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セントレアで2016年の空の日イベント。消防所、飛行検査センター、管制塔、気象台を巡ったBコース

小学生向けに空港施設見学

2016年9月10日 開催

特別見学ツアー Bコースに参加した11組22名

 セントレア(中部国際空港)では9月10日、「2016 空の日 エアポートフェスタ in セントレア」が開催された。同イベントは空の日(9月20日)にちなんで行なわれたもので、ターミナルビル4階のイベントプラザなどでセレモニーやブース展示が行なわれたほか、小学生(4年生~6年生)とその保護者を対象とした特別見学ツアーが実施された。

 この特別見学ツアーは国土交通省 大阪航空局 中部空港事務所により実施されるもので、セントレア開港以来ずっと続いている目玉ともいえるコンテンツ。関係者以外では年に1回、このイベントでしか立ち入ることのできない空港関連施設の見学ができるのがポイントだ。

 見学施設は年度ごとに多少変更があるといい、今年は「Aコース:機内食工場見学コース」「Bコース:空港施設見学コース」「Cコース:管制塔を学ぼうコース」の3コースが用意された。8月に入ってからセントレアのWebサイトで募集を開始したところ、各コース12組24名の定員に対して3倍ほどの申し込みがあったという。

 Bコースは消防所(どころ)、飛行検査センター、管制塔および気象台を午後いっぱい掛けて回り、制限エリアにも立ち入ることができるレア感満点のコースだ。そのため、警備員による荷物チェックや探知機を使った身体検査といった保安検査を受けることになるが、子供たちにとってはそれも新鮮に映ったようだった。その後、参加した11組22名はマイクロバスに乗って各施設へ移動する。

 最初に訪れたのはエプロンのすぐ横に位置する中部国際空港 空港消防所。1万2500Lの水容量に消化薬剤や粉末薬剤を搭載した大型化学消防車をはじめ、照明電源車や救急医療搬送車などを保有、万一の災害時に人命や財産を守るための施設だ。

 大型化学消防車の放水実演で歓迎を受けたあと、防火衣着用体験、放水体験、消防車見学と3班に分かれて見学をスタート。普通の消防署でもなかなかできない体験を、空港消防所という特殊な施設でできるとあって、それぞれに楽しんだ様子。35分の見学時間を満喫していた。

中部国際空港 空港消防所
所員と対面して挨拶から
壁には防火衣がずらり
空港ならではの大型化学消防車
放水を見学
中部のノズルから放水
上部のノズルからも放水
ホースを使った消火体験には炎に見立てた所員が登場
防火衣着用体験
オレンジ色は普通防火衣
シルバーのタイプは特殊防火衣。耐熱温度は300~500℃程度だという
所員に手伝ってもらって着用
もう誰だか分からない完全防備
消防車の前でポーズ
大型化学消防車の見学では運転台に乗車
装備についての説明も
スタンプも大人気
記念撮影タイム
エプロンのすぐ横。間近を飛行機が通過していく

 続いては空港島の北端にある国土交通省航空局(JCAB)の飛行検査センターへ。同センターは航空機の安全飛行をサポートする各種無線施設などの検査を行なう機関で、通信施設や滑走路の灯火類を実際に飛行してチェックする「飛行検査」、空港への着陸や空港からの出発を検証する「飛行検証」、新しい空港や無線施設の設置位置などを評価する「飛行調査」を行なっている。

 飛行検査センターの格納庫前では、2015年に導入されたばかりの新鋭機セスナ 525C型機(JA010G)と、民間旅客機にも採用されているボンバルディア DHC8-Q300型機(JA007G)を展示。特にボンバルディア機は検査用機器が並ぶ機内を見学できるだけでなく操縦席に座ることも可能となっていたほか、検査員やパイロットから直接話を聞くことができるなど、まさに至れり尽くせりといった内容。見学時間も40分とタップリと確保されており、子供たちは間近で体験する飛行機そのものを楽しんでいた。

空港内はバスで移動
JCABの格納庫へ
ボンバルディア DHC8-Q300型機
セスナ 525C型機
計測用の機器が並ぶ機内
前部は旅客機のような作り
コクピットにも
ボンバルディア DHC8-Q300型機のコクピット
セスナ525C型機も人気
モデルプレーン
今はほとんど出番がないという測量機材も人気だった

 最後に訪れたのは中部空港事務所内にある管制塔および気象台。Cコースでも訪れた管制塔の見学ルームから空港を一望したあと、事務所内にある気象台へ。

 気象台ではまず、さまざまな観測機器を使って30分おきに「定時観測」を行なうほか、一定の基準を超えた悪天候時に行なう「特別観測」、関係機関から照会を受けた際に行なう「照会特別観測」、事故が起きた際に行なう「事故特別観測」、それに「常時観測」といった業務内容を紹介。航空機は「風」による影響を大きく受けることになるため、ドップラーレーダーを配置して特に詳しく観測しているとの説明を受けた。また、通常の観測は機械を使って自動的に行なっているものの、職員自らが屋上に出て雲の量や視程を観測しているといった話もあり、子供たちは興味深げに聞いていた。

管制塔
見学ルームから空港を一望
気象台で説明を受ける
空港気象観測で使用する機器
空港内にはさまざまな観測機器が配置されている
気象台前のテラス
滑走路北端にあるドップラーレーダーのドームが見える
ドップラーレーダーによる気象観測
観測室から見える景色のパネル。目立つポイントまでの距離が書かれており視程観測時の目安としている

 16時過ぎに一連の見学を終えターミナルに。若干長丁場かとも思われたが、笑顔で現場をあとにしていた。航空関連に興味を持つ子供たちには貴重な体験だったに違いない。この空の日特別見学ツアーは毎年実施されており、例年7月末~8月ぐらいの時期に募集を行なっている。ぜひ参加してみたいという場合は、セントレアのWebサイトをチェックしてほしい。