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JAL、復興応援として北海道新得産「年越しそば」を成田空港で無償提供
帯広支店長も参加。海外へ旅立つ人に日本の季節感をアピール
2016年12月31日 12:11
JAL(日本航空)は12月31日9時から、成田国際空港第2ターミナルPカウンター付近で「年越しそば」の無償提供を開始した。この年越しそばの無料提供は毎年行なっているもので、これまではとくにブランドを明かさず提供していたが、2016年は地域経済活性化を応援する「新・JAPAN PROJECT」の一環として北海道新得町産のそばを提供した。
新得町は2016年に台風被害に遭ったことで、9月に開催するはずだった「第15回しんとく新そば祭り併催第22回日本そば博覧会in十勝新得町」が見送られており、改めて新得のそばをアピールする機会にもなっている。
新得そばの無償提供には、JALのグランドスタッフのほか、日本航空 代表取締役副社長 藤田直志氏、成田空港支店長 石橋正二郎氏、旅客販売統括本部 本店 エリア販売推進室 室長 小桧山大介氏らに加え、新得町のある帯広支店 支店長 紀野典彦氏も参加。JALカウンターでチェックインを終え、これから海外へと飛び立つ旅行客や、JALカウンター近くを通りがかった人たちに新得そばを提供していた。
そばを食べ終えた訪日外国人旅行客と親しく話していた藤田副社長に話を聞いたところ、「フランスから来たお客さまで、仏像などを見て、これからフランスへ帰るところとのこと。以前の年末は日本人旅行客が中心だったが、近年は外国人旅行客も増え、JALも利用していただいている。ずいぶん、成田の風景が変わってきたなと思う」とのこと。その昔は、成田の地酒である成田銘醸「長命泉」など成田にこだわった提供も行なってきたが、訪日外国人が増えてきたことなどからより日本の季節感を発信しやすい年越しそばになったという。これまでは、ブランドにこだわらず年越しそばを提供してきたが、「新・JAPAN PROJECT」の取り組みもあり、また、復興応援の意味合いもあり新得町のそばにしたという。
復興や台風被害について紀野帯広支店長に確認したところ、「水害が発生して新得は被害に遭ったが現在は復旧している(12月22日にJR北海道の石勝線は運行再開)。そば博覧会は開催できなかったが、こうやって新得そばを多くの人にアピール機会を得て町の人も喜んでくれている」とのこと。北海道では冬のシーズンに訪日外国人旅行客が増えているが、新得町もサホロリゾートなどもあり外国からの旅行客が増加しているとのこと。また、美味しい牛乳の産地なのでチーズなどが有名で、JALの国際線機内食で提供することもあるとのことだ。
新得そばには、JALからの「新・JAPAN PROJECT」を紹介するレターが添えられ、その最後は「北海道は、今夏の台風により大きな被害を受けましたが、今では道内ほとんどの観光地・観光施設は復旧しており、いつもと変わらずに観光される皆さまをお迎えしております。」と結ばれていた。
ちなみに記者も年越しそばを一杯いただいたが、非常に鮮烈さを感じるそばで、さっぱりすっきりとした味。そこに松茸もそえられており、年末に日本を出国する人にとって、大きな思い出になるのではと感じた。