になることや、レシートを撮影してOCRにかける機能を使えば精算を省力化できることなどを説明。

 また、「cytric T&Eはモバイルファーストの視点で開発した」と述べ、出張の計画から予約、出張中の会社との連絡、経費精算、レポートまでがPCだけでなくモバイルでもワンストップで管理できるという。(すでに稼働している海外での)統計によれば、このプラットフォームを使うことで10%の旅費削減も可能とした。

 サービス付属の危機管理ツールとして用意されている「Amadeus Mobile Messenger」は、出張者の居場所を地図上にピンで表示したり、ピンをクリックすることで旅程を表示したり、メッセンジャーで直接話しかけたりと、さまざまな機能を持っている。渡航先で情勢が急変した場合や、災害・テロなどの情報が入った場合にも、簡単に本人の居場所・安否を確認できる。

 そのほか、cytric T&EはOutlookと機能を統合しており、カレンダーから旅行の予約を取れるようになっていることや、各種モバイルプラットフォームに対応していることなどが紹介された。なお、前者については、企業がGoogleの法人向けサービス「G Suite」(旧Google Apps for Work)を利用する例も増えつつあるが、現時点ではOutlookのみの対応という。

ワンストップでサービスが完結する
出張者の所在を地図上にピンで表示したり、メッセンジャーで連絡を取ったりできる
対応モバイルプラットフォームはWindows/Android/iOS
日本で最初にcytric Travel&Expenseを導入したのは三菱ふそうトラック・バス株式会社