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ジャルパック、付加価値サービスや独自性を強めた2016年上期旅行商品の説明会

早期予約への対応も強化

2016年2月2日 実施

ハワイと北海道のパンフレットを手にする、株式会社ジャルパック代表取締役社長 藤田克己氏

 ジャルパックは2月2日、1月14日から順次販売を開始した2016年上期商品の説明会を実施した。

 ジャルパック代表取締役社長の藤田克己氏は「2015年度は訪日需要が急進し、アウトバンドが円安やテロの影響で苦戦した。インバウンドとアウトバウンドが逆転した。それがエポック的な出来事であった」と業界を取り巻く状況について話した。2016年度については、2015年がジャルパックにとって50周年の節目の年であったことを挙げ、「2015年の取り組みをレビューして厳選した」と説明した。

 2015年は11月30日にJALの成田~ダラス線が就航したので、その記念商品を発売するなど、積極的に海外商品の販売を行なったが、円安やテロの影響、旺盛なインバウンド需要により2015年下期の利用者数は10万1000人、前年比93%と苦戦を強いられた。2016年度の観光業界を取り巻く環境は、2015年度の状況を引き継いでおり非常に厳しいと藤田社長は分析する。

 一方で、燃油市況が相当下がってきていることに触れ、「航空会社の燃油サーチャージが下がってきており、ゼロになっているところもある。ジャルパックはアウトバンドが主なターゲットなのでそこが大きな強みである」と話し、「JATA(日本旅行業協会)でも、業界上げて海外旅行復活の年にしたいとしている。ジャルパックとしても頭に描きつつやっていきたい」と意気込んだ。

ジャルパックの規模を意識したサービスの提供

海外旅行のパンフレット

 藤田社長は2016年上期の大きなポイントとして「JALパックならではの新企画」「ツアーコンダクター同行コースの拡充」「現地滞在をより楽しく快適に」の3つを挙げ、ジャルパックで大きな比重を占めているハワイの強化を1点目の課題とした。

 大きすぎず小さすぎないという規模を活かしてできる独自性のある商品やサービスを拡充するとし、例えばハワイのコースでは、モアナ・サーフライダーのシンボルである「バニヤンツリー」の下で楽しめる、ジャルパック・オリジナルのビュッフェディナー「モアナ サーフライダー・バニヤンテラス・ブフェ」を提供する。まさにほどよい人数規模でツアーを実施するジャルパックであるから実現することができたと説明する。

 アジアのツアーではすべてのコースで専用車、専用ガイドを用意するほか、グループ最大人数を10名とすることで、ガイドの説明をしっかりと聞きやすくなり、Wi-Fiもつながりやすくなる。また、女性の1人旅でも利用できる添乗員同行コースも拡大する。

 アメリカで注目なのは、「グランドサークルの絶景」コースのツアーだ。最大グループサイズを8名とすることで、特別な写真撮影ツアーを実施。人気のアンテロープキャニオンでの写真撮影をもっとも条件のよい昼の時間帯に確保し、写真撮影に精通したガイドが付く。少人数であるこのツアーでは、通常は持ち込むことができない三脚を利用して撮影できるのも魅力だ。

付加価値の磨き上げ、あったらいいなの実現

 2016年度はすべてのツアーで付加サービスを見直した。一見、地道な改善ではあるが、ツアー参加者からの声を反映したものだ。

 アジアのツアーでは「暑さに配慮」した行程とし、現地での観光を午前中に集約。午後の観光でもホテルでの休憩時間を多く取るなどの配慮をした行程を組む。当たり前のように見えるが、旅行中の限られた時間での配慮はうれしいサービスだ。

 特にアジアのツアーでは、帰りが夜便となるケースが多いが、ホテル最終日のレイト・チェックアウトを最初から組み込み、現地で最後までゆったりと過ごせるように配慮した。

国内旅行のポイントは「早決」

国内旅行のパンフレット

 2016年度は国内についても、2015年の延長線上で厳しいという見通しを示した。旺盛なインバウンド需要により、特に航空座席やホテルの確保で切迫した状態が続くと見込む。一方で2016年にオープン15周年を迎える東京ディズニーシーやユニバーサル・スタジオ・ジャパンが国内需要を牽引すると見込むほか、3月26日には北海道新幹線が開業する。藤田社長は北海道新幹線について「エアラインとして競合するのではと言われるが、相乗効果があり、総需要は増えると予想している」とし、北海道という言葉がよく出てくるようになるので、積極的に展開したいと話した。

 テーマを楽しむ旅、北海道の“周遊観光”では、これまでの「早決60」の5000円割引に加え、90日前までの予約完了で1万円割引になる「早決90」を新たに設定するほか、沖縄のツアーでも「早決60・90」の割引額を増額し、早期予約への対応を強化する。

 また、沖縄・奄美大島商品では「復路便欠航お見舞金サービス」が新登場する。これは台風や濃霧などの悪天候で復路便が欠航になり予定日に帰着できなかった場合、1人あたり1万円を支払うもの。また、三線演奏と島唄で案内する「JALうたばす」では、すべてのルートで車いす対応する。

 15周年を迎える東京ディズニーシーでは、4月15日より15周年“ザ・イヤー・オブ・ウイッシュ”が開催される。ジャルパックでは、このアニバーサリーイベントを1日早く楽しめる4月14日出発限定のスペシャルナイトコースを先着100名分用意する。

 昨今注目されている世界遺産のツアーとして、北海道・知床のツアーでは、雄大な自然に棲む野生動物を一度に楽しめるコースが新登場する。羅臼に2連泊し小型ボートによる知床岬方面へのクルーズなど、大自然をじっくりと楽しめるツアー。野生動物との遭遇率は90%で、専門家の解説付きで絶滅危惧種のシマフクロウの観察なども行程に組み込まれる。

 また、江上天主堂や旧五輪教会堂など、世界文化遺産登録を目指す協会群とキリスト教関連遺産を巡るコースを新たに設定する。