ニュース

台湾で爆発的ヒットの進化系スイーツ、楊枝甘露(ヨンジーガムロ)ってなに!? マンゴーをボトルに詰めたごほうびドリンクが日本上陸、ひと足早く台湾で飲んでみた!

台湾に行って話題のデザートドリンクを飲んできました

 2021年夏、台湾でバズりにバズったというデザートドリンク「楊枝甘露(ヨンジーガムロ)」をご存じでしょうか? 楊枝甘露とは、もともと香港発祥のスイーツで、マンゴーやグレープフルーツなどの果物をタピオカ入りココナッツミルクやマンゴーソースと一緒に食べる定番デザート。中華料理店の杏仁豆腐のような存在ですね。

 その楊枝甘露が海を渡って台湾に上陸し、独自の進化を遂げて2021年春以降に大ヒット。香港生まれのデザートが台湾特有のドリンクスタンド文化にうまく溶け込んで話題となり、社会現象を巻き起こしたというのです。

インスタでは楊枝甘露の投稿があふれたそう
SNSでシェアされた美味しい飲み方いろいろ

コストコのボトル入りがブームのきっかけ。フルッタフルッタのボトル入り楊枝甘露とは?

 台湾での楊枝甘露ブームのきっかけになったのが、2021年4月からコストコで販売されたボトル入り楊枝甘露。現地でブームとなった楊枝甘露をフルッタフルッタが日本向けに発売するんだとか。フルッタフルッタは東京千代田区に本社を置き、アサイーなどアマゾンフルーツ冷凍商品を手掛ける会社です。

HPP製法に耐えられる厚めの容器。右が台湾で売られている少し容量の大きいもので左が日本版

 台湾で売られている楊枝甘露は、加熱の代わりに高圧処理する「HPP製法」で、フルーツの栄養分を壊さずにパッケージしているのが特徴。大気圧の5000倍という圧力をかけつつも風味や味わい、栄養素はそのままに、フレッシュフルーツをぎゅっとボトルに詰めこんでいるのです。使っているのはもちろん台湾産マンゴー。4月末~6月が旬の「愛文マンゴー」を一番よい状態で収穫しピューレにしています。

 そのままストレートで飲んでも美味しいのですが、台湾ではさまざまな飲み方がインスタなどSNS上でシェア拡散されたのだとか。そのボトル入り楊枝甘露がついに日本にも上陸! このたび、フルッタフルッタ主催のプレスツアーに参加して、ひと足早く進化系アジアンドリンクを堪能してきました。

日本でも販売スタートしたフルッタフルッタの楊枝甘露は公式オンラインストアや各種ECサイト(Amazon、Yahoo!ショッピング)、そして全国のコストコで販売中

台北の会議室でまずは1杯飲んでみた

まるでマンゴーを食べたかのような美味しさ

 何を隠そう私ゆきぴゅーは大のマンゴー好き。人生初の楊枝甘露、飲んでみると濃過ぎず、薄過ぎずの絶妙なとろみ感があってとっても美味しい! タピオカは思っていたより粒が小さめで主張し過ぎていません。ちなみにこのタピオカ、でんぷんだけでなくこんにゃくも入っているので、普通のタピオカより食物繊維が豊富でヘルシーなのだとか。

HPP超高圧処理でフルーツの栄養分を壊さずに殺菌する台湾KFSの技術が美味しさの秘密

本来ならばマンゴーの時期に台湾に行って、街なかのドリンクスタンドでオーダーして飲みたいところですが、それが日本でも気軽に買えて、冷蔵庫に入れておけばいつでも飲めるってうれしいですよね。

台北の街に出て市場調査! いろんな楊枝甘露を飲んで(食べて)みた

ドリンクスタンドでテイクアウト。マンゴー好きにはたまらないツアーでした

 さて、ボトル入り楊枝甘露を台北某所の会議室で試飲したあとは、実際に現地台湾ではどんな感じで浸透しているのかを探るべく、レストランやドリンクスタンドに立ち寄っていろいろな楊枝甘露を飲み(食べ)比べしてみました。

 ということで、まずは台湾コストコへ。広くて寒い冷蔵コーナーのなかに一歩足を踏み入れると……ありました、楊枝甘露! 2本セットで売られていて、日本円だと1200円ほど。やはり大人気のようで、次々とカートに入れられていましたよ。

台湾コストコで発見! 1.2Lボトル2本セットでNT$265なので、約1181円(1ニュー台湾ドル=約4.46円換算)ここまで円安ではなかったコロナ前なら1000円切っていましたね
ずっしり重い2本セット。これお家の冷蔵庫に常備したい!

 1軒目は香港系のカジュアルレストラン「波記茶餐廳」(No. 8號, Lane 70, Yanji St, Da’an District, Taipei City)です。楊枝甘露の発祥地・香港の鉄板デザートスタイルでいただきました。メニューには「百香楊枝甘露」とあって、NT$95なので約423円(1ニュー台湾ドル=4.46円換算)。ちなみに百香はパッションフルーツのこと。タピオカのつぶつぶに加えてパッションフルーツのプチプチ食感がいい感じ。

香港カジュアルレストラン「波記茶餐廳」
黒っぽい粒はパッションフルーツ

 続いて「玖尹新派中式餐酒館」(No. 39號, Yitong St, Zhongshan District, Taipei City)というモダンチャイニーズレストランへ。ここでは創作デザートとしての楊枝甘露を優雅な雰囲気で。値段はNT$248(約1106円)とちょっとお高めなのですが、それもそのはず、運ばれてきたのは思わず歓声が上がる映えデザートでした。バニラアイスと濃厚マンゴーの相性が抜群でした。

モダンチャイニーズレストラン「玖尹新派中式餐酒館」。とってもオシャレで素敵なお店なので女子旅にお勧め
ドライアイスのもくもく演出にびっくり!
イクラのように見える粒はオリジナルのタピオカで、なかはもちろんマンゴー味

 3軒目は「満上 仙草茶飲専売店」(No. 58號, Songjiang Rd, Zhongshan District, Taipei City)というドリンクスタンドです。台湾に6店舗あって今回訪れたのは本店。楊枝甘露は夏季限定なので今の時期は販売していないのですが、今回は特別に冷凍マンゴーで作ってくださいました。

ビジネス街に店を構える「満上 仙草茶飲専売店」本店は落ち着いた雰囲気のオシャレなドリンクスタンド。こちらのお店の看板メニューは仙草というハーブを煮出した仙草茶だそう

 ボトル入りで提供する満上の楊枝甘露は、カットマンゴー、グレープフルーツ、タピオカ、ココナッツミルク、そしてマンゴーのソルベがたっぷり入っていて、ボトルを持っただけでテンションUP。そして飽きることなく最後まで飲める美味しさ! 店長さんいわく「マンゴーのシーズンなら、これの20倍美味しいです」とのこと。お値段はNT$90(約401円)とリーズナブル!

これぞインスタ映え楊枝甘露! マンゴーはソルベになっていてこれがまたひんやり美味しいのです。ドリンクスタンドの楊枝甘露はレイヤーの美しさを愛でるのも1つの魅力だとか

 お腹がふくれて胃袋もちょっと冷えてきたところで、最後はホット楊枝甘露で〆ました。訪れたのは「TrueWin(トゥルーウィン)初韻」(No. 11-2號, Xinyang St, Zhongzheng District, Taipei City)という大手タピオカドリンク専門店。マンゴーの鮮度をキープしながら急速冷凍する独自技術がウリで、夏限定だった楊枝甘露が一年中楽しめるようになったのだそう。お値段はホット/アイスともにNT$85(約379円)。こちらも日本の感覚からするとお安い!

23店舗を構える「TrueWin 初韻」の台北駅前店。ポップでかわいい店内

 ホット楊枝甘露といってもアツアツというわけではなく、ほんのり温かいという感じ。喉越しのよい愛玉ゼリーがマンゴーを絡めてつるんと口のなかに入ってきます。こちらのお店はドリンクの甘さや氷の量を選べるのが特徴で、自分好みにカスタマイズするのが台湾流のようですよ。

左はアイス、右はホットの楊枝甘露。通常ホットは中身が見えないカップで提供されるのですが、今回は用意したグラスで
マンゴー、ココナッツミルク、タピオカ、愛玉ゼリー、グレープフルーツが入っています。ホット楊枝甘露は爽やかで甘いぬるいデザートという感じ

楊枝甘露を自宅でも飲んでみた!

台湾で聞いてきた「楊枝甘露2:牛乳1」という黄金比率にトライ

 台湾から帰ってきて、自宅でも楊枝甘露を飲んでみました。台湾でバズったという飲み方「楊枝甘露2:牛乳1」を試してみることに。

 楊枝甘露を入れたグラスのなかに静かに牛乳を注ぐと、あら素敵、キレイなグラデーションに! 見た目がよいのでおもてなしの席にもよさそう。牛乳や炭酸で割ったり、ヨーグルトにかけたり、お酒で割ったり、アイスやプリンにしたりとアレンジ無限大の楊枝甘露。日本では果たしてどんな飲まれ方が広まるでしょうか?

マンゴーがピューレ状なのでタピオカが沈まず浮いていますが、飲むときはボトルをよく振って
あとから牛乳を注ぐとキレイなマーブル模様に
こんにゃく入りのタピオカの食感がクセになります

 今回の取材で一番印象的だったのが、台湾の人達は冷凍マンゴーを使いたがらないということ。マンゴーは旬が短い夏季のフルーツ。5~6月が一番美味しくて、それ以降は出回りません(なので今の時期に行ってもマンゴーかき氷はないのです)。梅雨はイヤだけれどマンゴーの季節だ~!と喜んで短期集中で堪能するのだそうですよ。それを聞いて、ますますマンゴーの季節に台湾を訪れてみたくなりました。

久しぶりの台湾は

 観光目的での入国が可能になり、12月10日にはついに入境上限者数の上限が撤廃された台湾。街を歩いてみるとまだまだ外国人観光客の姿は少ないものの、徐々に賑わいを取り戻しつつあるのかなという印象でした。

 何を食べても美味しいし、足つぼマッサージは相変わらず痛気持ちいいし、人々はフレンドリーで「やっぱり大好き、台湾!」を実感した今回の渡航。街のスナップ写真を最後にご紹介します。

乾物や漢方薬、布などの問屋が建ち並ぶ「迪化街」をぶらり
夜はホテル周辺のレストランで小籠包。帰りは定番の足つぼマッサージへ