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岐阜県高山市「松倉城跡」国史跡指定が決定。土作りの城から石垣を持つ城の2段階で築城された重要な遺跡として評価
2025年1月6日 18:00
- 2025年1月6日 発表
岐阜県高山市は、松倉町の「松倉城跡」(岐阜県高山市松倉町2059)が国史跡の指定案件として答申されたことを1月6日に発表した。
2024年12月20日に開催された文化庁の文化審議会文化財分科会で答申され、高山市の国史跡指定は、1980年の堂之上遺跡以来。
松倉城跡は、16世紀後半(室町時代)に高山盆地に進出した飛騨地方南部の領主、三木氏の拠点で、標高856.7mの松倉山山頂に築かれた山城。本丸と南西の三ノ丸には巨石を使った5~8mの算木積みの高石垣、本丸の東にあたる二ノ丸は北側・南側に小型の石材を用いた低い石垣、東側は台部分を中小石材で築いた2段の石垣がある。
粗い石積みや竪堀、堀切などを用いた北側と東側の遺構と、高石垣を築き西側と南側を防御しようとする2系統の城郭遺構から、土造りの城から石垣を持つ城へ2段階で築城されたと考えられている。
また、三ノ丸は埋門や虎口が崩された石垣の石材などで埋められており、城を使用できないように石垣や門など防御施設などを破壊する「破城」が行なわれた痕跡がある。
これらの状態を含め、戦国時代の飛騨地方の政治状況や、土造りの城から石垣を持つ城、そして破城という城郭の歴史を知るうえできわめて重要な遺跡として評価された。