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Visaのタッチ決済、対応カードが1億枚突破「非対応カードの方が少ない」

2023年5月25日 発表

Visaのタッチ決済対応カードの発行枚数が1億枚を突破

 ビザ・ワールドワイド・ジャパンは5月25日、日本国内でVisaのタッチ決済に対応したカードの発行枚数が1億枚を突破したことを発表した(3月末時点)。

 2019年6月末に1000万枚だったところ3年9か月で10倍に拡大、タッチ決済対応端末も180万台を超えて順調に数を増やしているという。また、2021年1月~3月期と2023年1月~3月期で比較すると、コンビニでの利用は約10倍に伸び、約2件に1件はVisaのタッチ決済で支払われているという。

 そのほかディスカウントストアでは約100倍、家電量販店では約38倍、公共交通機関では約62倍と大きく伸長しており、以前はコンビニやスーパーなど日常的な買い物のシーンで利用される傾向にあったものの、現在ではそれ以外のセグメントにも広がってきている。

 さらなる普及に向けては対応店舗・端末の拡大も期待されるが、ユーザー目線では「使いたくても保有カードが非対応」という場合もある。発行会社側では対応済みでも、ユーザーの手元のカードがタッチ決済対応に切り換わるのは次回更新時で、それが数年先というケースは少なくないはずだ。また、自主的に切り換えようとすれば手数料がかかるケースがほとんど。

 こうした背景について、ビザ・ワールドワイド・ジャパン コンシューマーソリューションズ部長の寺尾林人氏は、「日本国内のVisaカードとしては、すでにタッチ決済非対応のカードの方が少ない状況になっています。ご指摘のケースも含め、今後もイシュアーさまと協力し、より多くの消費者の皆さまのお手元にタッチ決済対応のVisaカードをお届けできるようさまざまな努力をしてまいりたいと思います」と回答している。

対応端末は180万台以上に
対面取引でのタッチ決済割合はワールドワイドで59%
コンビニやスーパーなど日常の買い物以外でもタッチ決済の利用が増えている
ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社 コンシューマーソリューションズ部長 寺尾林人氏

 路線バスや鉄道など、公共交通機関の運賃支払いでは、これまでトラベル Watchでもたびたび伝えているように、実証実験の実施や本格導入を行なう企業・自治体が増えており、4月末時点で26都道府県、42プロジェクトが進行中という。

 その一方、コロナ禍を経てインバウンドが急速に回復しつつあるが、駅の券売機や窓口で訪日外国人旅行者が長い列を作っている様子はしばしば見受けられる。こうした現状についてコアプラットフォームソリューションズ ディレクターの今田和成氏は、旅行者は日本に体験や食などを期待して訪れており、並んでいる時間がなければ別の消費が生まれていた可能性もある。Visaのタッチ決済がより普及することで、新たな消費を呼び起こせるのではと説明した。

ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社 コアプラットフォームソリューションズ ディレクター 今田和成氏