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北海道新幹線開業を祝い、航空自衛隊「ブルーインパルス」が函館駅上空に“サクラ”を描く

2016年3月26日 実施

JR函館駅上空を祝賀飛行する航空自衛隊のアクロバットチーム「ブルーインパルス」

 3月26日、北海道新幹線開業に沸くJR函館駅上空において、航空自衛隊のアクロバットチーム「ブルーインパルス」による祝賀飛行が行なわれた。ブルーインパルスは、宮城県松島基地の第4航空団に所属する「第11飛行隊」の愛称で、航空自衛隊の航空祭や各種イベントなどで展示飛行を実施している。

函館山から函館市街を望む。好天のなかで祝賀飛行が実施された

 3月26日の祝賀飛行は、函館市など道南各所で行なわれた北海道新幹線開業イベントの一環として行なわれ、告知どおり14時50分過ぎから約30分に渡って航過飛行や各種演技などを実施。函館駅前や函館山に集まった多くの人々を魅了した。

北海道新幹線開業を祝い、JR函館駅上空を祝賀飛行する航空自衛隊「ブルーインパルス」

 とくに多くの人から歓声が上がったのは、6機の飛行機で大きな円を描き、5葉の花を持つさくらの花を再現した“サクラ”の演技をしたとき。青空の広がる函館上空に一足早く春を訪れを告げていた。

 ブルーインパルスと新幹線開業の祝賀飛行に関しては、九州新幹線開業日(2011年3月12日)にも予定されていたが、前日の3月11日に予行は行なったものの東日本大震災が発生。12日の祝賀飛行は中止になったほか、ブルーインパルスがホームベースとする宮城県の松島基地も大きな被害に遭った。ブルーインパルスは九州に移動していたためハードウェアとしての災害を免れたが、航空自衛隊として隊員がすぐに災害救助にあたっていたのは、各種報道機関で伝えられていたので記憶している方もいるだろう。

 実際、函館山展望台で見ていた人の中にもそうした一連の経緯を記憶していた人が多数おり、思い思いに感想を述べていた。

6機が1チームとなってアクロバット飛行をする
4機でのダイヤモンド隊形
2機での編隊飛行
“サクラ”を描くブルーインパルス
風も強くなく、無事にサクラを描ききった
函館駅からサクラを見たところ
大空に大きなハートを描く“ビッグハート”も披露
函館山からだと横倒しのハートだが、ショーセンター(ショーの中心)となる函館駅からは大きなハートを望むことができた

 北海道新幹線によって東京駅と新函館北斗駅が新幹線で直結されたが、全国でも有数の観光地である函館中心部と東京を結ぶ交通機関としては、価格や速度面で航空機が優位にあるのは否めないところだろう。一方、函館と東北を結ぶ交通機関としては、有力な航空路線もなく、新幹線が圧倒的なシェアを獲得すると予想される。

 実際、函館市内で見かける北海道新幹線開業ポスターを見ても、東京駅までの最速4時間2分のほか、新青森駅最速1時間1分、盛岡駅最速1時間50分、仙台駅最速2時間30分を訴求しており、北海道と東北の周遊旅行を提案している。東日本大震災によって大きな被害を受け復興途上にある東北と、世界有数の観光地となった北海道が新幹線という高速交通機関によって結ばれたわけだ。これが新たな観光圏や経済圏の創出につながることを期待したい。

 なお、ブルーインパルスのホームベースとなる松島基地では一般見学を受け付けている(復興応援「復興商店街を巡る旅スタンプラリー」に行ってみた[Car Watch])。最寄り駅となる矢本駅を含むJR仙石線もすでに復旧しているため、北海道新幹線の開通によって北海道からの鉄道でのアクセスが劇的に改善したことになる。

(編集部:谷川 潔/編集部:柴田 進)