ハワイ現地発
【ハワイ現地発】ハワイの食通がうなる隠れ家ダイニングで一品6ドルからのハピエストアワー
2024年5月27日 12:00
少し前に、ハワイのグルメライターやインフルエンサーたちに「最近オープンしたレストランでどこがオススメか」を聞く機会があった。ここで8割が挙げたのが今回紹介する「アーデン・ワイキキ」だった。
場所は、著名人らがこっそりと訪れる「ゴールドコースト」と呼ばれるエリアのホテル内にある。ダイヤモンドヘッドのふもとで、限りなく海の近くにあって(今の規制ではこの場所に建築物は建てられない)、ワイキキが近いのにここだけは別世界が広がっている。
ロータス ホノルル アット ダイヤモンドヘッドというこじんまりしたホテルに入ったら、2階にあがろう。
昨年、カナダ出身のオノ・マコト・シェフがオープンしたこのダイニングは、シンプルなコンテンポラリー・ハワイ・キュジーヌを提供する。ハワイ各島からの素材を選び、その自然の味を極限まで引き出すローストの加減、食感と味わいのバランス、そしてプレゼンテーションまで、天才的な気配りを施した料理がメニューに並ぶ。
開放感のあるオープンキッチンで結構広いが、重厚感とカジュアルさのバランスがよくて居心地がいい。とはいえ、それなりのお値段はするだろう?と思うはず。確かにそれなりなのだが、今年からハッピーアワーならぬ「ハピエストアワー」が始まった。
どれだけ幸せ絶好調の「ハピエスト」なのかというと、ハウスカクテル、グラスワイン、ビールが50%オフ。これで普段は手が出にくいカクテルも10ドル以下になる。
そして、シェフお手製のププ(つまみ)は6ドルから。品数は少ないが、例えばフレンチフライのスパイシーマヨソース添え(6ドル)は、「あ、フライドポテトね」と侮ることなかれ。太めにカットしたじゃがいもを絶妙に揚げた一品。焼きシシトウ(10ドル)もマコトシェフの腕にかかると、ギリシャヨーグルトのアイオリソースとゴマをあえて、ふわっとニンニクが香る一品となる。
ハワイを代表するローカル料理ポケは、スモークドアヒ(15ドル)というメニューとなっていた。オゴ(ハワイの海藻)を混ぜて、アボカドピューレをちょこんとのせて、ネギをちらし、サツマイモチップスで食べる。ほんのり甘いチップスとポケがいい感じで合うので止まらなかった。
ここまでの3品とカクテルで満足感を得られるが、この店を訪れるなら一度は食べてほしいのが、トマトとブッラータのサラダ。29ドルではあるけれど数人で分けられる。甘いトマトにフレッシュなブッラータがトロンとのっていて、スライスした玉ねぎとミントがアクセントに。キモとなっているのがハワイならではの「リヒンムイ」。乾燥梅を甘塩っぱく味付けしたパウダーで、ハワイの人は子供から大人までこの味付けが大好き。これがトマトにあまりにもマッチしていて、このメニューにハマる人が続出している。
最後にオーダー必須は、シェフのパートナーでパティシエのアマンダさんが作るデザート。アイスクリームをケーキ生地で包んでメレンゲで覆うデザート「ベイクドアラスカ」をイメージして「ベイクドハワイ」を作ったという。焼き色をつけたメレンゲのなかにはマンゴーとココナツシャーベットが閉じ込められていた。食べるのがもったいなくてしばらく見つめてからナイフを入れたが、その後あっという間に完食した。
昨年サンクスギビングデーにディナーに行ったという友人は「しっとりとしたターキーは忘れられない味わいだった」と3回も話してくれたが、印象に残る味を創り出す(そして優し過ぎるくらい優しい人柄の)シェフにすっかりハワイのフーディーたちがとりこになっている。
ちょっと違うロケーションで唯一無二の味を気軽に味わうなら、水曜から日曜日の17時から18時までのハピエストアワーへ。今回のメニューはディナータイムより41ドルお得だった(量も少し少なめにサーブされる)。