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ジャパンキャンピングカーショー2023行ってきた! フィアット「デュカト」ベースがデビュー。個性的なキャブコン、軽キャンもまとめて紹介

小山慶一郎カスタムの車両も

2023年2月3日~6日 実施

ジャパンキャンピングカーショー2023は展示ホール数を拡大して開催。今回はフィアットの商用車ブランドである、フィアット プロフェッショナルの「デュカト」正規輸入車をベースにしたキャンピングカーのデビュー場になった

 日本RV協会(JRVA)が主催する「ジャパンキャンピングカーショー2023」が、幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区)の展示ホール1~5にて開催されている。期間は2月3日~6日。

 幕張メッセでのジャパンキャンピグカーショーは例年この時期に開催されているが、キャンピングカーや車中泊の人気が年々高まっていることから、毎回、規模が拡大している。そこで今年は従来より使用するホール数を増やしての開催となった。

幕張メッセ 展示ホール1~5にて開催されたジャパンキャンピングカーショー2023

 ジャパンキャンピングカーショーでは、キャンピングカーで楽しむクルマ旅の啓蒙や普及を目的に、キャンピングカーやアウトドアを愛好する著名人を対象とした「キャンピングカーアワード」を選出していて、今年はタレントの小山慶一郎さん(NEWS)が受賞。

 ジャパンキャンピングカーショーの会場にはJRVAより小山さんに1年間貸与されるキャンピングカー(トイファクトリー製バレイア)が展示された。こちらの車両は市販仕様ではなく、小山さんが提案したカスタマイズや装飾が取り込まれた特別仕様車となっていた。

キャンピングカーアワードを受賞した小山慶一郎さんに貸与されるキャンピングカー。小山さんの提案が盛り込まれた特別仕様車だ
車両はトイファクトリー製バレイア(トヨタ ハイエース)
小山慶一郎さん(NEWS)のコメントが記されたボード。展示コーナーには小山さんのファンと思われる女性が大勢見学に来ていた

 キャンピングカーショー2023は日本RV協会(JRVA)が主催している。そこで会場の紹介をする前に、JRVA事務局の佐野明里氏に近年のキャンピングカー事情を伺ってみた。

 佐野氏によると、キャンピングカー市場は右肩上がりで売り上げも生産台数も大幅に伸びている状況とのこと。また、キャンピングカーでの旅をサポートするために、JRVAが認定している車中泊施設「RVパーク」の数も順調に増えていて、全国で300施設を超え、2023年2月にはこれまでRVパークがなかった鳥取県にも念願のRVパークがオープン。これにより47都道府県すべてにRVパークがある状況になったということだ。

 ちなみにRVパークを名乗る施設にはさまざまな形態があるが、すべてに共通しているのはスペースがゆったりしていること、敷地内に24時間利用できるトイレがあること、100Vの電源があることなど、安全・快適に寝泊まりができる条件が整っていること。海外にもRVパークのような施設はあるというが、大抵が駐車スペースがあるだけの作りなのに対して、日本のRVパークは前記した項目に加えて、例えば温泉施設に併設しているなど、宿泊の環境がよいところが多いのが特徴になっているそうだ。

一般社団法人日本RV協会 事務局の佐野明里氏
キャンピングカーの売り上げは年々伸びていて、とても大きな市場になっている。こうした傾向は今後も続くと予想されている
増えるキャンピングカーユーザーが安全、快適に旅をするために施設がくるま旅クラブが展開するRVパーク。このような前提のもと、全国に開設されていてその数300施設を超えたという

フィアット「デュカト(DUCATO)」ベースのキャンピングカーが一斉デビュー!

 では、会場の紹介に入ろう。今回の目玉はフィアットの正規輸入を手掛けるStellantisジャパンが2022年12月に発売したFIAT PROFESSIONAL(フィアット プロフェッショナル)の「デュカト(DUCATO)」と、デュカトをベースとしたキャンピングカーの展示だ。

 このデュカトを日本に導入するにあたっては、デュカト専用の販売ネットワークが構築されたが、そこでは日本の代表的なキャンピングカービルダー5社がフィアット プロフェッショナル正規ディーラー契約を締結。今回のジャパンキャンピングカーショーではこれら正規ディーラーをはじめ、数社がデュカトベースのキャンピングカーを出展していた。

 日本へ導入されるデュカトは3グレード。まずは標準タイプの「L2H2」で、ボディサイズは5413×2050×2524mm、ホイールベースは3450mm。次にロングホイールベースの「L3H2」で、こちらは5998×2050×2524mm、ホイールベースは4035mm。ロングホイールベース+ハイルーフの「L3H3」は5998×2050×2764mm、ホイールベースは4035mmとなっている。

フィアット車の輸入元になるStellantisジャパンが2022年12月に発売したFIAT PROFESSIONAL(フィアット プロフェッショナル)の商用車「デュカト(DUCATO)」
商用車なので内装はこのような状態が標準
運転席、助手席は回転する。運転席とカーゴスペースに仕切りがないのでキャンピングカーとしては都合のよいパッケージのいうことだ
RVランドの「LW Room」。バンライフをイメージしたモデル
「LW Room」のインテリア。男女問わず受け容れられるシンプルで機能的なデザインとしたそうだ
後方に広いベッドスペースが設けてある
ベッドスペースの下は収納スペース
四国の岡モータースが出展していた「グランクルーズ WD」
グランクルーズWDのインテリア。車内に独立した部屋が2つあるような作り
前席を回転させてリビングルームとする
奥にはベッドスペースにもなる部屋がある。隣は収納やトイレスペースなどに使えるフリールーム
トイファクトリーも4台のデュカトを出展。こちらはドイツの車両専用キャビネットシステム「bott(ブート)」を使用した「ASO bott」
車内に滞在するための作りというより、目的地で外遊びするためにベース基地的な作り
家具がないスペースが広く、遊びのための装備の準備や着替えなどもしやすい作り

定番のハイエースベースやキャブコン、軽キャンなど個性的な車両たちを紹介

 デュカトのキャンピングカーが目を引く会場だったが、従来からの人気車であるトヨタ ハイエースの出展がやはり一番多く、シンプルな仕様から車両販売価格が4ケタ万円になる豪華仕様まで揃っていた。

 また、トラックに別体の居住スペースを搭載したキャブコンバージョンタイプや、タウンエースなどをベースとした取り回ししやすい小型キャンピングカー。そして人気の軽キャンパーなど会場には多くのキャンピングカーが展示されていたので、ここからは個性的で目に止まったモデルと小物類をあわせて紹介しよう。

ダイレクトカーズが出展していたハイエースベースの「山小屋」
インテリアは車両のネーミングどおりのイメージになっていた。リビングルームもシートアレンジでベッド展開も可能
ベッドスペースは後方にもあってなんと2段ベッド。2名で使用すれば就寝スペースとリビングルームときっちり分けられるだろう
トイファクトリーの「HACO×HACO」モデル。数種類の棚が用意されていてユーザーは目的に合わせて棚を選んで搭載。自分で部屋をアレンジできるのが魅力だし、スペース作りが容易なのでアウトドアで行なうほかの趣味とも合わせやすい
作り付けではないので不要なときは降ろすこともできる
クオリティが高いので、もしクルマを換えても自宅の家具として使用できるだろう
ダイレクトカーズが初披露するハイラックスZ-GRスポーツをベースにした「ハイラックスBR75G」
形状はキャブコンバージョンタイプ。乗車定員は5名。就寝定員は4名~
室内の様子
後方にはシンクの部屋がある。アコーディオンカーテンで仕切られている
キャンパー厚木のキャブコンバージョン「Purry210」。ベースはトヨタのカムロードというトラック
キャビンが広く作れるのがキャブコン。ポップアップルーフにしたことで全高が2.1m以内に収まっているので、日常使いでも使用できる駐車場は多くなる
トラックベースだが乗り心地は乗用車のようによいという。また、横風にも強く走行安定性は高いそうだ
キャンパー鹿児島がトヨタカスタマイジング&ディベロップメントのサポートを受けて製作した「リベロ」。ベースはタウンエースでエクステリアのバンパープロテクター風のパーツやデカールはリベロ専用品
リベロのインテリア。キャンパー鹿児島のこだわりが盛り込まれた落ち着いた配色。質感も高い
8ナンバー登録となる。キャンパー鹿児島を運営する双日モビリティは東京都港区台場のアクアシティお台場内に「GRAND CAMPER Tokyo」をオープン。この車両も展示されているようだ
西尾張三菱自動車販売が出展していたアウトランダーPHEVベースの「E:POP」。ポップアップルーフを装備することで家族4人が就寝できるようになっている
ルーフのベッドスペースは1820×1050mm
1500Wまでの出力が可能なPHEVなので大きな電気を使う電気用品も使用できる。就寝時にエンジンを止めたままエアコン利用も可能だ
オートバックスが展開するブランド「ゴードンミラーモータース」の軽キャンピングカー「GMLVAN S-01」はダイハツのハイゼットがベース
インテリアのルーフやサイドは天然木を使っている
2列目シートを収納すると大人2名が就寝できるスペースが取れる
ホンダ車販売店のカーショップ スリーセブンが出展していたN-VANベースの「N-CAN」
オプションでサブバッテリーに1500Wインバーターを装備できる。DCエアコンの装備も可能
ベッドは片側のみの展開も可能。車中泊も普段使いもできる設計だ
クルーズカンパニーが出展していたスズキの新型車「スペーシアベース」のキャンピング仕様
走行充電システム、55Aサブバッテリー、40Wソーラーパネル、700Wインバーター、外部100V電源コンセントが標準。オプションで2000Wインバーター、100Aバッテリー、100Wソーラーパネルが用意される電源車でもある
就寝定員は1名。ソロで活動する人はぴったりのクルマ
パパビルドの「Favorite BOX active」。スペーシアをベースにした4ナンバー車というユニークベース車を使用
車中泊用というより1人で出かけた先でのベース基地というコンセプト。女性が愛犬を連れて旅行に行くことを考えて製作したという
リチウムイオンのサブバッテリーをフロアに収納する。天井も防音断熱処理済み。リアの3面ガラスには遮熱フィルムを貼ってある
注目度が上がっているルーフテントのなかでも人気ブランド「ジェームス・バロウド」の「GRAND RAID」はルーフ部に天井に台を装備しているハードシェルテント
Mサイズで室内サイズは1380×1960×980mm(幅×奥行き×高さ)。Lサイズは1580×1960×980mmで、最も大きいXLサイズは1580×2220×980mm
マットレスの厚みも十分にあるので寝心地はよいそうだ
キャンピングカーゴトレーラーの「かるキャン Follow ME」。キッチンや密閉エリアが搭載されたストレージボックスとルーフテントの組み合わせ
災害時のボランティア活動で使用された車体。現地に負担をかけずに数日活動する際の基地となったという
シンクは引き出し式。ルーフテントは「ジェームス・バロウド」の「SPACE」でサイズはSを使用する
愛知県にあるボーイングなどの航空機の組み立てを行なう企業「株式会社エアロ」が出展していたアルミ製トレーラー筐体。航空機製造の技術やノウハウを活用して作られている。扉や窓の位置、数など各種オーダーに対応できる
今回は内装をキャンピング仕様にしているが、ほかの利用も可能。外観デザインも航空機用コンテナのよう。室内窓やドアのデザインも航空機風。トレーラー筐体の重量は350kg以下
1mmのアルミ材やアルミフレームで組まれる。接合はリベットで打ち方などは航空機の組み立てで培った技術を使用。薄いアルミ板を歪みなく貼っていく技術もすごい。アルミ地の仕上げは鏡面にすることも可能だし、塗装を選択されても自社で行なえるという
かーいんてりあ高橋が出展していたサウナキャビン車。軽トラックの荷台にセットする
100V電源用のサウナヒーター ロウリュウ機能付きを搭載(4.5Kw)。外気温が約20℃の場合、約50分で室温は80℃になる
軽トラックに乗る。サウナキャビンは販売のほかにレンタルも行なっているので興味のある方はかーいんてりあ高橋まで問い合わせを
日本初上陸のベルギー製サイクルキャリア。ヒットメンバーに取り付けタイプで重量にあるe-bikeも搭載できる強度。長野県にあるフロットモービルが扱う。入ってきたばかりで価格は未定
モデルは2台積み。e-bikeを2台でもOKだ。このように折りたたむことができ、ヒッチメンバーからは簡単に取り外せる。そして外せば省スペースでしまえる
ヒッチメンバーに付けた状態でキャリアが前倒しできるので、ワゴン車やミニバンではキャリアを付けた状態でテールゲートの開閉が可能(車種による)
ALLGOODというアメリカンブランドの持ち運びできるピザ釜。「ジニアスクッカー チムニー。本体サイズは410×545×210mm(幅×奥行き×高さ)。オリジナルバッグ、煙突カバー、ピザピール、ペレット用スコップ、組み立て工具が付属で価格は3万9820円
ペレット使用で火力は約350℃。45~90秒くらいでピザが焼けるという。アウトドアフィールドで手軽に手作りピザが作れるのはおもしろい
ペレットのほかに薪なども使えるので、ピザだけでなく肉なども焼くことができる
アデンの「マジック グリル」。約850Wのホットプレートで高度な温度制御システムを搭載。肉を焼くにも温度が上げ過ぎないので水分の過剰な蒸発や焼きすぎによる煙の発生が少ないので車内調理に向いている
プレートは5層構造で表面はテフロン吹き付けでなく、テフロン板を圧着している。食材の焦げ付きもないし傷も付きにくく、使用後の掃除もサッと拭くだけで済む
Sサイズはプレートに縁があるのでより車内向き。画像のようヒーター部とプレートをバラしてしまえる。Sサイズの価格は1万8480円で標準サイズは2万3980円