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メキシコの観光展示会、旅行代理店などがメキシコ旅行のプランを求めて来場

Tianguis Turistico 2017会場レポート

2017年3月27日~3月30日(現地時間) 開催

メキシコのツーリズムイベント「Tianguis Turistico 2017」会場となっているExpo Mundo Imperial。幕張メッセのホール3つ分ぐらいの広さに所狭しとブースが並んでいる

 メキシコのアカプルコ市にあるExpo Mundo Imperialで、メキシコ観光業界向けのイベントである「Tianguis Turistico 2017(ティアンギス・トゥリスティコ 2017)」が3月27日~3月30日(現地時間)の4日間に渡り開催されている。初日となる3月27日にはメキシコ合衆国大統領であるエンリケ・ペーニャ・ニエト氏を迎えてのオープニングセレモニーが行なわれたほか、3月28日からは展示会場での展示会もスタートしている。

 本レポートでは、そうしたTianguis Turistico 2017の展示会場の様子などについて紹介していきたい。

BtoBがメインのTianguis Turistico、2016年は世界80カ国から1600人のバイヤーが来場

各ブースはこのような商談スペースが多く設けられており、ホテルや旅行代理店などがバイヤーからの問い合わせや商談に応じている

 Tianguis Turistico 2017は、日本でいえばツーリズムEXPOジャパンに相当するようなメキシコを代表する旅行関連の展示会となっている。ただし、Tianguis TuristicoとツーリズムEXPOジャパンの最大の違いは、ターゲットとする参加者にある。ツーリズムEXPOジャパンが、BtoBtoCのスタイルで業界関係者と一般消費者の両方をターゲットにしている展示会であるのに対して、Tianguis Turisticoは完全なBtoB。つまり業界関係者だけをターゲットにした展示会であることだ。

 このため、主な参加者はバイヤーと呼ばれる旅行代理店の仕入れ担当者などであり、メキシコの旅行商品を販売したいメキシコ国内の旅行代理店や、メキシコ国外の旅行代理店がターゲットになっている。主催者によれば、2016年の開催時には80カ国から1600人のバイヤーが訪れており、BtoBのイベントとしてはかなり大規模なイベントになっている。

3月28日(現地時間)にはブースのオープニングを記念して、会場の中で一番大きなブースになるゲレーロ州のブースでリボンカット(日本でいえばテープカット)のセレモニーが行なわれた

会場の2/3はメキシコ各州の観光ブースが占める、日本でもおなじみの観光地も

 出展者は大きく分けて2種類に分類できる。1つはメキシコ各州の州政府が持つ観光局のブース、そしてもう1つがエアラインやホテル、旅行代理店などの企業だ。

 メキシコはメキシコ合衆国という国名からも分かるように、それぞれが独立国のような州が連邦政府によってまとめられる形で国が成り立っている。各州の政府が内政の大部分を担当し、外交などを連邦政府が受け持つ形となっており、お隣の米国と同じような仕組みだと考えれば理解しやすいだろう。各州の観光地の振興などは各州政府の担当になっており、例えば開催地のアカプルコがあるゲレーロ州、日本人になじみ深いカンクンのあるキンタナ・ロー州などの、各州政府が大きめのブースを構え、各州の観光資産をアピールしている。日本でいうなら、各都道府県の観光課や観光協会などが大きなブースを出していると思えばよい。

Tianguis Turistico 2017が行なわれているアカプルコ市があるゲレーロ州のブース
日本人には最も身近なメキシコの観光地カンクンがあるキンタナ・ロー州のブース
南バハ・カリフォルニア州のブース

 ただ、日本のツーリズムEXPOジャパンでは、地方自治体観光局のブースは小さいところも多く、企業ブースの方が大きいところが多いイメージがあるだろう。しかし、このTianguis Turisticoでは各州のブースが全体の2/3を占めており、むしろ巨大なのは各州ブースの方なのだ。

このように、先住民族の風俗のデモなど、観光資産になりそうなデモなどが各州のブースで行なわれている

日本からもアエロメヒコとANAの直行便があり、身近になりつつあるメキシコ

 残りの1/3は、航空会社、ホテルや旅行代理店などの企業ブースになっている。例えば航空会社としては、メキシコのナショナルフラッグキャリアであるアエロメヒコがブースを構えていた。アエロメヒコのブースでは、同社のボーイング 787型機で採用しているビジネスクラスシートを展示して、来場者が体験することができるコーナーが用意されていた。そこでは、VR HMDを利用してフライト時の様子を体験することも可能になっていた。

アエロメヒコのブース
アエロメヒコのビジネスクラスシート
VR HMDを利用したフライト中の仮想体験も可能

 エアロメヒコは、メキシコの首都であるメキシコシティから成田空港までの直行便を週5便飛ばしていたが、この3月2日からはデイリー運航を開始したばかり。成田からメキシコシティへはAM57便、メキシコシティから成田へはAM58便で、メキシコまで乗り継ぎなしで向かうことができる。さらに、2月からはANA(全日本空輸)も、成田~メキシコシティの路線を開設しており、NH180便(往路)、NH179便(復路)が毎日飛んでいる。直行便で向かうと、米国経由で向かう場合に比べて所要時間を4~5時間ほど短縮できるため、現地での時間を効率よく利用することが可能になる。日本の観光客もよりメキシコが身近になってきたといえるだろう。

 このほかにも、メキシコのLCCエアラインであるアエロマール(Aeromar)、HyattやRaddissonなどのホテルチェーンなどがブースを構えていた。

メキシコのLCCであるアエロマール(Aeromar)のブース
有名なホテルチェーンのブースや、ローカルの高級ホテルなどもブースを構えており、直接商談できるようになっている

 ただ、すでに説明したとおり、Tianguis Turistico 2017はBtoBのイベントなので、主役はあくまで旅行代理店関係者などによる商談。従って、各州のブースのなかに、その州にある有名な観光地やホテルなどの担当者が小さなブースを構えており、そこに直接行って特徴の説明を受けたり、商談をしたりできる。

 実際に商談を行なっている人を観察していると、英語での商談も多く、国外からの旅行業界関係者も多いと実感できる。