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セントレア、ボーイング創業100周年を祝うイベントを開催

体験型企画展「ABOVE AND BEYOND」開幕

2016年7月15日 開催

セントレアで開幕したボーイング100周年の体験型企画展「ABOVE AND BEYOND」

 セントレア(中部国際空港)とボーイングは7月15日、セントレア 4階のイベントプラザにおいて、航空機メーカーであるボーイングの創業100周年を祝うイベントを開催した。同日、ボーイング100周年記念事業である体験型企画展「ABOVE AND BEYOND(アバブ アンド ビヨンド)」が開幕した。

 民間旅客メーカーとしては、大型機ボーイング 747や新世代機ボーイング 787などで知られるボーイング。そのボーイングがとくに結びつきが強い空港として位置づけているのがセントレアになる。このセントレアからは日本のメーカーが製造するボーイング 787の部品が、ボーイングのある米国シアトルまで出荷されており、日本製の部品比率は35%になるという。2015年6月には、「787ドリームライナー飛行試験機(ZA001号機)」がボーイングからセントレアに寄贈され、セントレアではこのZA001号機を核にした商業施設のオープンを予定している。

 ボーイングの創業100周年を祝うイベントでは、ボーイング ジャパン 社長 ブレット・ゲリー氏が登壇。ボーイング創業100周年に関するスピーチを行なった。

ボーイング ジャパン 社長 ブレット・ゲリー氏

「1916年7月15日、100年前のちょうど本日、ビル・ボーイングという1人の男が会社を立ち上げました。これは米国の中でもほぼ未開拓の北西部にあった小さな街の小さな会社でした。飛行機も小さく、郵便配達用の水上機でした。ですが、ビル・ボーイングと創設スタッフのビジョンは決して小さくはなかったのです。彼らは航空産業に秘められた大きな可能性に気づき、航空産業の未来を築こうとしたのです」。

「以来、1世紀にわたる航空産業は、人類の歴史における最も革命的な技術革新でした。何百万人もの人々が、ビル・ボーイングの時代には思いもしなかった長い距離を移動できるようになりました。地球上を歩いていた人類が月を歩くようになった世紀でした。そして、ビル・ボーイングのシアトルの小さな工場がグローバルの航空産業へと変貌した世紀でもありました」。

「今日、私たちはここでこの航空産業の世紀を祝い、ここに集ってくださった多くの皆さま、この素晴らしい変革を可能にした多くの皆さまに感謝をしたいと思います。間もなく映像でボーイングの歴史を振り返りますが、日本のお客さまやパートナーの皆さまがその歴史の中で果たされた役割について述べたいと思います」。

「ボーイングと日本の航空産業のパートナーシップは65年におよび、ジェット時代の幕開けに先駆けています。ボーイングが(日本で)最初の事務所を開設したのは1952年。ボーイング社長のアレンが最初のジェット旅客機『ボーイング 707』を開発中の時代でした。以後60年間、ボーイングと日本の航空産業はともに成長し歴史を刻みました。今日、すべてのボーイングの民間機は、日本とともに作られています。サプライヤーパートナーの皆さまは、787ドリームライナーや(現在開発中の)777Xのような最新のジェットライナーの設計・製造において主要な役割を果たされております」。

「日本でのパートナーシップがあったからこそ、現在のボーイングがあります。私たちはよりよい航空機を設計・製造することができるのです。そして、ボーイングの今があるのは、私たちのお客さまのお客さまである、日本の旅行客があってこそです。ボーイングの航空機を愛し、信頼してくださってありがとうございます。なかでもボーイング 747に“ジャンボジェット”という愛称をつけていただいたのは日本の皆さまでした。このニックネームは20世紀の象徴的な飛行機として世界中に知られるようになりました。ボーイング社を代表し、このパートナーシップに感謝し、この成功に寄与してくださった皆さまに改めて感謝します」。

 スピーチ後、ボーイングの歴史を紹介する映像を上映。ボーイングの歴史が航空産業の歴史と深く関わっていることが示され、宇宙産業へも大きく貢献していることが分かるようなものとなっていた。

 その映像を受けて、中部国際空港 代表取締役社長 友添雅直氏が挨拶。友添社長は、ボーイングの果たしてきた役割、中部地区との結びつきなどについてふれ、時差の関係から日本のボーイング100周年記念イベントが世界で最も早く行なわれる100周年記念イベントであると紹介した。

ボーイングの歴史を紹介する映像が流れた
中部国際空港株式会社 代表取締役社長 友添雅直氏

 その後、両社長にANA(全日本空輸)、JAL(日本航空)、スバル(富士重工業)、カワサキ(川崎重工業)、三菱重工業、東レの代表者が加わり鏡開きを実施。両社長が2人で升のタワーに祝いの日本酒を注いだ。

関係者による鏡開き
升タワーへ祝い酒を注ぐ両社長
イベント後、ボーイング ジャパンスタッフは記念撮影を実施

体験型企画展「ABOVE AND BEYOND」

体験型企画展「ABOVE AND BEYOND」ではさまざまな航空・宇宙に関する体験ができる

 100周年記念イベントは4階のイベントプラザで開催されたが、ボーイング100周年と連動する形で、セントレアホールにおいて体験型企画展「ABOVE AND BEYOND」が始まった。

 このABOVE AND BEYONDは、2015年8月より世界の各都市で開催されているもので、日本を含むアジアでの開催は初めてとなる。飛行機が飛ぶ仕組みや、航空宇宙産業のトピックなどを知ることができ、楽しく遊びながら学べるものとなっている。大規模なアトラクションではないが、空港において時間があるときなど、立ち寄ってみるのはありだろう。

 前売券は、大人1000円、高大生800円、小中生400円。当日券は、大人1200円、高大生900円、小中生500円となる。前売券はローソンチケット、チケットぴあ、イープラスで扱っており、容易に購入することができるだろう。

セントレアホールは、セントレア 国内線カウンターの奥にある
セントレアホール接続エリアにある当日券の券売機
オープン前の状態。ボーイングスタッフ、セントレアスタッフがお出迎え
セントレアのオリジナルキャラクター「なぞの旅人フー」が積極的に握手?
ボディ構造展示
ロボプレーンについて
飛行機が飛ぶ原理を学ぶことができる
ボーインググッズも売っている
未来の旅客機