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コロナ禍の経路・目的地検索は自転車移動が増加傾向。ナビタイム調べ

2020年2月3日~2021年5月16日 対象

経路検索数の変化(交通手段別)

 ナビタイムジャパンは、新型コロナウイルス感染拡大前から現在までの経路検索数や目的地検索の変化を分析した。

 同分析では、2020年2月3日~2021年5月16日の期間を対象に、緊急事態宣言発出期間やその前後、ゴールデンウィーク期間における目的地検索などの変化を検証した。なお分析には、「NAVITIME」「カーナビタイム」「自転車NAVITIME」など、各種ナビゲーションサービスから同意を得て取得した経路検索条件データを活用している。

経路検索数の変化(交通手段別)

 同社が提供するナビゲーションサービスの経路検索条件データをもとに、検索件数を交通手段別(自動車/自転車/公共交通)に集計した。2020年2月3日週の値を100としたときの週次の検索数をグラフで示している。

 一度目の緊急事態宣言期間中(2020年4月7日~5月25日)は、自動車と公共交通の検索数が減少している一方で、自転車の検索数が増加傾向にあった。解除後は、自動車と公共交通の検索も回復しているが、11月ごろから年末年始にかけて一時的に減少している。

 二度目の緊急事態宣言中(2021年1月8日~3月21日)は、いずれの検索数も宣言前と比較して増加傾向にあった。また、三度目の緊急事態宣言中(4月25日~)は、自動車と公共交通の検索数は減少傾向にあるが、自転車の検索数は増加している。特にゴールデンウィーク期間の検索数は、2020年のゴールデンウィーク期間に比べて約1.5倍増化した。

経路検索数の変化(ジャンル別・自動車)

経路検索数の変化(ジャンル別・自動車)

 ナビゲーションサービスの経路検索条件データをもとに、自動車利用を対象として目的地の検索数をジャンル別に集計した。お出かけに関する6つのジャンル「生活用品/日用品」「ショッピングモール/商店街」「レジャー/アウトドア」「スポーツ」「映画/劇場/ホール/ライブハウス」「宿泊/温泉」ごとに、2月3日週の検索数を100とした時の週次の検索数をグラフで示している。

 一度目の緊急事態宣言期間中(2020年4月7日~5月25日)は、生活雑貨/日用品」以外の検索数が軒並み減少した。その後、8月~10月ごろにかけて「レジャー/アウトドア」「ショッピングモール/商店街」の検索数が一時的に増加しているが、年末年始から二度目の緊急事態宣言期間(2021年1月8日~3月21日)に入ると一転して減少傾向がみられた。

 一方、2021年のゴールデンウィーク期間は、2020年のゴールデンウィーク期間に比べて「レジャー/アウトドア」や「ショッピングモール/商店街」の検索数が増加傾向であることも分かる。

GW期間中のスポット検索ランキング(自動車)

GW期間中のスポット検索ランキング(自動車)

 ナビゲーションサービスの経路検索条件データをもとに、目的地として検索された人気スポットを集計。自動車利用の検索を対象に、2020年と2021年のゴールデンウィーク期間(いずれの年も4月29日~5月6日)の検索をランキング化した。

 2020年のゴールデンウィーク期間は、29位中13件が「生活雑貨/日用品」に関する大型商業施設であった。一方、2021年のゴールデンウィーク期間は、自動車でアクセスしやすいアウトレットなどのショッピングモールや、「国営ひたち海浜公園」「あしかがフラワーパーク」「マザー牧場」など、季節的にも人気な屋外スポットが多く検索されている。

GW期間中の都道府県間の越境移動

都道府県別越境移動の検索数変化(すべての交通手段)
都道府県別越境移動の検索数変化(自動車)
都道府県別越境移動の検索数変化(公共交通)

 ナビゲーションサービスの経路検索条件データをもとに、出発地と目的地で異なる都道府県内にあるスポットの検索を対象として、各都道府県における県外からの移動需要を集計した。すべての交通手段(徒歩、電車、バス、飛行機、自動車、バイク、自転車、フェリー)を対象にした検索と、交通手段別(自動車と公共交通)の検索を分析し、2020年ゴールデンウィーク期間の検索数を100とした時の2021年ゴールデンウィーク期間の検索数の伸びを都道府県ごとにグラフで示している(いずれの年も5月1日~5日)。

 すべての分析結果で、全都道府県における2020年ゴールデンウィーク期間の検索数よりも2021年の検索数が増加した。

 また、すべての交通手段を対象とした検索で、2020年の検索数と比較した場合の全国平均は2.4倍となった。特に北関東(栃木県・群馬県)や中部地方で関東に隣接している県(山梨県・長野県・静岡県)と、山陰地方(鳥取県・島根県)、九州地方(長崎県・熊本県・大分県・沖縄県)などではこの平均を超えている。一方で、大都市圏(札幌・東京。名古屋・大阪・福岡)を含む都道府県は平均を下回っている。

 すべての交通手段を対象とした検索と自動車の検索を比較すると、全国平均や各都道府県の検索傾向はほぼ同様であることが分かる。一方、公共交通の全国平均は3.3倍と、ほか2つの全国平均を大きく上回り、北関東や中部地方、九州地方(特に長崎県)だけでなく、四国地方など多くの都道府県で、公共交通を利用した移動需要が増加している。