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北陸新幹線 敦賀車両基地、建設現場に行ってみた! 建屋はかがやき・JR西日本・敦賀市・水島のブルーをアクセント

2021年11月7日 公開

建設中の敦賀車両基地

 福井県は11月7日、2年半後に迫った北陸新幹線延伸開業のため、建設工事を進めている「敦賀車両基地」の現場見学会を開催した。

 福井県民限定で募集し、8月に申し込みを締め切っていたもので、芦原温泉駅、越前たけふ駅、福井駅に続く4か所目となる。(10月に行なわれた福井駅の建設現場見学会の様子はこちらの記事をご覧いただきたい)。

 今回の敦賀車両基地見学会は、募集定員250名のところ596名の応募があり、4か所のなかでは一番人気だったとか。県の担当者は「車両基地は開業してしまうとめったに入る機会がないからではないか」と話していた。当日は穏やかな秋晴れに恵まれ、見事抽選をくぐり抜けた親子連れなどが約50分の貴重な現場見学会を楽しんでいた様子だった。

グレーの外壁にシンボルカラーのブルーが施されたスタイリッシュなデザインの建物

 この敦賀車両基地は敦賀駅から南に約2kmのところに建設が進められている。建屋は水平ラインを強調したデザインで、外壁の主要な色にはグレーを用い周囲との調和を図っている。アクセントとなっているブルーは「かがやき」塗装のブルー、JR西日本のブルー、敦賀市の市章のブルー、そして“北陸のハワイ”と言われる観光名所・水島のブルーと、さまざまなブルーで北陸新幹線らしさを演出したという。

見学会は50名ずつのグループに分かれて5回行なわれた
敦賀車両基地の概要や構造などを聞く参加者
最前列では熱心に説明に聞き入る子供たちの姿が見られた

 最初の15分ほどは鉄道運輸機構の担当者がパネルを用いて車両基地の概要や構造などを説明。質問タイムでは、参加者から「将来、北陸新幹線が大阪方面に延伸していった場合、この車両基地はどうなるのか。素通りしていって必要なくなってしまうのでは?」という質問も。それに対して担当者は「敦賀以西の計画のなかでも一定の間隔で車両基地は設けることになる。次の車両基地は、7編成分格納できるここ敦賀車両基地の設備を活かしつつ計画されるはず」との回答だった。

敦賀車両基地の完成イメージ図
今回見学できたのは仕業検査庫。ここだけでも十分広いと思ったのだが、奥にさらに広い着発収容庫があるのだ
新幹線車両基地には4つの検査があって、右にいけばいくほど頻度は少ないが大規模な検査となる
石川県白山市にある車両基地は全国でも数か所しかない総合車両所で、敦賀車両基地の2倍ほどの大きさがあるという

「車庫」という役割だけでなく車両基地にはいろいろな設備がある。ここ敦賀車両基地には消雪基地という、線路に散水して雪を解かす施設もできる予定だという。

 そんな敦賀車両基地の面積は約12ヘクタールで、東京ドームの2.5倍の大きさ。建屋自体も長さ400m、幅70m、天井までの高さ15mもあるスケールの大きな建物だ。今回見学したのはその広い車両基地のなかの「仕業検査庫」と呼ばれるエリアで、ここは2日に1回くらいの頻度で車両の日常点検を行なうところだという。

ここにはレールを浮かせて下に作業員が入ることができる設備が設けられる
奥の壁の向こうには7編成の新幹線車両が格納できる着発収容庫がある
記念撮影用のパネルも設置
敦賀は雪の降る場所なので新幹線に雪が積もらないように屋根付きの建屋だ
建築工事の進捗状況としては約8割とのこと
パンタグラフや台車、ブレーキ装置などを調べる検査などが行なわれる敦賀車両基地
正解すると記念品がもらえるクイズラリーを設置。なかなか難問だった
熱心にカメラのシャッターを切る姿も見られた

総合事務所の屋上へ

5階建ての総合事務所屋上から敦賀港方面(北)を眺めるの図

 この日は報道関係者限定で、隣の総合事務所屋上が開放され、高い場所からの目線で、敦賀駅から車両基地までの位置関係や距離感を把握することができた。

高い場所から見ると2km先にある敦賀駅との位置関係がよく分かる
新幹線の高架橋から車両基地へ入ってくる回送線部分の工事も急ピッチで進んでいた
この長いクレーンがある辺りが現在建設中の敦賀駅。船をモチーフにして作られている
屋根の大きさで建屋の広さを実感
南側の風景がこちら
米原方面に向かう特急が見えた! 帰りの特急で左側に座れば線路から車両基地が見えるということになる
ということで、帰りの特急しらさぎのなかから見た敦賀車両基地

 ところで、北陸新幹線の延伸開業で福井県内には芦原温泉駅、福井駅、越前たけふ駅、敦賀駅の4駅が設けられるが、今回の一連の現場見学会では敦賀駅だけは行なわれなかった。ほかの駅と比べて進捗が遅いからのようだが、終点というだけあって面積も一番広く大きな駅になる予定だ。

 現在出口は西側のみだが、新たに新幹線側に東口広場が作られ、そのすぐ近くに木の芽川が流れるというロケーションとのこと。敦賀車両基地とあわせて敦賀駅の完成も待ち遠しい。

JR敦賀駅前の西側。現在、在来線の東側で北陸新幹線 敦賀駅の建設が進んでいる
駅に隣接する交流施設オルパーク内では2024年春の延伸開業に向けてのカウントダウンボードも
前泊した駅前のビジネスホテルの客室から見えた北陸新幹線 敦賀駅の工事風景。敦賀駅は1階に在来線特急用のホームを有する構造になる予定