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JR九州、非電化区間を走れる架線式蓄電池車両819系「DENCHA」

筑豊本線で2016年4月試運転開始

2016月1月29日発表

筑豊本線に導入される架線式蓄電池動力の通勤型車両819系、通称「DENCHA(DUAL ENERGY CHARGE TRAIN)」

 JR九州(九州旅客鉄道)は1月29日、筑豊本線に架線式蓄電池動力の通勤型車両819系、通称「DENCHA(DUAL ENERGY CHARGE TRAIN)」を4月に導入すると発表した。同車両は試運転ののち、2016年秋より営業運転を開始。2017年春にはさらに6編成(2両編成計12両)を追加投入する。

 819系は、交流電車に走行用の蓄電池を搭載した車両で、電化区間は従来の電車と同じように架線からの電気で走行。非電化区間では、蓄電池に充電した電力で走行できる。なお、蓄電池への充電は、電化区間で走行と同時に行なうほか、非電化区間でもブレーキ時の回生エネルギーにより行なわれる。通勤型の3扉車となっており、車内の座席はロングシート仕様。

 筑豊本線は、非電化区間として若松駅~折尾駅(若松線)と交流電化区間の折尾駅~桂川駅(福北ゆたか線)、非電化区間の桂川駅~原田駅(原田線)に運行系統が分かれており、若松駅(若松線)~直方駅(福北ゆたか線)間には直通列車も設定されている。819系の導入より、若松駅~折尾駅で蓄電池による走行、福北ゆたか線内で架線集電での走行が行なわれる。

819系のしくみと運用
819系の車内

 車両コンセプトは“「人と地球の未来にやさしい」をイメージした車体”となっており、現行の817系をベースに、地球をイメージした青色を出入り扉と車体下部などに配置。車内の照明はLEDを使用するほか、車内の温度環境維持のため開閉ボタンを設置した「スマートドア」を採用するなど、省エネに配慮した仕様となっている。また、車内に設置される情報表示画面「マルチサポートビジョン」には、停車駅や乗り換え案内のほか、車両内の電力の流れを解説するエネルギーフローを表示する。

車内の温度環境維持のため開閉ボタンを設置した「スマートドア」を採用
情報表示画面「マルチサポートビジョン」には、停車駅や乗り換え案内のほか、車両内の電力の流れを解説するエネルギーフローを表示

 なお、同様の車両は、直流仕様ではJR東日本(東日本旅客鉄道)の烏山線で使用されている「EV-E301系」があるが、交流仕様は全国初となる。

(編集部:柴田 進)