JALふるさとアンバサダー/応援隊に聞く地域愛

日本三大銘醸地、広島・西条で1泊2日の酒蔵体験! JAL客室乗務員が企画したツアーで職人から学ぶ

JALふるさとアンバサダーに地域の取り組みを聞いた。回答者は広島県JALふるさとアンバサダーのフィリップス千咲さん

 全国各地に拠点を持つJALは、地域活性化の取り組みを継続的に実施してきており(現在は「JALふるさとプロジェクト」)、2020年8月には社内公募で選ばれた客室乗務員が現地に移住して、地方の取り組みを推進する「JALふるさとアンバサダー」を発足しているほか、同12月には乗務しながら地域活性化に携わる「JALふるさと応援隊」を任命している。故郷や縁のある地域に対して、客室乗務員として培ってきた知見を活かした商品開発や地域課題の解決などを展開する狙いがある。

 今回お話を聞いたのは、広島県で酒蔵体験ツアーに携わるJALふるさとアンバサダーのフィリップス千咲さん。

――取り組みについて教えてください。

 広島県は「ENERGY OF PEACE」をコンセプトとして「元気・美味しい・暮らしやすい」の3つを掲げ、ひろしまブランドを強化しています。

 新鮮な海の幸と山の幸が豊かで穏やかな風土、平和への想いと復興を成し遂げたエネルギーが明日へ向かうひろしまの原動力になっています。どんなときでもたくましく、元気あふれるひろしまに魅せられ、関東から移住して12年目になります。

 今回は、日本三大銘醸地、酒処として知られる広島県・東広島市の西条で、地域に根差した日本酒造り文化に触れる企画を提案しました。

――この取り組みにはどのように関わっているのでしょうか。

 令和4年度観光庁看板商品創出事業の一つとして、賀茂鶴酒造、ディスカバー東広島(DMO)と連携し「酒蔵体験ツアー」の企画制作に関わっています。日本酒造りにおいて重要な酒米、磨き(精米)、醸しの各工程においてプロフェッショナルたちと語らい、学び、体験することで日本酒造りの真髄を知っていただく内容です。

 東広島地域の認知度の向上を目指し地域の文化や歴史的価値のある資源を守る観光プロダクト開発を目指しました。「日本酒文化は素晴らしい」というところからあえてもう一歩踏み込み、酒造りで一番大切な「心」に端的に触れていただけるような構成になるようこだわりました。

――今後の展開・展望について教えてください。

 日本の伝統文化の一つである日本酒造りのプロセスはとてもダイナミックで繊細です。日本酒の味を決める「水・米・匠」の三要素に着目し、それぞれの季節ごとに1泊2日の行程、計6日間のツアーを2023年度から販売します。

 春の体験ツアー「水」は4月上旬にジャルパックから販売開始予定です。当面は参加者8名限定ですが、将来的には規模を拡大することで、より多くの皆さまに広島西条を訪れていただきたいと考えています。また海外からのお客さまを見据え、客室乗務員として培った知見を活かし、多言語おもてなしガイドの育成にも取り組んでいきます。

 ツアーの概要はJALが提案する観光ガイド「OnTripJAL」で紹介されています。ぜひご覧ください。

――旅行者に向けてメッセージをお願いします。

 このツアーは日本酒好きのためだけに作られたツアーではありません。まずは日本酒ができるまでを知り、関心をもっていただけたらうれしいです。そして「西条のお酒が気になる」と、もう一度訪れる理由になること、そして新酒の季節には西条に行きたくてムズムズするようなファンになっていただければ最高です。西条を訪れる人、酒蔵の人、西条の人、関わるすべての方がハッピーになる、息の長いプレミアムツアーになればと願っています。

 日本酒の聖地で、体験してこそ分かる日本酒の魅力にぜひ触れてください。