ボーカリスト琴音の音楽旅
埼玉県越生で絶品音楽ライブとカフェ巡り、こだわりのお店に癒された冬の旅
2024年12月28日 08:00
この連載「ボーカリスト琴音の音楽旅」とタイトルが付いておりまして、筆者であり歌手である私がいろんなところに行ったのを綴っておりますが、今回は旧友のジャズボーカリスト「Ayuko」が埼玉県越生というハイキングの町としても知られている地で、音響にこだわり抜いたお店でライブをするということで、夫と2人で出かけてみました。
今回のライブ会場でありカフェ&ギャラリーでもある「山猫軒」は以前にもライブで訪れたことがあり、それはそれは素敵なところだったのでまたお邪魔したいと思っていたのです。
まずは腹ごしらえ! エルヴィス・プレスリーに想いをはせたレストランでランチ
愛車で越生に向かい、まずは腹ごしらえ!ということで、おもしろいお店はないかな~と探していたら、アメリカの伝説的歌手であるエルヴィス・プレスリー愛あふれるレストラン「エルヴィス」を発見、音楽好きとしては行かねばなるまい、とそちらでランチをすることにしました。
エルヴィスの写真やグッズがたくさん飾られた店内は懐かしい雰囲気で、オールド・アメリカンな内装がエルヴィスの活躍した時代にタイムスリップしたようです。夫は野菜あんかけハンバーグに+200円のデザート付き、私はナスミートドリアを注文しました。副菜たっぷりのランチが到着し、和風の副菜と洋食のセットがなんだかほっこり。
優しい味の和風あんかけハンバーグはお野菜たっぷり、ナスミートドリアもチーズがたっぷりでなかのご飯もしっかりミートソースが絡んでいて絶品。定期的にライブも行なわれているようで、イベント時に遊びに行っても楽しそうなお店です。ご店主のエルヴィス愛と、優しい味のお料理に温かい気持ちになるお店でした。
ランチのあとはデザートタイム! ということで冬だけどアイスクリーム
レストラン エルヴィスをあとにして、どこかでコーヒーでも飲みたいね~と話していて見つけたのが沖縄発祥のアイスクリーム店、ブルーシールの運営する「ブルーシールカフェ ニューサンピアさいたま越生」です。
ブルーシールのアイスクリームは、昔は沖縄でしか食べられませんでしたが今は関東でも食べられますね。修学旅行で行った初めての沖縄で、ブルーシールアイスを食べた思い出がよみがえります。
カフェではコーヒー紅茶などのドリンクや、アイスクリーム以外にもスペシャルメニューがたくさん。バニラアイスが乗った「カリフォルニアアップルパイ ア・ラ・モード」と「田芋チーズケーキ」と定番の「チョコレート」味のアイスクリームを注文しました。
寒い日に食べるアイスって絶品ですよねぇ。温められたアップルパイとバニラアイスの相性も最高で、少し溶けかかってるところなんてホロホロのカリフォルニアアップパイと絡まると、クリーミーなソースになりお口のなかが幸せいっぱい。
ほろ苦いコーヒーで身体を温めながら、冷たいものをいただく。なんとも贅沢な食べ方に、文明の発達とはこれ素晴らしいものですね。
念願の越生「山猫軒」へ! フリージャズ的要素をはらんだアンビエントなジャズライブへ
ブルーシールカフェで美味しいスイーツをいただいて、本命であるギャラリー&カフェ「山猫軒」にやってきました。定期的にライブも行なわれていて、レーベルもやっている音楽にも音響にもこだわりのあるお店です。
店主は海に囲まれて湿度の高い日本で、楽器の鳴りのよい乾燥した地を探してこの越生にお店を作ったそうです。
山猫軒というだけあって、山荘の音楽スペースという雰囲気で吹き抜けもあり開放感のある素敵な場所なのです。吹き抜けが気持ちよいので、私たちは2階席にしました。
さっきまでスイーツを食べていましたが、ピザが美味しそうだったので「野菜とサラミのピザ」と「ラムケーキ」を注文しました。冬の山荘は寒いんじゃ?と思っていましたが、薪ストーブもあり2階は暑いくらい!
寒がりの私ですがアイスコーヒーを注文しました。しっかりドリップされたコーヒーに、湧き水から生地を作ったというピザはザクザク生地で美味しい! ラムケーキもしっとり、ラムの香りがコーヒーに合って夜のライブにピッタリ。
この日のボーカリストのAyukoとはもともと同じ事務所に所属していて、同い歳ということですごく仲よくなりました。彼女はジャズをメインに歌っていますが、元和太鼓奏者でもあるリズム感のよさでフリージャズ的な即興演奏にも意欲的に取り組んでいます。この日は世界的に活躍するドラマー池長一美さん、ギターはファルコンさんとトリオでの出演でした。
それぞれのオリジナル曲も交えて、即興演奏の部分もありつつクリスマスソングなども。しかし、カナダへの留学経験のあるAyukoならではのカナダのクリスマスソングやジャズの有名スタンダード「Take Five」を彷彿させる五拍子の「ジングルベル」など一筋縄ではいかない楽曲ばかり。
ファルコンさんのオリジナルは呪術的というか儀式的な雰囲気で激しいながらも、アンビエントな要素を含んだ演奏で聴衆を異空間に誘ってくれました。なかなか通好みなライブを冬の山深い山荘で聴く不思議な体験。この日のライブはそんな異世界にトリップしたような、聴く人それぞれの心象風景を投影するかのようなライブでした。最後は皆さんと談笑し、和気あいあいと楽しい時間になりました。
温泉に行くつもりがうっかり寄り道、昭和な雰囲気の焼肉屋さんで韓国気分
ふんわりした気持ちで山猫軒から温泉に行こう、と日帰り温泉に向かっていましたが、目的地の「坂戸天然温泉ふるさとの湯」のすぐそばにおもしろそうな焼肉屋さんを発見。真っ暗な住宅街のなか、強烈な昭和感のネオンを放つ「大阪屋離宮」に入ってみることにしました。うーん、なんでお腹ってすぐ空くんでしょう。
昔のパチンコ屋さんを思い出させる店構え、韓国にいるような気持ちになるエントランスを通り席に着きました。豊富なメニューを前にして食欲大爆発、ネギタン塩、大阪カルビ、ハラミ、牛ホルモンなどお肉をたくさん注文。少しめずらしいケジャンがあったので、そちらも頼みました。久しぶりの焼肉ということもあって、お肉にテンションが上がり頼み過ぎたかなと思いつつも結局パクパクとなんなく箸が進みます。
結局コムタンスープ、白ご飯、冷麺まで頼みさっきまでピザ食べてたよねと話しつつも、私も夫も大食いなので最後まで美味しくいただきました。こちらのお店現金のみのお会計なので少し注意が必要ですが、価格もリーズナブルでメニューが豊富で昭和にタイムスリップしたような韓国に行ったような、最近の都内の焼肉屋さんではなかなか味わえない感覚を体験させてもらいました。
満腹になったところで日々の疲れを温泉で癒やしました
最後は私のお出かけの定番、温泉につかって帰りました。腰痛持ちなので、温泉に行けるときは遠出しなくても行っていますが、こちらのお風呂は施設もきれいで、サウナに温泉としっかりと日々の疲れを癒すことができました。
意外と我が家から越生はアクセスがよく、こんなよいところが近場にあったんだともっと前から散策してみればよかった、と。ハイキングの街としても知られているので、もう少し暖かくなったらハイキングに出かけるのもよさそうです。
都心からそう遠くなく自然がたくさんあり、文化的な面に力を入れているお店もたくさんあるのでまたゆっくり再訪したいと思います。時間があれば越生から川越や秩父も近いので、少し足を伸ばして旅するのもよさそうです。
今回は友人のジャズライブがきっかけで越生に行きましたが、ライブも含めて満足度の高い旅になりました。