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「ウォーターマークホテル京都」内覧会レポート。客室の水がすべて「ファイテンウォーター」

京都五条に130室の和モダンなホテル

2020年10月1日 オープン

ウォーターマークホテル京都

 H.I.S.ホテルホールディングスが「ウォーターマークホテル京都」を10月1日に開業する。

 本ホテルはウォーターマークブランドとしては、長崎、インドネシア・バリ島に次ぐ3軒目。京都市街地の中心部、五条烏丸交差点近く、京都市営地下鉄 五条駅から徒歩約2分と、ビジネスにも観光にも便利な立地だ。

ウォーターマークホテル京都

開業日: 2020年10月1日
所在地: 京都市下京区室町通五条下る大黒町195
アクセス: 京都市営地下鉄烏丸線 五条駅 4番出口(階段)から徒歩約2分/6番出口(エレベーター)から徒歩約4分
建物: 地上10階建て
客室数: 130室(スイート×9室、ダブル×40室、スーペリアツイン×70室、スタンダードツイン×9室)
特徴: 全館禁煙、無料Wi-Fi、コインランドリー、自動販売機、製氷機など
付帯施設: ベーカリーレストラン(全54席)
Webサイト: ウォーターマークホテル京都

外観・ロビー

ウォーターマークホテル京都は五条通と室町通に面している

 ウォーターマークホテル京都は、伝統的な和の素材「木」「土」「石」「格子」「和紙」の5つのマテリアルを重視し、「ウォーターマーク」から連想される「水」も加え、各素材が際立つような空間を形作った。京都の中心部という絶好のロケーションで、日本と京都の伝統が一体化した唯一無二のくつろぎを提供するという。

 外観に土壁や木を用い、1階部分は柱を表に見せ、柱と柱の間を土壁で埋める「真壁造り」風の意匠としている。この規模のホテルとしてはエントランスも小さめで、京都の町の景観に溶け込むようなしつらえだ。

 中に入ると、5つのマテリアルと暖色系でやや暗めな照明によりシックな和の世界観。ロビーも華美なものはなく、フロントのカウンターや椅子、テーブルもシンプルで機能的な配置。静かで穏やかな滞在を予感できる空間だ。

五条通りに面したメインエントランス。1階部分は「真壁造り」風で京町屋のイメージとした
1階の外壁は優しい浅黄色の土壁。京都には聚楽壁といったの伝統の土壁がある
天然木と敷石で、町屋造りの「通り庭」のような風情をたたえたエントランス
エントランスから見たフロント。通りから隔たれており外の喧騒は聞こえてこない
ロビーには木や石、格子を巧みに配置している。吊り天井や暖色系の照明もあり、旅館のような落ち着いた佇まいだ
フロント。背の高い透明アクリル板で雰囲気を損なわずにウィルス対策をしている
自動チェックイン/チェックアウト機。多言語対応で両替機能もある
ロビー全景。「木」「土」「石」「格子」「和紙」、そして「水」で伝統的な和の世界観を演出
和の素材それぞれが際立つような配置のロビー。シンプルでくつろげることはもちろん、コロナ渦にあっては清掃、消毒もしやすそうで清潔な印象も受ける
天井にはプロジェクターが3基備わり、夕方から夜間は京都の四季をイメージする映像が投影される

客室

全室ともに伝統的な和とモダンを調和した清潔なつくり(スイート)

 ウォーターマークホテル京都の客室は、全室旅館の和洋室のようなくつろぎ方ができることが特徴。客室は、ホテルコンセプトの“伝統的な和の世界観”にモダンを調和したしつらえ。全室ともに豪華さは抑え、日本家屋の機能美を感じさせる。

 白木をあしらった壁面は木の香りも爽やかで、明るく柔らかい雰囲気だが、年月とともに風合いが変化していくとまた違った印象になりそう。床は琉球畳が敷き詰められ、部屋では靴を脱いで滞在する。スリッパもあるが、柔らかで冷たすぎない畳は素足で歩くと心地よさそうだ。

 客室設備で最も大きな特徴が、「Phiten Water(ファイテンウォーター)」。これはファイテンの健康家電「ウォーター加工器」により水道水をプレミアムな水としたものだそうで、ウォーターマークホテル京都では、洗面台、バスルームのシャワーなど、客室すべて「水」と「湯」にこれを採用している。ホテルとして全面的にファイテンウォーターを採用したのは世界初とのこと。

 客室のテレビをデジタルサイネージにするホテルも増えてきているが、ウォーターマークホテル京都では、客室タブレットサービス「tabii」を全室に設置している。ホテル周辺の飲食店や京都の観光情報などを効率よく検索できるもので、ベッドやチェアでくつろぎながら、仲間と談笑しながら利用できる。フロントで近隣の情報を聞くことも不要になるため、ウィズコロナにもマッチしたサービスといえそうだ。

客室は和のテイストでシンプルにまとめた落ち着いた雰囲気だ(ダブル)
全室とも、室内の床面は縁のない琉球畳敷き。素足でリラックスできる(スイート)
客室タブレットサービス「tabii」の端末。周辺の観光地や飲食店の情報などのコンテンツがそろう
全室にKEURIG(キューリグ)のカプセル式コーヒーマシンを設置。KEURIGは北米ナンバーワンシェアのコーヒーメーカーで、客室で美味しいコーヒーを気軽に楽しめる
AC100Vと充電用USBポートは、ベッドサイドとテレビ付近に設けている
プラズマクラスター機能付きの空気清浄機も全室に設置
洗面、トイレ、バスルームもシンプルで使い勝手を優先している

 もっともゆったりと滞在できるスイートルームは全8室。広さは41.9m 2 で、160×195cmのベッドが2台と、95×195cmのエキストラベッド(ソファベッド)があり、最大5名の宿泊が可能。和モダンを基調としたシンプルなしつらえで使い勝手もよさそう。床面積が広く、荷物の整理もベッドの上を使わずにできそうだ。また、エントランスも広めなのでベビーカーやキャリーバッグなど滞在中に使わないものも人数分置ける。ファミリーはもちろん、女子会などグループでの滞在にもピッタリだろう。料金は大人2名利用時で1室6万円(サービス料込み)から。

スイートルームはソファエリアとベッドエリア、エントランス・洗面・バス・トイレに分かれる
シモンズ製ベッドは160×190cmが2台。95×195cmのエキストラベッド(ソファベッド)も備える
サイネージ兼用のテレビとコーヒーマシン、アメニティ類も機能的に配置
スイートルームをはじめ、高層階の南側の部屋からは京都タワーが見える。タワーの手前は東本願寺
京焼の窯元による、ウォーターマークホテル京都専用のカップと湯飲み。スイートルームではコーヒーカップに森里陶楽、湯呑みに陶葊(とうあん)のものを採用
アメニティ類はいずれも個包装で衛生に配慮している。スイートルームのフェイシャルケアは女性に人気の「OSAJI」
広く使い勝手のよいエントランス。クローゼットも大型で、グループでの宿泊にも余裕のキャパシティ
洗面、バスルーム(右)、トイレ。シンプルで空間を大きく確保している

 ボリュームゾーンとなる客室は、ダブルルーム(全44室)とスーペリアツインルーム(全60室)。ダブルルームは17.7m 2 ~19.7m 2 で160×195cmのベッドを備える。料金は大人2名利用時で1室2万4000円から(サービス料込み)。スーペリアツインは20.4m 2 ~21.4m 2 で110×195cmのベッドが2台。料金は大人2名利用時で1室3万円から(サービス料込み)。ほかにスタンダードツインルームが9室あり、こちらは広さ18m 2 で、ベッドは110×195cmのものが2台、料金は大人2名利用時で1室2万4000円から(サービス料込み)。

 なお、10月から「Go To トラベル」キャンペーンの適用により、公式サイトの表示価格から35%引きで宿泊できる。

ダブルルームは計40室。木と畳で居心地のいい空間だ
ベッドはスイーツと同様のサイズで、こちらもシモンズ製
エントランスと部屋を仕切る扉を閉めれば、自宅のような雰囲気に
スーペリアツインルーム。計60室で、ダブルルームとともに当ホテル主力の客室
ダブルルームより約2~4m2広いが、基本的なつくりは同じ
エレガントな和洋室。あらためて、京都に滞在していることを意識させられる
ダブル、スーペリアツイン、スタンダードツインのアメニティは巾着袋に収められている
ダブル、スーペリアツイン、スタンダードツインには京焼の窯元、冨田玉凰のカップが置かれている
KEURIGのコーヒーマシンとtabiiのタブレットは全室に設置
金庫や電気ケトル、冷蔵庫なども全室に設置
エントランス、洗面台、バスルーム(スーペリアエリアツイン)

ベーカリーレストラン

ベーカリーレストラン「THE MUROMACHI BAKERY」

 1階には、京都で100年の歴史を持つ老舗レストラン「都食堂」がプロデュースするベーカリーレストランがオープン。歴史ある室町通に面し「THE MUROMACHI BAKERY」と名付けられたこのレストランは、宿泊者の朝食はもちろん、宿泊者以外でもブレックファースト(テイクアウト可)、ランチ、カフェ、そしてディナーが楽しめる。ベーカリーは食パン、バゲットから総菜パン、クロワッサンなどをバリエーション豊かにそろえ(約20種種類)、コーヒーもオリジナルの「室町ブレンド」や水出しコーヒーなどこだわりのものを提供する。

THE MUROMACHI BAKERY

営業時間:
[朝食]7時~10時(ラストオーダー9時30分)
[昼食]11時30-フン~15時(ラストオーダー14時30分)
[カフェ]15時~17時30分
[夕食]18時~22時(ラストオーダー(21時30分)
席数: 57席

ホテルと共通のコンセプトで落ち着いた店内
ホテル1階ロビー側の出入口
五条通り側からも、ホテルを経由せず直接出入りが可能

日本人にも外国人にも伝統の和を感じてほしい

 ウォーターマークホテル京都 ホテルマネージャーの宮崎大介氏に話を聞いた。ホテルの特徴について宮崎氏は、「当社が考える、日本の和を象徴した木・土・石・格子・和紙の5つのマテリアルと水をふんだんに取り入れたホテルです。京都駅から地下鉄で1駅の五条通に面しており、観光の拠点として非常に便利です。京都の真ん中ですが、(繁華街である)四条ほど賑やかではなく、静かに滞在でき、歴史ある室町通にも面しています」と説明。

 ウォーターマークホテルブランドとしては関西エリア初進出だが、H.I.S.ホテルホールディングスでは京都駅八条口前に「変なホテル京都 八条口駅前」を運営している。ビジネス需要が強い変なホテルと差別化するうえでも、ウォーターマークホテル京都では日本を感じてもらいやすいつくりとしたようだ。ターゲット層については、「日本を感じたいと考えるインバウンド客はもちろん、日本人のファミリーやカップルにもくつろいで利用してほしい」と宮崎氏。「ファイテンウォーターをはじめ、シモンズのベッドや、ロビーのプロジェクションマッピングなど、より楽しくリラックスして滞在していただける工夫も多く取り入れました。『Tabii』などの従業員との接触を減らす仕組みも取り入れ、フロントなどについては徹底したウィルス対策を講じていますので、安心してお越しいただけると思います」と話してくれた。

ロビーのコロナ対策の表示板。足元にはディスタンスを保つ目印もあった
ウォーターマークホテル京都 ホテルマネージャー 宮崎大介氏