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韓国・仁川に開業した北東アジア初の統合型リゾート「パラダイスシティ」の内部を紹介
711室の5つ星ホテル。外国人向けにカジノなど
2017年5月8日 18:47
- 2017年4月20日 開業
4月20日、北東アジア初の統合型リゾート「パラダイスシティ」が、韓国の仁川国際空港に隣接する仁川国際空港国際業務団地にオープンした。オープン当日の4月20日には、パラダイスグループ会長のチョン・ピルリプ氏やセガサミーホールディングス会長の里見治氏をはじめ、多くの関係者や来賓が集まり、盛大なオープニングセレモニーが開催された。
オープニングセレモニーの様子については、関連記事「『パラダイスセガサミー、北東アジア初の統合型リゾート「パラダイスシティ」を韓国・仁川に開業』」をご覧いただくとして、本稿ではオープンに先立って報道陣に公開された、パラダイスシティの中核施設「パラダイスホテル&リゾート」の客室や施設などを紹介する。
客室は全711室を用意
パラダイスホテル&リゾートは、パラダイスシティの中核をなす5つ星のリゾートホテルだ。レッド、パープル、ゴールドと3翼のタワーを備える、リゾートホテルで広く採用されている三ツ矢型様式を採用しており、各部屋からは仁川国際空港周辺の景色が望めるようになっている。
建物は、地下2階、地上10階で、客室は全711室。このうち、スイートルームは全111室となっており、さらにプールヴィラも2棟用意される。今回は、それら客室のなかから、デラックスルームとデラックススイート、そしてプレジデンシャルスイートの3種類を紹介する。
デラックスルーム
まず、ベッドルームとバスルームが用意される標準的な客室のデラックスルーム。標準的とはいっても広さは45m2と十分な広さがあり、ベッドルームはキングサイズのベッドを2台設置するとともに、テーブルやチェアも備える。バスルームは独立したシャワールームとトイレルーム、十分な深さのある大型のバスタブを用意。また、洗面台はシンクが2つ用意されている。さらに、入り口付近とベッドルームのどちらからでもアクセス可能となっており、機能性に優れる構造だ。スイートルームのようなリビングスペースはないものの、リゾートホテルの客室として十分に満足できるものとなっている。
デラックススイート
次に、スイートルームのなかでも79室と最も多く用意されている、デラックススイート。こちらは90m2とデラックスルームの2倍の広さがある。そして、大型のベッドルームとリビングルーム、バスルーム、ウォークインクローゼットが備わる。ベッドルームはデラックスルームより広く、キングサイズのベッド以外にもサイドテーブルやチェスト、ソファなどを用意。リビングルームもベッドルーム同等の広さがあり、大型のソファやチェア、大画面テレビなどを設置しており、ゆったりと過ごせるようになっている。
バスルームは、独立したシャワールームとトイレルームに加え、大型のバスタブももちろん用意。また、シンク1個の洗面台が2つ別々に用意されており、バスルームもデラックスルームに比べてかなりゆったりとした構造となっている。そして、バスルームに直結するように、ウォークインクローゼットを配置。多くの衣類を収納できるのはもちろん、クローゼット内での着替えも考慮された構造だ。
プレジデンシャルスイート
最後に、2部屋のみ用意されたスイートルーム最上位の部屋となる、プレジデンシャルスイート。こちらは、さすが最上位のスイートルームということもあり、デラックススイートの4倍以上、368m2という圧倒的な広さを誇っている。部屋には、専用のエントランスがあり、ベッドルームが2部屋と大型リビングルーム、バーカウンターのあるダイニングルームなどを用意。リビングルームには、大きなソファやグランドピアノ、バーカウンターなどが用意あり、ダイニングはもちろん、ミーティングなどにも活用できる。
また、バスルームは非常に大きく、バスルームだけでデラックスルーム以上の広さがある。大型の洗面台や大型のバスタブがあるのはもちろん、窓際にジェットバスが用意され、外を眺めながらジェットバスでリラックス、といったことも可能。ジェットバス横には大きなテーブルがあり、蘭などの生花が常に生けられている。
このほか、ウォークインクローゼットやパウダールームなども用意されるなど、さすが最上位スイートと言うべき非常にゴージャスな部屋となっている。なお、このスイートルームの室料は1泊約100万円(正規客室料金)とのことだ。
館内には多数の芸術作品を展示し、子供向け施設やゲームコーナーなども用意
パラダイスホテル&リゾートには、このほかにもさまざまな施設が用意されている。まず、ホテルに不可欠なレストランは、ビュッフェスタイルの朝食、ランチ、ディナーが楽しめる「On The Plate」、イタリアンレストランの「La Scala」、中華レストランの「Imperial Treasure」、和食レストランの「Raku」の4軒を用意。もちろん、プールやフィットネスルーム、スパ&サウナなど、リゾートホテルらしい施設もしっかり網羅している。
また、子供連れでも安心して滞在できるように、子供用の遊具などを備えるキッズルームが用意されている。さらに、エンタテイメントバーと呼ばれるスペースには、ビリヤード台やダーツマシンに加えて、ボウリングのレーンまでもが設置。加えて、PlayStation 4の最新ゲームや、PlayStation VRを利用したVRゲームを楽しめるPlayStationゾーンも設置。こういった、子供向けの施設や、カジノとは関係ない各種ゲームを楽しめる施設を用意するという点は、カジノ併設のホテルとしてはかなり珍しい特徴といえる。
一般的にカジノホテルでは、カジノの売上げが収益の柱になっているのは間違いない。それは統合型リゾート施設でも同様だが、現在の統合型リゾート施設では“脱カジノ”化が進んでおり、カジノ以外の魅力を高める取り組みが主流となっている。実際に、セガサミーホールディングス会長の里見治氏も「できるだけカジノ以外の収益を高めたい」と語っていたが、パラダイスシティでも、カジノ以外の魅力を高めるべく開発が進められており、紹介したような家族向け施設を用意しているという。
このほかにも、館内には非常に多くのアート作品が展示されている。例えば、ホテルロビーには、イギリスの芸術家であるダミアン・ハースト氏が制作したペガサス像「Golden Legend」を、またカジノエントランス前のロビー中央には、日本人芸術家の草間彌生氏が制作したかぼちゃのオブジェを展示。このほかにも、館内に数多くの芸術作品が展示されており、それら芸術作品を見て回るだけでも十分に楽しめるだろう。
今回オープンしたパラダイスシティは、ホテルとカジノ、コンベンション施設のみだが、2018年上期には、美術館やカフェ、レストランを備える複合文化・商業施設、デザイナーズホテル、クラブ、エステや韓国式サウナを備えるスパ、遊園地に近いファミリーエンタテイメント施設、韓国文化を体験できるサブカルチャーマーケットなどの施設がオープンする予定。それら施設のオープンによって、パラダイスシティが目指す姿が完成することになる。それとともに、統合型リゾート施設としての魅力も大きく高まるものと考えられる。
韓国最大級の外国人専用カジノ
パラダイスシティは統合型リゾート施設ということで、もちろんカジノも用意されている。最後にパラダイスシティのカジノも紹介しておく。
パラダイスシティのカジノは、韓国にある外国人専用カジノとして最大級の規模を誇っている。フロア面積は1万5529m2となっており、そこに158台のゲームテーブル、291台のスロットマシン、4台のエレクトロニックテーブルゲーム(全62席)が設置されている。
カジノは外国人専用のため、エントランスでパスポートの確認が行なわれる。メインフロアには、一般客のプレイゾーンに加えて、高額でのプレイが可能なハイローラーゾーンを用意。さらに、VIP客向けとして異なるフロアにVIP専用ルーム”スカイカジノ”を用意。スカイカジノでは、各部屋にスロットマシンやテーブルゲームなどが設置されており、カジノ側が認めた客のみが入場可能だ。