JALふるさとアンバサダー/応援隊に聞く地域愛

JAL客室乗務員が田植え! 「棚田みらい応援団」佐渡市歌見での棚田保全活動に参加しました

JALふるさとアンバサダーに地域の取り組みを聞いた。回答者は新潟県JALふるさとアンバサダーの長谷川聖菜さん

 全国各地に拠点を持つJALは、地域活性化の取り組みを継続的に実施してきており(現在は「JALふるさとプロジェクト」)、2020年8月には社内公募で選ばれた客室乗務員が現地に移住して、それぞれの地域での取り組みを推進する「JALふるさとアンバサダー」を発足しているほか、同12月には乗務しながら地域活性化に携わる「JALふるさと応援隊」を任命している。故郷や縁のある地域に対して、客室乗務員として培ってきた知見を活かした商品開発や地域課題の解決などを展開する狙いがある。

 今回お話を聞いたのは、新潟で棚田の保全に携わるJALふるさとアンバサダーの長谷川聖菜さん。

――取り組みについて教えてください。

 2024年4月に新潟支店に着任しました、JALふるさとアンバサダーの長谷川です。生まれ育った大好きなふるさと新潟に恩返しがしたいと思い、戻って参りました。この記事が新潟に足を運んでいただくきっかけになれば幸いです。

 新潟県では、8市町36地区の棚田が「つなぐ棚田遺産」に認定されています。これは、棚田地域の振興に関する優れた取り組みを農林水産省が認定するもので、新潟県は全国1位となる36棚田が認定されています。歌見の棚田はその一つです。

 しかしながら、棚田のある地域では人口減少や高齢化による担い手不足により、耕作放棄地が増加しており、こうした棚田の持つ役割が十分に発揮されない状況となっています。

 日本航空 新潟支店ではブランド米「新之助」の機内食での提供を機に、棚田地域の営農活動・地域保全活動を支援する「棚田みらい応援団」の活動に共感し、支店・空港スタッフなどで「日本航空チーム新潟」を結成し、令和3年度から田植えなどボランティアに参加しております。

佐渡市歌見の棚田にて「棚田みらい応援団」と佐渡市、歌見の皆さま

――この取り組みにはどのように関わっているのでしょうか。

 今回はJR東日本 新潟支社さまと佐渡汽船さまとともに、新潟県の「陸・海・空」の交通を担う3社で「棚田みらい応援団」として佐渡市歌見で田植え活動に参加しました。佐渡市は世界文化遺産登録を間近に控えております。この歌見地域には「鬼の田植え」という言い伝えがあり、参加者も鬼の仮装で田植えを行ないました。

 今回、私は小学生の社会科授業以来の田植えでした。客室乗務員としてお客さまにお食事を提供しておりますが、お米がお客さまのもとへ届くまでにはたくさんの方々の努力、工夫、苦労があるのだと改めて感じ、美味しいお米になりますようにと願いを込めながら植えました。

 今回の保全活動を通じて、地域・社会への貢献とSDGsの達成につながる取り組みに参加できたことをうれしく思います。また、森林の環境保全に貢献することで、佐渡金山の世界文化遺産登録に寄与することができれば幸いです。

各社イメージカラーの上着を着て田植えを行なう様子
鬼の仮装での田植えの様子

――今後の展開・展望について教えてください。

 今回初めて「棚田みらい応援団」の活動に参加しましたが、日本航空 新潟支店は地域の皆さまとともに、何年先も美しい棚田を残せるようこの活動を継続して実施する予定です。

 今後も上越市において、田植えや稲刈りなどの活動を実施します。

――旅行者に向けてメッセージをお願いします。

 新潟県佐渡市には佐渡金山のほかにもたくさんの魅力があります。

 これからの季節は外海府海岸のシンボル「大野亀」。6月になると50万株100万本ものトビシマカンゾウが咲き乱れ、その群生は日本一とも言われます。

 また、佐渡ではぜひわかめを召し上がってみてください。収穫量が少なく、全国にはほとんど流通しません。小ぶりで柔らかくとろみがあり、磯の香りがしっかりと感じられるので、いつものお味噌汁がさらに美味しくなりますよ。

大野亀のカンゾウ(2022年)