ハワイ現地発

【ハワイ現地発】ハワイの食通がうなる隠れ家ダイニングで一品6ドルからのハピエストアワー

 少し前に、ハワイのグルメライターやインフルエンサーたちに「最近オープンしたレストランでどこがオススメか」を聞く機会があった。ここで8割が挙げたのが今回紹介する「アーデン・ワイキキ」だった。

ダイヤモンドヘッドのふもとにあるホテル「ロータス ホノルル アット ダイヤモンドヘッド」

 場所は、著名人らがこっそりと訪れる「ゴールドコースト」と呼ばれるエリアのホテル内にある。ダイヤモンドヘッドのふもとで、限りなく海の近くにあって(今の規制ではこの場所に建築物は建てられない)、ワイキキが近いのにここだけは別世界が広がっている。

ホテルの2階へは階段かエレベーターで行くことができる

 ロータス ホノルル アット ダイヤモンドヘッドというこじんまりしたホテルに入ったら、2階にあがろう。

品があり、ほどよくカジュアルな店内からはダイヤモンドヘッドが望める

 昨年、カナダ出身のオノ・マコト・シェフがオープンしたこのダイニングは、シンプルなコンテンポラリー・ハワイ・キュジーヌを提供する。ハワイ各島からの素材を選び、その自然の味を極限まで引き出すローストの加減、食感と味わいのバランス、そしてプレゼンテーションまで、天才的な気配りを施した料理がメニューに並ぶ。

オープンキッチンが溶け込んだ店の内観
バーカウンターの向かいにソファ席や個室もある

 開放感のあるオープンキッチンで結構広いが、重厚感とカジュアルさのバランスがよくて居心地がいい。とはいえ、それなりのお値段はするだろう?と思うはず。確かにそれなりなのだが、今年からハッピーアワーならぬ「ハピエストアワー」が始まった。

16~20ドルのハウスカクテルがハピエストアワーなら半額になる

 どれだけ幸せ絶好調の「ハピエスト」なのかというと、ハウスカクテル、グラスワイン、ビールが50%オフ。これで普段は手が出にくいカクテルも10ドル以下になる。

表面カリッ、なかはほくほくのフレンチフライのスパイシーマヨソース添え
大きなシシトウガラシが主役になった一品。野菜の美味しさを楽しめる

 そして、シェフお手製のププ(つまみ)は6ドルから。品数は少ないが、例えばフレンチフライのスパイシーマヨソース添え(6ドル)は、「あ、フライドポテトね」と侮ることなかれ。太めにカットしたじゃがいもを絶妙に揚げた一品。焼きシシトウ(10ドル)もマコトシェフの腕にかかると、ギリシャヨーグルトのアイオリソースとゴマをあえて、ふわっとニンニクが香る一品となる。

スモークドアヒ(マグロポケ)はチップスにのせるのがハワイの食べ方
ハウスカクテルとこの3品をつまむだけで十分笑みがあふれるはず

 ハワイを代表するローカル料理ポケは、スモークドアヒ(15ドル)というメニューとなっていた。オゴ(ハワイの海藻)を混ぜて、アボカドピューレをちょこんとのせて、ネギをちらし、サツマイモチップスで食べる。ほんのり甘いチップスとポケがいい感じで合うので止まらなかった。

この味に胃袋をつかまれた……。トマトブッラータリヒンムイ

 ここまでの3品とカクテルで満足感を得られるが、この店を訪れるなら一度は食べてほしいのが、トマトとブッラータのサラダ。29ドルではあるけれど数人で分けられる。甘いトマトにフレッシュなブッラータがトロンとのっていて、スライスした玉ねぎとミントがアクセントに。キモとなっているのがハワイならではの「リヒンムイ」。乾燥梅を甘塩っぱく味付けしたパウダーで、ハワイの人は子供から大人までこの味付けが大好き。これがトマトにあまりにもマッチしていて、このメニューにハマる人が続出している。

「食べなきゃ損する」とまで言う人もいたベイクドハワイ

 最後にオーダー必須は、シェフのパートナーでパティシエのアマンダさんが作るデザート。アイスクリームをケーキ生地で包んでメレンゲで覆うデザート「ベイクドアラスカ」をイメージして「ベイクドハワイ」を作ったという。焼き色をつけたメレンゲのなかにはマンゴーとココナツシャーベットが閉じ込められていた。食べるのがもったいなくてしばらく見つめてからナイフを入れたが、その後あっという間に完食した。

ハピエストアワーは通常価格より41ドルお得だった

 昨年サンクスギビングデーにディナーに行ったという友人は「しっとりとしたターキーは忘れられない味わいだった」と3回も話してくれたが、印象に残る味を創り出す(そして優し過ぎるくらい優しい人柄の)シェフにすっかりハワイのフーディーたちがとりこになっている。

仲睦まじいマコトシェフとアマンダさんカップル(エレベーターに貼ってあった)

 ちょっと違うロケーションで唯一無二の味を気軽に味わうなら、水曜から日曜日の17時から18時までのハピエストアワーへ。今回のメニューはディナータイムより41ドルお得だった(量も少し少なめにサーブされる)。

大澤陽子

ハワイで発行している生活情報誌「ライトハウスハワイ」編集長。日本ではラジオアナウンサー、ライターとエディターとして活動。2012年にハワイへ移住。新聞やハワイのガイド本などの編集に携わる。ハワイのビーチとビールをこよなく愛している。