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京成電鉄、「さよなら3500形未更新車記念ツアー」を開催

宗吾車両基地で保存車両の記念撮影会や参加者限定の物品販売会も実施

2017年2月26日~27日 開催

2月25日と26日の2日間限定で「さよなら3500形未更新車記念ツアー」を開催した

 京成グループの京成トラベルサービスは、京成電鉄と協力して2月25日と26日の2日間限定で、「さよなら3500形未更新車記念ツアー」を開催した。

引退前のラストランとして、車両前後面に当日のみのヘッドマークを掲出し、その日限りのダイヤで京成線内を走行。京成上野駅を出発し、経路は「当日までのお楽しみ」とされてはいたが、最後は宗吾車両基地に到着し、3500形未更新車はもちろん基地内の保存車両の記念撮影会や、参加者限定の物品販売会が実施された。その模様をレポートする。

京成上野駅1番ホームに入線、乗客185名を乗せてツアーに出発する3500形未更新車

1972年に導入された京成電鉄初のステンレス製車両のラストラン

 1972年12月に、京成電鉄初のステンレス製であり、また通勤型車両として初めて冷房装置が設置された3500形が導入。1995年から快適性向上や機能向上を目的に、当時在籍した96両中、56両の更新修繕工事が行なわれたが、40両あった未更新車の最後の4両が今回のツアーをもって引退となった。

 3500形未更新車が、その日限りのダイヤで京成線内を走行したあとに、宗吾車両基地に向かうものだったが、出発地となる京成上野駅には参加者はもちろん、多くの鉄道ファンが集まっていた。

多くの鉄道ファンが集まった、京成上野駅1番ホーム
当日限定のヘッドマークには「感謝」と……
「卒業」の文字が掲げられていた

宗吾車両基地では懐かしい車両と触れ合えるイベント

 3500形の車両は、京成電鉄のスタンダードな位置付けで親しまれていたが、40両あった未更新車の最後の4両が、このイベントで引退となった。

 本ツアーでは、引退前のラストランとして車両前後面に当日のみのヘッドマークを掲出し、車内では限定記念品の配布や、3500形にちなんだクイズイベントも用意し、特別ゲストとして鉄道ファンに人気のアナウンサー久野知美さん(ホリプロアナウンス室所属フリーアナウンサー)が同行し、ツアーを盛り上げた。

宗吾車両基地に着いて降車したツアー参加者は、3500形未更新車を名残惜しそうに撮影。行き先の掲示を切り替えるたびにシャッター音が響き、参加者同士の会話が聞こえ、3500形未更新車の引退を寂しく感じているのが伺い知れた。

イベントでは、ヘッドマークや行先掲示なども何十ものパターンを切り替えてくれたので、参加者は離れることもできずにシャッターを押し続けていた
物品販売会に出されていた駅名プレート
駅名プレート購入者に、なぜこの駅のプレートかと聞いたところ「実家の最寄り駅で馴染みがあるから」と答えてくれた
物品販売会に出されていた品々

 宗吾車両基地には初代「スカイライナー」などの懐かしい車両たちも展示されており、ツアー参加者たちもうれしそうに座席に座ったり写真を撮ったりしていた。京葉地区の生活に密着していた京成電鉄の車両だからこそ、強い関心を持つ方が多いのだろうなと感じた一日だった。

京葉地区の住民に馴染み深い3000形「赤電」。1980年より前のカラー
赤電のこの色が電車だと思っている子供たちも昭和の時代にはいたほど
旧社名ロゴ
赤電に対しての“青電”、モハ200形車両
モハ200形車両は、昔懐かしい扇風機が天井に設置されている
初代スカイライナーの「AE」。こちらはデビュー当時のカラーではないが、懐かしさを感じさせる
「AE」の後継となった「AE100」
ツアーの到着地となった宗吾車両基地。参加者に渡されたのは、乗車証明書、記念の盾、缶バッジ
「女子鉄」アナウンサーとして鉄道チャンネルをはじめ鉄道ファン向け番組に出演している久野知美さん。京成電鉄のコスチュームでの同行の感想を求めると「すごくうれしいです。だってホンモノの制服ですよ?」と、かなりのハイテンションだった