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4連休初日の羽田発~新千歳/那覇行きのANA便は終日ほぼ満席。井上専務「この流れを持続して日本経済活性化に」

Go To トラベルへの東京追加で10月以降の予約数増加

2020年9月19日 取材

4連休がスタートした9月19日の羽田空港第2ターミナル

 ANA(全日本空輸)は4連休がスタートした9月19日、約7か月ぶりに1日あたりの予約数が8万人を超えるなど、利用者が大幅に増加している状況を踏まえ、羽田空港で代表取締役 専務執行役員 井上慎一氏が報道陣の取材に応えた。

 ANAによると、9月19日の国内線予約数は約8万7000人で、2月28日の9万1596人以来、約7か月ぶりに旅客数が8万人を超える見込みとなっている。新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言下では1日約8000人の状況があったほか、8月のピーク時でも最高で1日約6万2000人。4連休最終日となる9月22日も予約数は約8.6万人、4日間平均では約6.9万人となっており、この4連休の高い需要をうかがえる。

 この4連休は運航便数こそ計画の55%前後ではるものの、9月19日の予約数は97.2%。予約数は先述のとおり約8万7000人で、うち約3万6000人は羽田発となっている。特に北海道、沖縄へ行く便の需要が高く、大型機のボーイング 777型機や、中型機のボーイング 787型機での運航でありながら、初便から最終便までほぼ満席が続く。

 ちなみに、9月11日にGo To トラベルキャンペーンを東京に拡大する方針が示されているが、9月12日~18日の新規予約数は、前週(5日~11日)の新規予約数に比べ、10月搭乗分で1.8倍、11月搭乗分で3.5倍と大幅に増加しているという。

混雑する羽田空港
9月19日朝の出発案内板。プレミアムクラスを中心に空席「×」が目立つ

 新型コロナウイルスの感染が拡大してから閑散としがちだった羽田空港第2ターミナルの様子も9月19日朝は一変。多くの利用者で混雑し、保安検査場前は長蛇の列が作られていた。利用者同士が間隔を空ける傾向であったことも列が長くなっている理由の一つになっているほか、ANAエアポートサービス 旅客サービス部長の久沢弘太郎氏によると保安検査場自体はそれほど混雑しておらず、その手前の消毒などがボトルネックになっているため、消毒液の設置数を増やすなどして対処しているという。

 ちなみに、第2ターミナルでは現在、4か所(A~D)の保安検査場のうちA~Cの3か所を運用。保安検査場A/Bはほぼすべてのレーンがスマートレーン化しており、「その効果は大きい」とし、これまでの状況からおおむね1.5~2倍程度の所要時間短縮の効果があると見ている。こうしたことから、スマートレーンが入っている保安検査場A/Bへの誘導するようにして、全体の混雑緩和を図っているという。

朝の混雑時間帯には保安検査場A/Bの前に長蛇の列
保安検査場C/Dは、Cのみが運用中
全日本空輸株式会社 代表取締役 専務執行役員 井上慎一氏

 取材に応じたANA 代表取締役 専務執行役員の井上慎一氏は、この羽田空港の状況を見て、開口一番「うれしい」と話し、「8月中旬以降、徐々に予約が増えて、右肩上がりになっていたところに、9月11日にGo To トラベルキャンペーンの東京除外を解除する方針が示され、ここで勢いがついた」と説明。

 このGo To トラベルキャンペーンで東京が解禁となったことに対しては、「大きいほど期待している。東京は一番大きなマーケット。これが動くということは、運輸業界、観光業界、旅行業界そのほか、すべての日本経済活性化につながるものと思っている」とコメント。ビジネス需要についても同様に回復傾向が見られるという。

 一方で、現在でも運航便数は計画の約55%という状況だが、「この流れが続けば、弊社もどんどん便数を回復できる」とし、動向を見ながら便数計画を立てている姿勢を示す。「まずは10月、11月に素晴らしい秋の紅葉シーズンで盛り上がっていただき、そして年末年始を迎えられれば」との期待を示した。

 そして、「この動きを確実なものとするために、これまで以上に感染防止に対してもっと脇を締めて取り組みを進め、この流れが持続するよう尽力したい」と語った。