ニュース

土屋鞄のランドセル、25年度入学向けラインアップでさらに軽量化、新たに卒業後の有償修理サービス開始

2024年2月7日 発表

土屋鞄が2025年入学向けのランドセルを発表

 土屋鞄製造所は2月7日、2025年入学用のランドセルのラインアップを発表するとともに都内で発表会を開催した。

 2025年入学用は全9シリーズ52製品・約40色で、2月14日に発売する。小学生の荷物の増加に伴う軽量化のニーズを受け、製品全体の6割強にあたる34種類を5g~70g程度軽くした。加えてランドセルを選ぶ「ラン活」の早期化に伴い、昨年より半月程度、販売開始日を早めたという。

ランドセル市場の傾向

 価格帯は6万円台の人工皮革商品から、10万円台後半の天然牛革やコードバンを使ったものまでさまざま。発表会で登壇した代表取締役社長の土屋成範氏は、円安に伴う原材料が高騰などについて「今年に関しては(基本的には)企業努力で値上げは抑えた」と説明。「ベーシックカラープラス」については1000円上げたものの、主要モデルの「RECO(レコ)」や「ATELIER(アトリエ)」の価格は据え置いたという。

株式会社土屋鞄製造所 代表取締役社長 土屋成範氏
株式会社土屋鞄製造所 ランドセル事業推進本部ランドセル事業企画部長 小川裕一朗氏

 発表会では同社ランドセル事業推進本部ランドセル事業企画部長の小川裕一朗氏が、2025年入学モデルを紹介。ミナ ペルホネンとコラボした「アトリエ」第3弾はメインの素材を人工皮革に変更したことで従来品より約70g軽量化し、全製品で2番目に軽いモデルになった。加えて新たに前段のポケットをマチが広がるデザインに変更して収納力を高めた。絵柄は3パターンで全6種類を用意。おそろいの絵柄のハンカチやレッスンバッグも販売する。

「アトリエ」第3弾
右の従来品と比べると、左のアトリエのポケットはマチがかなり広がる作り

 牛革と人工皮革のハイブリッドで作られる「レコ」はベーシック5色、プレミアム5色を用意。自由な色選びをコンセプトとしており、「大人でも欲しくなる色」を意識した。小川氏によれば、ランドセルを購入する「ラン活」のピークはゴールデンウィークと夏休みで、特に5月までの購入が増加傾向にある。このため「レコ」シリーズは5月31日まで完売を出さずに販売するという。

「レコ」では女の子でも男の子でもマッチするジェンダーレスな色をラインアップ

 このほか、サステナブルな取り組みの一環として、過去に製造した新品製品を販売する「STOCK LUCK(ストックラック)」も実施。2022年から開始した取り組みで、今回は2022年/2023年入学用の「アトリエ」シリーズ2製品を数量限定で取り扱う。

 ランドセルは全国10都道府県の15店舗と自社ECサイトで販売するほか、3月3日から順次全国30都道府県で出張店舗を42回実施する。店舗は一部を除きWebサイト経由の来店予約制としており、店舗・出張店舗でランドセル1点購入ごとに1つ、革のカードケースをプレゼントする。このほか、Instagramでのライブ配信や、LINEを活用したオンライン相談、有料でのレンタルランドセルサービスなども展開する。

残革を使ったカードケースは数量限定
さまざまな色を用意

新たに「卒業後修理サービス」を開始

 土屋鞄ではこれまで小学校入学から卒業までの6年間、ランドセルの故障や破損を無料で修理する「6年間無料修理保証」を提供。使い終わったランドセルをペンケースなどにリメイクするサービスなど、サステナブルな取り組みを実施してきた。

さまざまなリメイクが可能

 今年からは新たに「卒業後修理サービス」を開始。同社によれば、ランドセルを兄弟姉妹や親戚に譲るために修理をしたいというニーズを受けたもの。見積もり期間は約2週間で、修理期間は約3か月とした。小川氏は「製造・販売・修理まで自社で一貫でできる土屋鞄だからこそのサービス」とアピールした。

発表会では残革を活用したApple Watchのバンドや江戸風鈴などを展示
ランドセル職人がランドセルの角を補強する「菊寄せ」の技術も披露