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手つかずの楽園、パラオ。最大の島バベルダオブで海と空に圧倒される

パラオ共和国を旅してきました

 パラオ共和国は神戸の真南3000kmに位置し、南北640kmにわたり500以上の島々が連なります。

 ロックアイランドをはじめ数々の景勝地に恵まれるパラオは「Pristine Paradise=手つかずの楽園」とも呼ばれ、どこまでも澄んだ海、島々が織りなす独特の緑、紀元前3100年から人類が暮らしていた歴史遺産、さまざまな魅力で私たちを楽しませてくれます。

「バイ」の建築は二等辺三角形が特徴。茅葺き、高床など、南国に適した工夫が見られます

 最初に訪れたのはパラオ最大の島「バベルダオブ島」、その南部アイライ州にある歴史的建造物「アイライ・バイ」(Airai Bai)。パラオ空港やホテルなどでもデザインされている特徴的な三角屋根はパラオの伝統的な建築様式で「バイ」と呼ばれ、なかでもアイライ・バイは伝統的な男性専用集会所で、現代の国会議事堂にあたる役割を果たしていました。

 バイに描かれた模様はそれぞれ意味があり、アイライ・バイの場合はまつりごとのバイなので人々の暮らし、豊作、繁栄などが願われているそうです。入り口には顔が描かれていますが、正面の顔は「酋長」、正面から出入りできるのも酋長のみといったルールもあったそうです。現在も長老会などで使われているというバイ、以前はどんな会議が行なわれていたのでしょうね。

 アイライ・バイの見学ツアーは、民間ツアー会社のほかパラオ政府観光局のツアーもあります。毎週木曜と土曜にはパラオ伝統料理ランチ付きツアーもありますよ。

真鯛? 鮫? 政治を司っていたアイライ・バイには人々の繁栄を願うストーリーが綴られています
パラオを歩くと野生のニワトリをよく見かけます
柱に書かれた顔にも大切な意味が。出入り口や座る場所も役割によって決まります
アイライ・バイは神聖な場所。見学する際は敬意をもって(内部は立ち入り禁止)
ランチ付きツアーに参加
タロイモフルコース
新鮮なお造りにパラワンレモンを添えて
マングローブカニ
タロイモはさまざまな味と形に変化します
空心菜の炒め物

昭和11年から海を見守る灯台跡

 バベルダオブ島はボーキサイトの産地として開発が進み、1990年代に島を1周する「コンパクトロード」と呼ばれる道路が作られました。気持ちのよい一本道を最北端に向け走ると「TODAI」と書かれた看板が見えてきます。

 TODAIの意味はもちろん灯台。1936年に旧帝国海軍が建設した灯台跡地を見学できます。公園として整備された階段を進むと、大戦当時の跡がいまも生々しく残ります。

 美しい海を見渡せるフォトスポットであり、歴史が刻まれた祈りの地でもあり。時の流れのままに、保存せず、破壊もせず、パラオでは「そのまま」の姿で戦跡を遺しています。すでに立ち入り禁止になっている旧事務所など崩れ始めている建物もありました。

灯台跡の壁には無数の弾痕が
山頂には灯台の部品が残り「昭和十一年 海軍測量」の標識も
見晴台は数年前にリニューアルされました
入り口の看板には「TODAI」の文字
穏やかな海が広がります
クルマを停めて散策も
丘の上にある見晴台、75年前まではここに灯台がそびえていました

日の出とともに「モーニングカヤック」を体験

 500以上の島々が連なるパラオは、カヤックを楽しむにも最適なロケーションです。今回宿泊した「パラオプランテーションリゾート」はホテル敷地内にカヤック桟橋があり、日の出とともに出発する「モーニングカヤック」というアクティビティを楽しみました。

 準備を整えホテルのロビーから歩いて1分の桟橋へ向かいます。ガイドのアレンさんから安全指導を受け乗船、今回は撮影のため3名乗れるモーター付きカヤックをチョイスしました。

 ゆっくりと湾内に進み、島々を眺め、マングローブの森を抜け、浮き桟橋で朝食をいただくルートを楽しみます。体力と時間があれば沈没した船艦や飛行機、コウモリが住む洞窟、そして「ひみつの洞窟」などに足を伸ばすこともできますよ。予約の際にホテルスタッフと相談するのがオススメです。

 今回は特別な許可を得てドローン空撮も行ないました。現地で感じた気持ちよさと空気感を、ぜひ映像でもご覧ください。

モーニングカヤック
ホテルから爽やかな朝空を眺めるだけでも幸せな気分に
ガイド歴15年、ベテランのアレンさん
通常は1人乗りまたは2人乗りのカヤックに乗ります
今回乗せてもらったモーター付きカヤック
浮き桟橋でアレンさんが朝食を用意してくれました
鏡のような水面を静かに進みます
マングローブの森、よく見るとカニがいるかも
空からコースを見てみました

ガラスマオの滝へトレッキング

 中心部のコロールからクルマで1時間、バベルダオブ島を訪れたらぜひ立ち寄りたいのが「ガラスマオの滝」です。クルマを停めて入り口から階段を下ると、見渡す限りの森のなかに小さく滝が見えました。以前はジップラインで下ることもできたそうですが、現在は片道40分ほどのトレッキングコースを歩いて向かいます。

階段が整備されているので見た目より歩きやすい
線路の上を歩くと映画のワンシーンのよう
日によってはちょっとだけ川に入る必要があるので濡れてもよい靴で
吊り橋は必ず「1人ずつ」

 高山植物を眺めながら山道を歩き、ボーキサイトの運搬で使われていた廃線トロッコのレールを進み、ちょっとした渓流を渡り、吊り橋を超え、景色を楽しんでいるといつのまにか滝に到着です。幅30×高さ30mの大瀑布に圧倒されます。

 これだけの大きさかつ相当な水量がありますが、滝壺や、滝の裏側に入ることも可能です。滝に打たれる修行!?もできますが、すべて自己責任なのでムリせずケガには十分注意しましょう。

ガラスマオの滝
ガラスマオの滝を上空から

大自然に包まれるホテル「パラオプランテーションリゾート」

 今回の旅でお世話になったホテルは「パラオプランテーションリゾート」です。3年かけて原生林を開発したというホテル敷地はヤシの木とタロイモ畑が広がるジャングルに囲まれ、自然の素材をふんだんに活用した建物はまさに「大自然に包まれている」ようにリラックスできます。にもかかわらず立地はコロール中心部にあり、ホテル前の桟橋からロックアイランドに出航することもできます。

 ルームタイプは定員2名(30m 2 )で海を見渡せる「プレミアムキャビン」から、定員7名(170m 2 )でガーデンビューの「スペシャルヴィラ」まで5タイプ。

 屋外プール、ジャグジー&サウナ、マングローブスパ(エステ/マッサージ)といっ施設のほか、メインレストラン「フォレストガーデン」、プールサイドでシーフードが楽しめる「ザ・テラス」、鉄板焼き「義経」、焼酎の品揃えが自慢の居酒屋「ジャングルバー」とレストランも充実。ディナーを利用する地元の方もとても多いそうです。

 ホテルフロント隣にあるギフトショップにはパラオ名産品、洋服、ちょっとした薬なども用意されていました。

パラオプランテーションリゾートのエントランスは「バイ」のデザイン
フロントデスクにはOkawaさんはじめ日本語のできるスタッフが常駐しています
ロビー通路に飾られた大きなシャコ貝は非売品
板張りの床、竹を編んだ壁、外には自然のヤシ
グランドコテージ 定員2名 70m2
広々としたグランドコテージのリビング
室内にもパラオらしい様式が多数取り入れられています
スイートヴィラにはキッチンと洗濯機が用意され、長期滞在に便利
ジャグジーもパラオらしいデザインで統一されています

レストランとスパで癒やしの時間

 朝食はメインレストラン「フォレストガーデン」でいただきます。アメリカン・和定食・アジアン雑炊などを選ぶことができ、ドリンクも充実。プール越しに見える景色と鳥のさえずりを聞きながら、ゆったりとした朝を楽しめます。

(天気がよければ)南十字星を眺めながらのディナーは、パラオコースのほか各種単品メニューがあり、タピオカケーキなどスイーツも人気です。

 そして、リゾートホテルと言えばスパ。ホテル敷地内にある「マングローブスパ」では、フェイシャルコースなど手軽に体験できるものから本格的なオイルマッサージまで、さまざまなプランを用意。エステと食事のセットプランや、ほかのホテル宿泊者向けの送迎付きプランもあります。

「ちょっと疲れた……」というときにオススメなのは30分で体験できる「ノニフットスパ」マッサージ。パラオ産のノニをたっぷり使ったノニ湯は、新陳代謝効果がとても高いそうですよ。

フォレストガーデンの朝食
大きなオムレツはふわっふわ。パンなどはおかわり自由です
こちらはディナーで注文したタロイモスイート盛り合わせ。もちもち食感がクセになります
シャコ貝に盛られた「クラムカレー」も人気メニュー。ホワイトソースはピリ辛でビールとよく合います
ココナッツオイルとアロマオイルをブレンドしたハンドマッサージ。思いっきり遊んだあとは、ゆったりリラックスしましょう
パラオプランテーションリゾート