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中部国際空港(セントレア)、東海沖地震を想定した貯油タンクエリアの防災訓練を実施
(2015/11/18 08:51)
- 2015年11月17日 実施
中部国際空港給油施設は11月17日、中部国際空港(セントレア)で「航空機給油施設貯油タンクエリア総合防災訓練」を実施した。これは2006年の開港以来、毎年実施しているもので、大地震発生に伴う施設損傷、漏油、火災、けが人等の発生を想定した訓練となる。参加者は中部国際空港給油施設の自衛消防組織および常滑市消防本部、航空保安協会(空港消防署)など40名余り。
今回の訓練想定は、東海沖を震源とする震度6の地震により燃料の漏油および負傷者が発生、その後タンクから出火したというもの。
訓練は13時30分に緊急地震速報が流れるところからスタート。30秒後に地震が発生、13時31分には管制課より地震の規模が300ガル、震度6であったことが伝えられる。同施設の管理棟には地震計が設置されており80ガル、震度5相当になると給油機の払出ポンプが自動的に停止、航空機への給油ができなくなるため、施設点検や情報収集を目的として災害対策室が設置され、状況に対処していくことになる。
情報収集、施設点検、通報連絡、応急救護、初期消火、合同消火を経て訓練は無事に終了。当初、訓練は1時間の予定が組まれていたが、参加者の迅速な行動により30分余りで一連の処置を完了。日ごろの訓練の成果であるとともに、関係機関の連携がムダなく正確に行なわれた結果と言える。
訓練終了後に講評を求められた常滑市消防本部消防次長の渡辺啓介氏は「日頃の訓練の成果が十分発揮され、迅速・的確に訓練は行なわれたと思います。皆さんご承知のとおり、危険物施設の災害というのは人的被害を伴う大規模災害に発展する可能性が非常に高く、迅速な対応が求められます。今後も各機関との情報の共有、連携の強化を図るため、訓練を継続して行なっていただき、有事の際には迅速に対応できるよう、よろしくお願いいたします。」と述べた。
続いて中部国際空港 代表取締役副社長 兼 中部国際空港給油施設 代表取締役社長の各務正人氏が登壇。「この給油施設は空港のなかでも1つだけ離れた場所にありまして、限られた人数で運営されている特殊性がございます。そういったなかでの災害対策ということで、いろいろな工夫と常日頃の訓練が大事だろうと思います。本日は空港給油のほかに常滑消防、常滑警察署、空港保安協会と各機関の皆様にもご参加いただきまして、きちんと立派な訓練ができたものと大変うれしく思っております。来年(2016年)の5月にはサミットも、この近く、伊勢志摩で開催されます。常日頃からこういった空港の施設をしっかりと守り、またいざというときには的確に対応できる、そのための準備を常々怠りなく進めておくということがいかに大事か、本日の訓練を通じまして、改めて感じさせられたところであります」と述べ、訓練を締めくくった。