国立科学博物館、ミニ企画展開催。のび太の夢を叶えた「エウブロンテス・ノビタイ」レプリカを公開

エウブロンテス・ノビタイ 想像図

　国立科学博物館は「エウブロンテス・ノビタイ」の足跡レプリカ1点を公開し、足跡化石とその研究についてのミニ企画展を開催する。期間は11月30日～12月12日。

国立科学博物館 ミニ企画展

Webサイト： 国立科学博物館 入館予約
会場： 国立科学博物館 地球館1階
開催期間： 2021年11月30日～12月12日
入館料： 一般・大学生 630円（団体510円）、高校生以下・65歳以上 無料
休館日： 毎週月曜
入館方法： 要事前予約

Xing, Lida准教授（左）助手（右）

「エウブロンテス・ノビタイ」は、2020年7月の四川省での集中豪雨の後、板状の岩石上に発見された4歩の足跡化石。命名したのは中国地質大学の准教授 シン・リーター（Xing, Lida）氏。自身が「ドラえもん」のファンであり、映画「ドラえもん のび太の新恐竜」のなかで、のび太が新種の恐竜に自分の名前をつけるシーンがあったことから、のび太の夢を叶えたいと思い、献名したという。

　足跡は中型で、足裏が幅広、第2趾の指の付け根の痕跡が明瞭であることなどからエウブロンテス属に分類される。今回はこれまで報告されている種よりも、第2趾と第4趾の左右の開きが大きく、中央の指（中指）がやや外側に向いていることなどから新種とされた。また、足裏の長さから、ノビタイは全長約4mの肉食恐竜で、足跡は約1億2500万年前、現在の中国・四川省金魚渓の地面に残されたもの、歩幅から約4km/hで歩いていたものと推定される。

　エウブロンテスは、アメリカのコネチカット州で発見されたジュラ紀の肉食恐竜の足跡につけられた学名で、エウ（真の）＋ブロンテス（地響き、雷）という意味を持つ。2足歩行で、3本の指先には鋭いカギツメの痕がある。足跡の長さは約30cmで、幅広めの足を持つ。これまでにも中国でも報告されているが、白亜紀（約1億4500万年前〜6600万年前）からは初の報告となる。

エウブロンテス・ノビタイ 足跡化石写真とイラスト

エウブロンテス・ノビタイ 足の想像図