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宮城県、広島県、三重県がご当地の食べ方で牡蠣をふるまう「有楽町オイスターフェスティバル2015」

各県から「焼き牡蠣」「牡蠣バター焼き」「牡蠣めし」を無料提供

2015年12月20日 実施

「有楽町オイスターフェスティバル2015」を主催する3県の知事を中心に記念撮影

 宮城県、広島県、三重県は12月20日、3県共同で「牡蠣(カキ)」のPRを行なう「有楽町オイスターフェスティバル2015」を東京交通会館(東京・有楽町)1階のイベントスペースで実施した。

 このイベントは、2011年の東日本大震災後に広島県が宮城県に行なった「かき筏支援」や、2013年1月に東京で復興支援イベント「カキフェスタ」を実施したことから始まったもの。2015年1月には広島県主催の「かきサミット」に合わせて3県参加でPRを行なうなど、協力して全国に牡蠣の魅力をPRを行なっている。

 今回のイベントは、首都圏をターゲットに、宮城県の「焼き牡蠣」、広島県の「牡蠣バター焼き」、三重県の「牡蠣めし」を各1500食、計4500食を無料で提供。産地による味の違いや食べ方など、それぞれ違った味わいの牡蠣を堪能できることが魅力のイベントで、焼き牡蠣などの香りが辺りに漂い、朝から多くの人が整理券を求めて列を成した。

宮城県が提供した「焼き牡蠣」
広島県が提供した「牡蠣バター焼き」
三重県が提供した「牡蠣めし」

 イベントではこのほか、宮城県物産振興協会、広島ブランドショップ「TAU」、三重県らが、各地の物産品販売などを実施。開幕に際して、3県の知事が挨拶を行なった。

宮城県知事 村井嘉浩氏

 宮城県知事 村井嘉浩氏は「今までこういったイベントを県単独でやっていたが、仲のよい知事同士で一緒にやろうということになった。全国で1番牡蠣の生産量が多いのが広島県。第2位が宮城県。三重県は第6位ということで、この3県を合わせると、日本の生産量の7割、8割ということになる。せっかくだから、みんなで一緒にPRしようということになった」と経緯を紹介。

 宮城県の牡蠣については「世界三大漁場と言われている三陸沖、金華山沖に流れるプランクトンがたくさん入った親潮と、北上山地から流れてくる豊富な栄養たっぷりの川の水が合流したところで作られる牡蠣。牡蠣というとみんな同じものだと思われるかも知れないが、みんな味が違う。同じ宮城県のなかでも味が違う。宮城県は殻付き牡蠣をそのまま蒸して焼いた『焼き牡蠣』を提供するので召し上がって頂き、そして宮城県にも来て牡蠣を食べて頂きたい」とアピールした。

広島県知事 湯崎英彦氏

 広島県知事 湯崎英彦氏は「3県合同で行なうこのオイスターフェスティバル2015で、それぞれの牡蠣を皆さんに味わって頂きたいと思う」と挨拶したのに続き、「広島県の牡蠣はなんと言っても生産量日本一。450年前から牡蠣を養殖しているという、養殖にかけては老舗、伝統の広島県。中国山地から流れてくるたくさんのミネラル分を、瀬戸内海でゆっくり熟成する牡蠣がしっかり吸収して、ぷりぷりっと大きくなっていく大変美味しい牡蠣になっている。宮城とも三重とも違う牡蠣なので、それぞれの違いを楽しんで頂ければと思う。広島県は『バター焼き』にしているが、広島の牡蠣はもともとコクがある濃い味で、バターのコクと合ってとても美味しくなっている。ぜひ味わってほしい」と紹介した。

三重県知事 鈴木英敬氏

 三重県知事 鈴木英敬氏は「三重県は『牡蠣めし』を持ってきた。宮城のさっぱりとクリーミーな牡蠣を味わって頂き、広島のバター焼きで味が濃いのを食べて頂いたのちに、御飯がほしくなるので牡蠣めしを食べて頂くのがよいと思う」と推薦。

 三重県の牡蠣については「あと158日と迫った来年(2016年)の伊勢志摩サミットが行なわれる、志摩市と鳥羽市が面する的矢湾の牡蠣を持ってきた。的矢湾は伊勢神宮の神宮林をはじめ、豊富な森からの養分がたくさん流れ込んできて、波静かな素晴らしい湾。そこで育った潤い豊かな牡蠣を持ってきた。三重県は牡蠣の生産量は広島や宮城に追い付かないが、牡蠣養殖の革命と言われる無菌牡蠣――牡蠣が育つ海水自体を紫外線で滅菌して、安全に安心に食べられる技術を開発したのが三重県。それを持ってきたので、美味しく楽しんで頂ければ」とPRした。

 最後に、「年の瀬に牡蠣を食べて、よい思い出を残して来年を迎えて頂きたい。(会場の向かいで)年末ジャンボ宝くじに並んでいる皆さんも、(宝くじを)お買い求め頂いたあとは、どうか牡蠣を食べて頂ければと思う」と呼びかけ、笑いを誘った。

水産庁 増殖推進部長 長谷成人氏

 同イベントを後援している水産庁からの来賓として増殖推進部長 長谷成人氏も挨拶。「3本の矢と言うが、3本(県)合わせると日本の牡蠣の7割、8割と日本を支配している皆さん。宮城県は、震災から5年近くだが復興本番。私も牡蠣が大好きで、復興支援という意味も込めて最近も頻繁に牡蠣を食べている。これからも復興を頑張って頂きたい。三重県も、牡蠣だけではなく、アサリの養殖など先進的な取り組みを先頭になってやってもらっている。伊勢志摩サミットも頑張って準備して頂きたい。広島県は、1番の生産県。前年は種(種苗)集めに苦労したが、今年はうまくいったと聞いている。ついでにサンフレッチェ広島のJリーグ優勝おめでとうございました」と笑いも交えつつ、3県にエールを送った。

宮城県のブースで牡蠣を配った「宮城県オイスターガールズ」
農林中央金庫も応援
マスコットキャラクターも応援にかけつけた。左が広島県の「ブンカッキー」、右が宮城県の「むすび丸」
食材が豊富な宮城県は水産品を中心に多数の食品を販売
広島県は牡蠣商品のほか、瀬戸田レモンの加工品などを販売
三重県は鳥羽市の丸善水産による「かきしぐれ」「牡蠣カレー」、伊勢若松屋のかまぼこなどを販売
カゴメは牡蠣を洋風に料理して味わうレシピなどを提案。3知事のコメントも
左から宮城県知事 村井嘉浩氏、広島県知事 湯崎英彦氏、三重県知事 鈴木英敬氏

(編集部:多和田新也)