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観光庁、日本人の海外旅行者2000万人突破を祝う。田端長官「2020年はアウトバウンドにとって好材料ばかり」

2020年1月27日 実施

観光庁がアウトバウンド2000万人突破の祝賀会を開催

 観光庁は1月27日、日本人の海外旅行者数が2000万人を突破したことを記念した祝賀会を開催した。

 2017年3月に閣議決定した「観光立国推進基本計画」では、2020年までに日本人の海外旅行者数(アウトバウンド)を2000万人にすることを掲げているが、2019年に2008万人を記録したことで、政府目標を1年前倒して達成したことになる。

 当日は国土交通省の会議室を会場に、観光庁長官の田端浩氏、JATA(日本旅行業協会)会長の田川博己氏をはじめ、観光関係団体や企業、各国の駐日大使館、政府観光局の関係者らが参加した。

 主催者あいさつのなかで田端長官は、観光は外交的に大変重要で、海外を訪問すると話題になるのはいつも「日本人にたくさん来てほしい、直行便を開設してほしい」という要望であると紹介し、2020年は羽田空港の国際線発着枠拡大やそれに伴う東京(羽田/成田)発の路線の再編があり、「アウトバウンドにとって好材料ばかり」と述べた。乗り継ぎに不安・抵抗があるという日本人にとっても、直行便の開設が相次ぐことからよい状況が始まっていると、さらなるアウトバウンド拡大に向けて見通しがよいと示した。また、自身が観光部の旅行振興課長だったころを振り返り、「本当に今日はうれしい」と喜びを表現した。

観光庁長官 田端浩氏

 一方、田川会長は若年層のアウトバウンド振興を目的としたJATAの取り組み「ハタチの一歩」を紹介しつつ、「今の若者はまだまだ外に向かう意欲を持っている。それを我々が後押ししなければ」という。1964年(昭和39年)の海外渡航自由化から55年、その間には1980年代の旅行業法の改正、1988年の米国ビザ免除によるハワイ/グアム旅行ブームなどを経て、一度はアウトバウンドが1890万人くらいまで伸びたものの、テロの影響などで落ち込むなど紆余曲折があったと振り返った。「今年はオリンピック・パラリンピックで、交流の新時代。これからが大事なとき」と述べ、インバウンドとアウトバウンドで合計5000万人を超えた観光業の今後に期待を寄せた。

一般社団法人日本旅行業協会 会長 田川博己氏