旅レポ
DMVが走る徳島県の最南端・海陽町ってこんな町! マリンレジャーに藍染体験、天然温泉も楽しめちゃうからちょっと遠いけど行ってみて!
2022年3月29日 11:00
前回は線路も道路も走れる次世代の乗り物「DMV(デュアル・モード・ビークル)」をご紹介しました。
そのDMVの地元・徳島県海陽町にはファミリーでも1人旅でも楽しめるバラエティに富んだ観光スポットがいろいろあります。DMVに乗るだけで帰るのはもったいない! 徳島阿波おどり空港からたっぷり2時間かかっちゃうけど、オーシャンビューのホテルもあるのでぜひ泊りがけで徳島県最南端への旅を計画してみては?
サンゴや熱帯魚を間近で観察、海中散歩が楽しい海洋観光船ブルーマリン
太平洋に面する美しい海景色が魅力の海陽町には、マリンレジャーが楽しめるスポットが点在しています。なかでも竹ヶ島海域公園内にある「海中自然博物館マリンジャム」は、気軽に海の体験が満喫できる家族連れに人気の施設。まずは「海中観光船ブルーマリン」に乗船して海中散歩を楽しみました。船底が展望室となっていて、ガイドさんの案内で竹ヶ島湾を約40分かけて1周します。
橋でつながっているので陸続き感覚で行くことができる竹ヶ島。周囲は約4km、周辺には20種類以上のサンゴが生息し、なかでも「エダミドリイシサンゴ」の群生地としても知られています。そのエダミドリイシサンゴをまずは船の上から観察。ポイントに到着したら船内後方の階段を下りて海中展望室のある船底へ。座ったまま目の前の窓から眺められる海中の景色は非日常感たっぷりですよ。
海中観光船ブルーマリンに乗車すると「島の小さな水族館」の入館券が付いてくるので、海中で見たサンゴの生態をさらに深く知ることができます。また海中自然博物館マリンジャムでは、SUP(スノーケリング付き)やシーカヤック体験の予約受け付けも。美しい小島が点在する竹ヶ島周辺でのマリンアクティビティをたっぷり楽しめるスポットです。
青の世界に身を置いて徳島伝統の藍染め体験、海を望むロケーションも最高の「in Between Blues」
東京オリンピック・パラリンピックの公式エンブレムに採用され「JAPAN BLUE」として世界から注目を集める藍色は、日本の美しい伝統色。徳島は藍染めの原材料「すくも」の産地として知られています。
そのすくもから作られる「阿波藍」は高品質で知られ、全国シェアの大半を占めるほど。そんなわけで徳島には藍染め体験ができる施設が各地にあるのですが、今回は海陽町の「in Between Blues」で、目の前の美しい海を眺めながら大判ハンカチを染めてきました。
最初に、オーナーであり阿波藍プロデューサーの永原レキさんから藍染めについてのレクチャーを受けます。こちらでは貴重な徳島県産のすくも(阿波藍)をもとに、天然灰汁発酵建てした染料での藍染を体験できるとのこと。さっそくエプロンをして手袋をはめて、藍甕(あいがめ)のある隣のスタジオへ。
生地の絞り方によって、むらくも染めや段染め、絞り染めなどがありますが、私は濃い色から薄い色へとグラデーションを付ける段染めに挑戦。藍液に浸ける位置を変えながら時間差で回数を分けて染めていきます。染めが終わると丁寧に水洗い。するとさらに深く染まった鮮やかな青が現われました。ところどころムラがあるのも手作業ならでは。外のテラスで海風に当てながら乾かします。
「in Between Blues」は藍染めのほかに、食藍が体験できるショップでもあります。食藍? そうなのです、藍って染料だけではなく、実や葉を食用としても使われていて、昔から「藍職人は病知らず」と言われるほどスーパーフード。店内のカフェスペースでは海陽町産のオーガニック天然藍「海部藍」を使ったお茶やスイーツも楽しむことができます。この日は藍が練り込まれた絶品マフィンをいただきました。
大判ハンカチのほかにも手ぬぐいやTシャツの藍染め体験や、染めたい素材の持ち込みもできる「in Between Blues」。店名を直訳すると“青のはざま”。海を眺めているだけでも幸せ気分になれる藍染めスタジオで、自分だけの青を染める体験をぜひ!
阿波海南文化村内の「三幸館」では名物のご当地カレー「DMVカレー」が食べられる
DMVの始発停留所でもある「阿波海南文化村」は、文化館、博物館、工芸館などテーマ別の全6施設が併設する複合施設です。お土産販売とイートインスペースのある「三幸館」には、DMV関連のグッズがずらりと並んでいましたよ。
飲食コーナーでは、徳島県の特産品である「半田そうめん」を使用した数種類のアレンジそうめんや各種カレー、おつまみ系のサイドメニュー、デザートなどいろいろ。ユニークなのはお土産コーナーにあるレトルトカレーをごはんと一緒にお皿に盛り付けてくれるサービスです。
DMVのモードチェンジをイメージして考案されたDMVカレーは、2つの味が楽しめる2パック入り。もちろんこのDMVレトルトカレーもその場で食べることができちゃいます。お値段は普通に買うと959円、イートインだとご飯付きで1000円! 味のモードチェンジをぜひその場で味わってみてください。
太平洋が目の前、オーシャンビューの部屋から見えた朝日に感動
今回の旅で宿泊した海陽町の「HOTEL RIVIERA ししくい」を最後にご紹介します。“ししくい”はDMVの鉄道駅にもある宍喰駅のししくいですね。ホテルのお隣は「道の駅 宍喰温泉」で、海陽町産品直売所や観光案内所、情報コーナーが揃っています。
こちらのホテルの自慢はなんといっても太平洋を臨むオーシャンビューの客室。チェックイン時は夜だったので海は見えなかったのですが、翌朝バルコニーで見た日の出の美しさにひとり感動していました。今回私が泊まった洋室のほかにも、和洋室や和室があります。
2階は展望大浴場となっていて、びっくりするくらいお風呂が広い! 太平洋の超深層1000mから湧き出る天然温泉とのことで、湯ざわりとろとろでポカポカ温まります。サウナやジャグジーなども備わっていて地元の人にも人気というのも納得。お風呂からも海が見えるので、朝湯もオススメですよ。
次回は海陽町を離れて、さらに徳島の魅力を再発見できるほかのエリアのお勧めスポットをご紹介します。お楽しみに!