旅レポ
海まで3m!?の岸壁で車中泊してみた。沼津・大瀬崎で駿河湾と富士山の見える絶景RVパーク!
「RVパークちどりマリンサービス」
2023年5月25日 00:00
JRVA(日本RV協会)がオートキャンプや車中泊を楽しむ人に向けて、安心して快適に利用できる施設として全国に展開を進める「RVパーク」。
今はまだキャンプ場ほど存在が知れわたっていないものだけど、観光+車中泊という旅のスタイルは定着してきているし、車中泊をやってみたいと思っている人も多いだけに、今後はもっと注目されてくるはずだ。
そんなRVパークに興味を感じて、実際に利用してみるというこの企画。前回は千葉県君津市にある「RVパーク七里川」を紹介した。千葉の山間部にあって、テントを張れたり、条件付きで焚き火OKだったりと、オートキャンプ場のように過ごせるいいところだった。
さて、今回に行ってきたのは沼津市西浦江梨(西伊豆エリア)にある「RVパークちどりマリンサービス」(静岡県沼津市西浦江梨323-2)。運営するのは沼津市内浦三津にある千鳥観光汽船。沼津、内浦、大瀬崎の3か所でクルージング、マリンレジャーなどの施設を保有していて、RVパークは大瀬崎にある「ちどりマリンサービス」の駐車場を利用したものだが、ここの特徴はなんと言ってもロケーションのよさ。
写真で分かるように岸壁からかなり近いところにクルマを駐められて、さらにきれいな海越しに富士山が見えるという風景が楽しめるのだ。
営業日は通年だが、施設の都合により休業もあるので利用したいときは事前に問い合わせた方がいいだろう。なお、記事が掲載されるころから施設を一部改装する予定なので、工事が終わる2023年7月ごろまでRVパークちどりマリンサービスは臨時休業になる。この間は施設に人がいないので、予約や問い合わせは内浦にある千鳥観光汽船本社宛てにしてほしい。
きれいな海と富士山が見える絶景RVパーク
では、改めてRVパークちどりマリンサービスを紹介しよう。東京からだと新東名高速道路の沼津長泉ICから伊豆縦貫道に入り、江間ICで降りて県道134号を沼津方面へ。トンネルを抜けて「口野放水路」という交差点を伊豆半島方面(左折)へ曲がって、海沿いの道を約1時間ほど走ると到着する。
有料道路を降りてからの距離はそこそこあるのだけど、海に沿って走る道路は景色がいいだけではなく、通過する街並みも趣があったりとドライブ好きな人であれば「走っていて飽きない道」だと思うので、距離はあまり気にならないのではないだろうか。
そして「大瀬崎」の案内板がある二股を右へ行くと大瀬崎の海水浴場へ出るが、海水浴用の駐車場入口の手前にRVパークへの入口があるので、そこを入って海沿いまで行くと到着する。
RVパークちどりマリンサービスは、マリンレジャー施設用有料駐車場内にあり、RVパークとして用意されている区画は5台分。うち3台分が海沿いとなる。
区画は一般的な駐車枠の2台分を1つの区画としているので特に横幅に余裕があり、メジャーの実測では約5×6.5m(縦×横)。これだけの区画があればクルマの横にテーブルを展開するのも余裕だろう。
なお、こちらはテーブルやイスを出すのはOKだが、テントを張るのはNG。また、焚き火は直火はもちろん焚き火台利用でもNGだ。ただ、テーブルでのカセットガスコンロの使用はOKなので、カセットガスコンロを使った簡単な調理はできそうだが、状況は変わることもあるので予約時に確認してほしい。
電源は4台分あって利用は無料。延長コードも貸してもらえるが、区画によっては長さがギリギリになりそうなので、継ぎ足し用としてコードを持参しておいた方がいいように感じた。
そのほかの施設について。トイレは建屋内にあるが施設の営業時間(8時~17時)までが利用可能時間で、そのほかの時間帯は約200m先にある公衆トイレを利用することになる。この公衆トイレは清掃もちゃんとされていて気持ちよく利用できそうだが、区画から少々離れているので不便さは感じるのは確かだ。
そうしたことから夏のシーズンまでに建屋内トイレを24時間使えるよう、建屋に夜間用入口を増やすなど改装を行なう予定だという。
入浴設備については、温水が出るシャワー室が屋外に設けられている。ただ、こちらは屋根やブースごとの仕切りはあるが、簡易的な作りとなっていた。とはいえ海沿いの施設だけにシャワーが使えるのはありがたい。ちなみに約13kmほど走ったところにある「道の駅くるら戸田(へだ)」までいけば、道の駅内に「戸田温泉 美肌の湯」という温泉施設がある。
夏前の静かな海でぼ~っとして、そして眠る贅沢な時間
筆者がおじゃましたときは利用者が1人だけだったので、とても静かな環境で過ごすことができた。
区画はもちろん海寄りを選択したが、区画の端から海までは通路を挟んで3~4mほどの距離とまさに海沿い。全国に300以上のRVパークがあるけど、ここまで海に近い場所に泊まれるRVパークはここ以外ないだろう。
また、目の前の大瀬湾は魚影が濃いようで海釣りのスポットでもある。RVパークに駐めたクルマから竿を伸ばして……というのは厳しいけど、すぐそばに桟橋があるので、釣りが好きな方であればなおさらここは気に入るだろう。
そしてその海は冒頭でも書いたように透明度が高くきれいだ。ちどりマリンサービスではシーズンになるとダイビング体験なども行なうそうなので、RVパーク利用時にはそうしたレジャーを楽しむのもいいだろう。
ちなみに取材に行った時期は海から陸への風が吹くそうなので、海の匂いが強いかなと思いきや、かすかに潮の匂いがする程度。「あれ?」と思って千鳥観光汽船の大川さんに伺ってみると、強めに感じる海の匂いは海藻が腐ったり赤潮などが出るなど海が汚れたときに感じるもので、きれいな海ではそのような匂いはないそうだ。そうした話を聞いたあとに大瀬湾を見ると、改めてきれいさを感じた。
取材に行った日は波が穏やかで、ドアを閉めてしまえば物音1つない静かな環境だったので、ぐっすり寝ることができた。そして窓からこぼれる明るさで早朝に目が覚めてドアを開けて外を見ると、桟橋にはもう釣り人が来ていた。
そういえば夜も遅くまで釣りをしている人がいたけど、今回のようにほかに誰もいない状況では、釣りの人がいることは安心感につながっていた気がするので、静かなことはいいけど適度に人はいた方がいいということも感じた。そういう面でもこの場所は過ごしやすいといえるかもしれない。
ということで、RVパークちどりマリンサービスの紹介を終えて、最後に1つ。
千鳥観光汽船では7月23日~8月21日の期間、大瀬崎~沼津港の間に定期船を航行しているので、RVパークに泊まりつつ、海路で沼津港に行って、沼津港周辺の観光をすることも可能だ。
ちなみに大瀬崎から沼津港へクルマ移動をすると、渋滞がない状況でも約90分ほど掛かるし、沼津港は海の幸を求める人の人気スポットなので平日でも駐車場は結構埋まっている。
しかし、大瀬崎からの海路での所要時間は約30分、下船したら即買い物ができるとなかなかに魅力的なので、定期船の運航がある時期にRVパークに泊まるなら船の移動も体験してみてはどうだろう。